E :Environment
自然との共生
生物多様性(海外拠点)
事例紹介(海外)
ヨコハマタイヤ・マニュファクチャリング・タイランド(YTMT)
タイのタイヤ工場であるYTMTは、工業団地内に立地しています。日本の工場と異なり、工業団地が取水および排水を一括管理していることから、工場単独での取水・排水域への影響は確認できていません。そこで、敷地内の緑地(千年の杜やビオトープ)を評価するための鳥類、昆虫類のモニタリングを実施しています。工場敷地内で豊かな生息環境を再生するために湿地型および池沼型の2種類のビオトープを作成しています。水面と地面との生き物のつながりを保つための植栽にも工夫を加えています。地域の生物の生息域を確保するとともにこの活動を通じて、従業員の環境教育も行っています。
YTMTが所在しているアマタ市・ラヨーン工業団地の重要なドク・クレイ貯水池の生態系保護のためにYTMTは2024年7月23日に工業団地と工業団地内の他の企業と共に稚魚やエビを放流しました。YTMTからも従業員の代表をこの活動に参加させました。
YTMTが所在しているアマタ市・ラヨーン工業団地の重要なドク・クレイ貯水池の生態系保護のためにYTMTは2024年7月23日に工業団地と工業団地内の他の企業と共に稚魚やエビを放流しました。YTMTからも従業員の代表をこの活動に参加させました。
生物多様性と環境に関する知識を若者に伝えるためにYTMTは近隣の学校の生徒を招待し、生物多様性の基礎知識と環境意識についての学習を指導しました。教室での講義に加えて生物多様性エリアで体験活動を行いました。自然から知識を得るためのゲーム(ウォークラリー)やトンボや蝶などの生物指標を観察する活動を行いました。
2024年には、3校の生徒を対象に3回の活動を実施しました。参加校は、バン・マプヤン・ポルン小学校、バン・マプ・トイ小学校、ニコム9小学校です。
2024年には、3校の生徒を対象に3回の活動を実施しました。参加校は、バン・マプヤン・ポルン小学校、バン・マプ・トイ小学校、ニコム9小学校です。
2024年12月21日にYTMTの社長とボランティア従業員およびその家族、合計66名がカオ・ケオ自然野生生物研究センターを訪れ、小型野生動物のための巣箱を作成しました。また、森林地域の修復と樹木を増やすため、苗木を植える活動も行いました。
Y.T.ラバー(YTRC)
YTRC(Y.T. Rubber Co., Ltd.)は、タイ南部スラタニ県に位置する、横浜ゴムグループで唯一の天然ゴム加工工場です。
工場は約80km上流から流れるタピー川とその支流に囲まれた平坦な場所に位置し、周囲には天然ゴムやパーム樹の農園が広がる、自然環境に恵まれた地域にあります。
当社では、この環境と調和しながら持続可能な事業活動を推進することを企業責任と捉え、生物多様性の保全を重視した取り組みを継続しています。
天然ゴムの加工工程では大量の水を使用しますが、YTRCでは設立時から100%の水リサイクル体制を確立し、限りある水資源の有効活用に努めています。
また、加工工程で発生する排水から沈殿・回収された栄養豊富な土も有効活用しています。かつては地域住民の皆さまへ無償配布していたこの土は、現在では工場内での植樹活動や苗木の自社育成に活用されています。全社員が参加する形で、工場敷地内において毎年5,000本規模の植樹を継続しており、この土は植樹時のマウンド(土盛り)づくりに使用され、苗木の定着と健全な成長を支えています。実際、植樹からわずか1年で立派に成長した木も多く見られます。
さらにこの土は、敷地内で採取した地域在来種の種子に加え、より付加価値の高い果物の苗木向けの培養土としても使用しており、こうして育てた苗木は年間数万本規模で地域住民や天然ゴム農家へ無償で提供しています。
