横浜ゴム（株）の低燃費タイヤブランド「BluEarth（ブルーアース）」の2商品およびSUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR（ジオランダー）」の2商品とトラック用ウルトラワイドベーススタッドレスタイヤ「903W（キューマルサン・ダブリュー）」が10月1日、2020年度グッドデザイン賞を受賞しました。なお、「903W」は受賞対象の中で審査委員会により特に高い評価を得た100件に贈られる「グッドデザイン・ベスト100」に選出されました。

受賞した「BluEarth」の商品は乗用車用オールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21（ブルーアース・フォーエス・エーダブリュー・ニーイチ）」およびクロスオーバーSUV専用サマータイヤ「BluEarth-XT AE61（ブルーアース・エックスティー・エーイーロクイチ）」。「BluEarth-4S AW21」はウェットやドライ路面での性能を確保しつつ急な積雪にも対応できる雪上性能を実現しており、「BluEarth-XT AE61」はオンロード性能に特化し、クロスオーバーSUVにふさわしい舗装路でのハンドリング性能や静粛性のほか、ロングライフ性能を兼ね備えています。両商品ともにユーザーのニーズや車社会の変化に対応している点が評価されました。

「GEOLANDAR」の商品はクロスオーバーSUV向けグランドツーリングタイヤ「GEOLANDAR CV G058（ジオランダー・シーブイ・ジーゼロゴーハチ）」およびSUV・ピックアップトラック向けタイヤ「GEOLANDAR X-AT（ジオランダー・エックスエーティー）」。「GEOLANDAR CV G058」は安全性や静粛性のほか耐摩耗性能や低燃費性能を備えており、「GEOLANDAR X-AT」はアグレッシブな外観と優れたオフロード性能に加え、オンロードでの快適性や環境性能を両立しています。さらに、両商品とも急な降雪にも対応する「M+S（マッド＆スノー）」規格となります。オンロード性能とオフロード性能をバランスさせた点が評価されました。

「903W」は優れたスタッドレス性能と摩耗ライフを両立したウルトラワイドベースタイヤで、トラックに使用する2本1組の複輪を単輪に置換できるため軽量化による積載量増加やタイヤ組み換え・日常点検などの省メンテナンス化に貢献します。独自技術「SpiraLoop®（スパイラループ）」によってベルト構造を強化することで幅広タイヤの課題となる形状保持を実現し、製品化を達成した点が高く評価され「グッドデザイン・ベスト100」にも選ばれました。「903W」は10月1日～11月3日、東京ミッドタウン・デザインハブで開催される企画展『2020年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」』にて展示されます。

横浜ゴムは中期経営計画「グランドデザイン2020（GD2020）」において、タイヤ消費財事業ではプレミアムタイヤ市場における存在感の更なる向上、タイヤ生産財事業では同事業を次の100年の収益の柱とすることを目指し、独自路線を強めた高性能かつデザイン性の高い商品を積極的に投入してきました。グッドデザイン賞では今回の5商品のほか、2018年は乗用車用タイヤ3商品、2019年は乗用車用タイヤ2商品とダンプトラック向けタイヤ1商品が選出されるなど過去にも多数の商品が高い評価を受けています。

「グッドデザイン賞」は公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザイン評価推奨制度で、国内外の多くの企業や団体が参加しています。グッドデザイン賞受賞作品には優れたデザイン性を象徴する「Gマーク」の使用が認められます。

都市部における、ドライバーの志向変化にあわせ、急な積雪に対応したオールシーズンタイヤ。タイヤの溝のデザインにおいて、スタッドレスタイヤで培った、雪での性能向上を実現する多くの溝（エッジ）と、逆にエッジが多すぎるとドライ面での性能が落ちるというバランスをとりながら、ドライも快適、雪にも対応を実現した。欧州でのニーズに合致し成功を収めるとともに、日本での利用も期待される。多様なユーザー、車社会の変化に対して、積み重ねの技術でデザインで対応したことが評価できる

舗装道路走行を想定したクロスオーバーSUV（CUV）の人気が高まる中、同社が初めてラインアップしたCUV専用サマータイヤである。4本の主溝が強調されたシンプルなトレッドパターンが、舗装路でのハンドリング性と静粛性を高め、デザイン的にも洗練されたCUVの車体とマッチしている。

近年、主要車系のひとつとなったクロスオーバーSUVのために開発されたタイヤである。多数のサイプ（細溝）を配置する独自のトレッドパターンによって、舗装路での静粛性や雨天時性能を損なうことなく、非舗装路や雪道での走破性能も向上させている。ユーザーの要望に合わせて、どの性能も見捨てない丁寧な製品開発を達成した点に加え、多様な車種に合わせて多くのサイズをそろえていることも評価した。

SUVでオフロードを楽しみたい、というニーズは多くのユーザーにとって憧れのひとつであるが、遊び専用車を所有できるユーザーは少なく、実際は同じ車で買い物