当社敷地内には、約46,000㎡の大きな遊水池があります。この池は、雨水の調整機能に加え、魚類や鳥類の安定した生息環境としても重要な役割を果たしています。毎月1回の頻度で遊水池における水質と魚類の生息状況のモニタリングを継続しており、環境の維持と変化の把握に役立てています。特に雨季にはタピー川から自然に水が流入するため、稚魚放流活動との相乗効果により、大小20種以上の魚類の繁殖が確認されています。
この遊水池は、地域との交流の場としても活用されており、以前は隔年でしたが、近年は毎年一般開放を行い、魚獲りのイベントを開催しています。訪れた地域住民の皆さまには、自然の恵みや環境の健全さをご体感のうえ、池内の魚類の生育状況や、YTRCによる適正な生態系の維持活動の成果を間近でご覧いただけます。
夕方には木々に集まった鳥たちのさえずりが工場敷地内に響き渡るなど、四季を通じて豊かな自然の営みを感じることができます。また、パーム林は月に一度の頻度で地域へ開放しており、訪れた方々が自由に実を採取して持ち帰れるようにしています。こうした自然とのふれあいや資源の循環利用を通じて、地域に親しまれる工場づくりを進めています。
このほか、YTRCではCSRの一環として、地域行事への参加や寄付、地域レスキューチームの救急車などに対するYOKOHAMAブランドタイヤの無償提供、さらに洪水被害が発生した際の米や飲料水の配布による支援など、様々な地域貢献活動を実施しています。
これらの取り組みと生物多様性活動は密接に関連しており、持続可能な地域社会の形成に向けた当社の姿勢を示すものです。今後は、引き続き遊水池や緑地の維持管理に取り組むとともに、生物モニタリングの高度化や環境教育の機会創出など、地域や次世代とともに歩む活動を拡充していきます。
YTRCはこれからも、地域の皆さまの理解と協力を得ながら、環境にやさしく、社会に信頼される企業として、生物多様性の保全に真摯に取り組んでまいります。
工場は約80km上流から流れるタピー川とその支流に囲まれた平坦な場所に位置し、周囲には天然ゴムやパーム樹の農園が広がる、自然環境に恵まれた地域にあります。
当社では、この環境と調和しながら持続可能な事業活動を推進することを企業責任と捉え、生物多様性の保全を重視した取り組みを継続しています。
天然ゴムの加工工程では大量の水を使用しますが、YTRCでは設立時から100%の水リサイクル体制を確立し、限りある水資源の有効活用に努めています。
また、加工工程で発生する排水から沈殿・回収された栄養豊富な土も有効活用しています。かつては地域住民の皆さまへ無償配布していたこの土は、現在では工場内での植樹活動や苗木の自社育成に活用されています。全社員が参加する形で、工場敷地内において毎年5,000本規模の植樹を継続しており、この土は植樹時のマウンド(土盛り)づくりに使用され、苗木の定着と健全な成長を支えています。実際、植樹からわずか1年で立派に成長した木も多く見られます。
さらにこの土は、敷地内で採取した地域在来種の種子に加え、より付加価値の高い果物の苗木向けの培養土としても使用しており、こうして育てた苗木は年間数万本規模で地域住民や天然ゴム農家へ無償で提供しています。
当社敷地内には、約46,000㎡の大きな遊水池があります。この池は、雨水の調整機能に加え、魚類や鳥類の安定した生息環境としても重要な役割を果たしています。毎月1回の頻度で遊水池における水質と魚類の生息状況のモニタリングを継続しており、環境の維持と変化の把握に役立てています。特に雨季にはタピー川から自然に水が流入するため、稚魚放流活動との相乗効果により、大小20種以上の魚類の繁殖が確認されています。
この遊水池は、地域との交流の場としても活用されており、以前は隔年でしたが、近年は毎年一般開放を行い、魚獲りのイベントを開催しています。訪れた地域住民の皆さまには、自然の恵みや環境の健全さをご体感のうえ、池内の魚類の生育状況や、YTRCによる適正な生態系の維持活動の成果を間近でご覧いただけます。
夕方には木々に集まった鳥たちのさえずりが工場敷地内に響き渡るなど、四季を通じて豊かな自然の営みを感じることができます。また、パーム林は月に一度の頻度で地域へ開放しており、訪れた方々が自由に実を採取して持ち帰れるようにしています。こうした自然とのふれあいや資源の循環利用を通じて、地域に親しまれる工場づくりを進めています。
このほか、YTRCではCSRの一環として、地域行事への参加や寄付、地域レスキューチームの救急車などに対するYOKOHAMAブランドタイヤの無償提供、さらに洪水被害が発生した際の米や飲料水の配布による支援など、様々な地域貢献活動を実施しています。
これらの取り組みと生物多様性活動は密接に関連しており、持続可能な地域社会の形成に向けた当社の姿勢を示すものです。今後は、引き続き遊水池や緑地の維持管理に取り組むとともに、生物モニタリングの高度化や環境教育の機会創出など、地域や次世代とともに歩む活動を拡充していきます。
YTRCはこれからも、地域の皆さまの理解と協力を得ながら、環境にやさしく、社会に信頼される企業として、生物多様性の保全に真摯に取り組んでまいります。
育苗ポットへの種の仕込み
投網を使った魚類の調査捕獲活動
地域住民の皆さんへ遊水池開放で魚獲り
鳥類の生息観察
植樹エリアの樹木生育状況確認
杭州横浜輪胎有限公司(CHZY)
CHZYは杭州市銭塘区、銭塘江の川沿いに立地しています。工業地帯に緑地はありますが、緑地を構成する樹木の種類が少なく、多様性を欠いています。そのため2008年からCHZYは「千年の杜」植樹活動を展開してきました。合計苗木24,000株あまりを、面積5,000㎡あまりに植樹しました。樹木同士でお互いに競合、共生させています。また、千年の杜が森林性の生物に対する生息地になるとの観点から千年の杜の評価とそこに住む生き物の調査を行っています。
当社は、毎年定期的に地元の自治体やボランティア、近隣の企業の皆様とともに、環境保護活動を展開し、2024年7月4日、11月6日に下沙川沿い湿地と銭塘区東沙湖地域で「川沿いの生物多様性保護活動、外来種駆除活動」とゴミ拾い活動を実施しました。また外来種を駆除、生物多様性を保護し、周辺の環境を美しくするために、2025年5月27日、工場周辺の川で「稚魚放流とゴミ拾い」活動を展開しました。
また環境保護政策の一環として、CHZY所在地周辺の土地(面積約2,000m2)を「ヨコハマ養護林」として政府から弊社に管理を任せられました。2013年から、毎年3月の植樹節に付近の住民と小学生と一緒に植樹活動を行ってこれまでに合計150株を植樹しました。
当社は、毎年定期的に地元の自治体やボランティア、近隣の企業の皆様とともに、環境保護活動を展開し、2024年7月4日、11月6日に下沙川沿い湿地と銭塘区東沙湖地域で「川沿いの生物多様性保護活動、外来種駆除活動」とゴミ拾い活動を実施しました。また外来種を駆除、生物多様性を保護し、周辺の環境を美しくするために、2025年5月27日、工場周辺の川で「稚魚放流とゴミ拾い」活動を展開しました。
また環境保護政策の一環として、CHZY所在地周辺の土地(面積約2,000m2)を「ヨコハマ養護林」として政府から弊社に管理を任せられました。2013年から、毎年3月の植樹節に付近の住民と小学生と一緒に植樹活動を行ってこれまでに合計150株を植樹しました。
外来種駆除とごみ拾いの活動
2024年7月4日の活動の写真
2024年7月4日の活動の写真
2024年11月6日の活動の写真
2024年11月6日の活動の写真
稚魚放流とごみ拾い活動
2025年5月27日の活動の写真
2025年5月27日の活動の写真
ヨコハマタイヤ・フィリピン(YTPI)
アラヤット山での千年の杜活動の拡大を主導
生物多様性保全を、1本ずつ木を植えることから
2024年11月22日、YTPIはフィリピン・パンパンガ州アラヤット山麓でYOKOHAMA千年の杜活動の8回目の拡大を主導し、環境保全への長期的な取り組みを継続しました。
この重要な植林活動は、横浜ゴムのグローバルな持続可能性イニシアチブの一環として実施され、中央ルソン地方で最も環境的に重要な地域の一つにおける生物多様性の保全と生態系の回復を支援することを目的としています。
この取り組みは、YTPIが「現代の環境課題に対処する上で、企業が率先して模範を示すべき」との信念を反映しています。当社の企業持続可能性戦略の一環として、私たちは以下の機会を積極的に追求しています。
この重要な植林活動は、横浜ゴムのグローバルな持続可能性イニシアチブの一環として実施され、中央ルソン地方で最も環境的に重要な地域の一つにおける生物多様性の保全と生態系の回復を支援することを目的としています。
この取り組みは、YTPIが「現代の環境課題に対処する上で、企業が率先して模範を示すべき」との信念を反映しています。当社の企業持続可能性戦略の一環として、私たちは以下の機会を積極的に追求しています。
- 持続可能な森林再生を通じて、気候変動と地球温暖化を緩和すること。
- 地域コミュニティと地方政府と連携し、水源地の保全と地域の水不足防止を支援すること。
- 森林生態系の積極的な保全を促進すること。
なぜアラヤット山が重要なのか
アラヤット山は単なるランドマークを超えた存在です。多様な動植物が生息する生物多様性のホットスポットであり、豊かな生態系を擁しています。残念ながら、この保護地域は森林伐採、気候変動、人間の侵入といった深刻な脅威に直面しています。
YTPIは、その復元活動に参画することで、在来種の保護、気候変動への適応の向上、そして次世代のために山の生態系の健全性を維持する取り組みを支援しています。
YTPIは、その復元活動に参画することで、在来種の保護、気候変動への適応の向上、そして次世代のために山の生態系の健全性を維持する取り組みを支援しています。
プロジェクトの主な成果
- 800本の在来樹木の苗木を植樹
- 15種類の在来植物種
- YTPI、ヨコハマタイヤセールスフィリピン(YTSP)、およびパートナー組織(MJC JunkshopとFar East Fuel、それぞれ5名の代表者を派遣)から56名のボランティアが参加
これらの木々は、地元の環境との相性を考慮して慎重に選定され、森林の健康と在来野生生物の生息地の安定性を向上させるように植えられました。
宮脇方式の植樹を行うYTPIの従業員ボランティア
苗木提供
環境保全への取り組みの一環として、YTPIは苗木提供を通じて植林活動と生物多様性保全を支援しています。さまざまな団体や地域社会に苗木を提供することで、YTPIは自社敷地を越えた環境への影響を拡大し、緑地の回復を支援し、長期的な生態系の持続可能性を促進することを目指しています。
航空保安部隊 第3地区
YTPIは、航空保安部隊 第3地区–警察改革・発展諮問グループの技術作業部会に対し、アリバンバン、アラランガド、ファイアツリーの苗木100本を寄付しました。これらの苗木は、アンヘレス市のサパン・バトに植樹されました。
GOTO DENSHI MFG. PHILS., INC
同社は、GOTO DENSHI MFG. PHILS., INCの要請に応え、環境改善活動の一環として、同社敷地内での植樹活動に協力するため合計50本の苗木を贈呈しました。苗木は、アリバンバン、アラランガド、ファイアツリー、ビグナイの4種類でした。
工場敷地内生態系の回復
YTPIの環境管理システム(EMS)による最近の評価において、千年の杜内に豊かな生物多様性が存在することが確認されました。コンパクトな規模にもかかわらず、この森は多様な昆虫、クモ類、爬虫類、鳥類が生息する活気ある生態系へと発展しています。2024年だけでEMSは19種の新たな種を記録し、健康で動的な環境が維持されていることが示されています。
この生物多様性の増加は、YTPIの植樹活動と宮脇方式の植樹方法の適用による直接的な成果です。意識的な生態系回復を通じて、この森は現在、種が単に生存するだけでなく繁栄するサンクチュアリとして機能しており、YTPIの持続可能性と環境保全へのコミットメントを体現しています。
この生物多様性の増加は、YTPIの植樹活動と宮脇方式の植樹方法の適用による直接的な成果です。意識的な生態系回復を通じて、この森は現在、種が単に生存するだけでなく繁栄するサンクチュアリとして機能しており、YTPIの持続可能性と環境保全へのコミットメントを体現しています。
その他の環境保全プロジェクト
YTPI、シニュラ小学校で「グリーンカーテン」プロジェクトを開始し、生物多様性保全活動を拡大
環境の持続可能性と生物多様性の促進をミッションに掲げるYTPIは、2024年12月13日、シニュラ小学校(SES)において、最新のエコ・イニシアチブ「グリーンカーテン」プロジェクトをスタートさせました。
この革新的なプロジェクトは、緑化のための構造物と環境教育を融合させ、自然に基づく解決策を導入することで、室内の熱を軽減し、学校の快適性を向上させるとともに、若年層の学習者における植物への理解と愛着を育むことを目的としています。
「グリーンカーテン」は、再利用・再活用された材料で作成された垂直の格子構造に、つる性植物を栽培し、その構造に沿って成長させる取り組みです。これらの植物が成熟すると、自然のバリアを形成し、日光の透過を軽減することで、エネルギー消費の多い冷却システムへの依存度を低下させます。
「グリーンカーテン」を学校環境に統合することで、YTPIは次世代に実践的な環境体験を通じて力を与えることを目指しています。生徒と教師は共に植物の管理と監視に参加するよう奨励され、小規模な緑のインフラが気候変動を緩和する仕組みを学ぶことができます。
この革新的なプロジェクトは、緑化のための構造物と環境教育を融合させ、自然に基づく解決策を導入することで、室内の熱を軽減し、学校の快適性を向上させるとともに、若年層の学習者における植物への理解と愛着を育むことを目的としています。
「グリーンカーテン」は、再利用・再活用された材料で作成された垂直の格子構造に、つる性植物を栽培し、その構造に沿って成長させる取り組みです。これらの植物が成熟すると、自然のバリアを形成し、日光の透過を軽減することで、エネルギー消費の多い冷却システムへの依存度を低下させます。
「グリーンカーテン」を学校環境に統合することで、YTPIは次世代に実践的な環境体験を通じて力を与えることを目指しています。生徒と教師は共に植物の管理と監視に参加するよう奨励され、小規模な緑のインフラが気候変動を緩和する仕組みを学ぶことができます。
廃棄物の分別を通じた持続可能性の推進
YTPIは学校での適切な廃棄物分別を指導することで、持続可能性の推進を継続しています。適切な廃棄物管理イニシアチブの一環として、YTPIはアンヘレス市国立高等学校とシヌラ小学校に、リサイクル用(青)、生分解性廃棄物用(緑)、残渣廃棄物用(黒)に色分けされたごみ箱を提供しました。これらのゴミ箱は廃材から作成され、効果的なごみ分別を促進するため塗装が施されました。さらに、YTPIの代表者は生徒と教職員を対象にオリエンテーションを実施し、責任あるごみ処理の重要性と環境意識の向上を強調しました。
環境月間記念行事
2024年6月にYTPIにおいて環境月間を記念する行事が行われました。この年次行事は、生物多様性の保全と環境意識の重要性を強調する上で大きな意義を持っています。主な見どころは以下の通りです。
生物多様性コーナー
生物多様性コーナーでは、インタラクティブな展示、情報豊かなパネル、そして参加型の活動を通じて、来場者が生態系の不思議を垣間見ながら、環境保護と保全の重要性を理解する機会を提供しました。
E-ビンゴレース
EMSが企画した数多くの魅力的な活動の一つに、E-ビンゴレースがありました。これは、環境問題への意識を高め、前向きな行動を促すための楽しいインタラクティブなイベントです。このレースの目的は、与えられた時間内に一連のタスクを完了することでした。
YTPIに関する事実の調査や、小規模な環境保全活動の実施など、多くの活動が含まれていました。
YTPIに関する事実の調査や、小規模な環境保全活動の実施など、多くの活動が含まれていました。
エコポスター制作コンテスト
EMSは、YTPI従業員とその子供を対象に「親子のエコポスター制作コンテスト」を開催しました。このコンテストには、2024年環境月間のテーマに沿った作品を制作するため、絵の具を主な素材として使用した10組の親子ペアが参加しました。この活動は、参加者が環境保護について学び、実践的な取り組みを身につけることで、未来の世代のための環境保全に貢献することを目的としています。
周辺清掃キャンペーン
YTPIは、環境品質の向上だけでなく、従業員のチームワークを促進し、地域社会との絆を強化しています。この取り組みの一環として、合計43名の従業員が清掃キャンペーンを実施し、各グループに特定の区域が割り当てられ、さまざまな種類の廃棄物を収集し適切に処分しました。活動の成果は以下の通りです。
清掃活動期間中に集められた廃棄物の総量:87.1kg
ボランティア活動時間:43時間
廃棄物の種類 総量(kg)
金属くず:5.3
ペットボトル:6.6
布切れと手袋:8.7
汚れのある廃棄物:66.5
ボランティア活動時間:43時間
廃棄物の種類 総量(kg)
金属くず:5.3
ペットボトル:6.6
布切れと手袋:8.7
汚れのある廃棄物:66.5
環境活動賞
YTPIは、8月16日にクラーク・フリーポート・ゾーンのウィドゥスホテルで開催された環境実務者協会(EPA)の第23回総会において、環境保全賞を受賞しました。この賞は、YTPIが持続可能性への強いコミットメントと、環境責任の促進における積極的な取り組みを評価するものです。革新的な実践と継続的な取り組みを通じて、YTPIは企業成功と環境リーダーシップが調和する模範を示しています。
Yokohama Tire Manufacturing Virginia(YTMV)
YTMVはアメリカ合衆国の東部、バージニア州のアパラチア山脈の麓に位置します。日本にも似た四季を感じられる自然環境が広がっています。工場の敷地に植えた千年の杜の成長に伴い数多くの野生動物や野鳥が生息しています。これらの自然環境の保全と生産活動を両立させていく活動を行っています。
2015年からEastern Bluebird(和名:ルリツグミ)の繁殖保護のための巣箱を設置し全従業員でヒナの生育を見守っています。
2015年からEastern Bluebird(和名:ルリツグミ)の繁殖保護のための巣箱を設置し全従業員でヒナの生育を見守っています。
工場敷地北側で観察されたルリツグミ
ルリツグミのための巣箱
巣箱の中のルリツグミの卵
工場敷地内の巣箱近くで観察されたルリツグミの親子
YTMVの敷地内にオジロジカ(Odocoileus virginianus)の小さな群れが住んでいます。 オジロジカは植生管理、種子散布、植物の多様性維持などのために重要な役割を果たしています。また、これらの動物を見ることは私たち従業員の楽しみにもなっています。
工場敷地北側で観察されたオスのオジロジカ
工場敷地西側で観察されたメスのオジロジカ
工場正門入り口付近で地面の草を食べるオジロジカ
蘇州優科豪馬輪胎有限公司(CSZY)
CSZYは中国江蘇省蘇州市の長江デルタ地帯に位置しています。太湖をはじめとした湖や川も多く、その面積は蘇州市の36.6%を占め、水資源が豊富な土地です。温暖な気候、豊富な降雨量、多くの日照という特徴もあります。CSZYでは、2012年に千年の杜活動を、2016年から生物多様性活動を開始し、工場敷地内の鳥類、昆虫類、植物などの変化を観察してきました。
CSZYは2016年から生物多様性調査活動を開始し,2024年11月29日に第17回目、2025年6月20日に第18回目の調査活動を実施しました。
調査内容は主に敷地内の昆虫、植物、鳥類の数を観察し、生態を理解することです。千年の杜の影響により鳥類ではシラサギの仲間が増えていることと、また菌類も発見されています。
CSZYは2016年から生物多様性調査活動を開始し,2024年11月29日に第17回目、2025年6月20日に第18回目の調査活動を実施しました。
調査内容は主に敷地内の昆虫、植物、鳥類の数を観察し、生態を理解することです。千年の杜の影響により鳥類ではシラサギの仲間が増えていることと、また菌類も発見されています。
Yokohama Tyre Vietnam Inc.(YTVI)
2023年、YTVIは次の生物多様性保全プロジェクトに向けて、Cần Giờ生物圏保護区で包括的な調査を実施しました。Cần Giờ生物圏保護区は、2000年にユネスコによって認定されたベトナム初の生物圏保護区で、ホーチミン市のユニークなマングローブ生態系でよく知られています。YTVIから約60kmに位置し、ベトナムのレッドデータブックに記載されている種を含む多様な植物相と、爬虫類、両生類、鳥類、魚類などの動物相も豊かで9種がベトナムのレッドデータブックに掲載されています。
保護区内にあるマングローブ植物園は、ホーチミン市林業局傘下のCần Giờマングローブ研究センターによって管理されています。調査の結果、私たちの保全調査にとって理想的な場所であることがわかりました。この植物園には研究目的でマングローブの木が系統ごとに分類されて並んでおり、園の管理・手入れについては地元市民と詳細な契約が結ばれています。
また、2024年後半から、社内で生物多様性に関する活動をいくつか展開し始めています。YTVIの環境方針に基づき、生物多様性保全や生態系保全のための計画を策定・実施し、YTVI従業員の自然環境保全に対する意識向上に積極的に取り組んでいます。
保護区内にあるマングローブ植物園は、ホーチミン市林業局傘下のCần Giờマングローブ研究センターによって管理されています。調査の結果、私たちの保全調査にとって理想的な場所であることがわかりました。この植物園には研究目的でマングローブの木が系統ごとに分類されて並んでおり、園の管理・手入れについては地元市民と詳細な契約が結ばれています。
また、2024年後半から、社内で生物多様性に関する活動をいくつか展開し始めています。YTVIの環境方針に基づき、生物多様性保全や生態系保全のための計画を策定・実施し、YTVI従業員の自然環境保全に対する意識向上に積極的に取り組んでいます。
2023年3月のCần Giờマングローブ研究センターでの保全候補地選定
2023年11月の第2回調査。Cần Giờ生物圏保護区の管理委員会と活動計画について協議
アカバナヒルギモドキ(Lumnitzera littorea)ベトナムレッドデータブック掲載種
Cần Giờマングローブ研究センターが管理するマングローブ植物園での実験場のひとつ
今後の課題
現在、生物多様性は気候変動と同様に重大な環境リスクとして認識されています。特に昆明-モントリオール生物多様性枠組や自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の策定において示された目標や手法に合致した取り組みと情報開示が重要であると認識しています。
事業活動による土地利用・天然ゴムや水などの資源利用・気候変動・汚染・外来種などに対する生物多様性の負の影響の回避・低減を図り、自然資源の持続可能な利用と生物多様性の保全への対応を進めます。また、サプライヤーと連携してサプライチェーン全体で自然資源の持続可能性を高め、自然の復元・再生を進めることで、ネイチャーポジティブに貢献することを目指します。
事業活動による土地利用・天然ゴムや水などの資源利用・気候変動・汚染・外来種などに対する生物多様性の負の影響の回避・低減を図り、自然資源の持続可能な利用と生物多様性の保全への対応を進めます。また、サプライヤーと連携してサプライチェーン全体で自然資源の持続可能性を高め、自然の復元・再生を進めることで、ネイチャーポジティブに貢献することを目指します。

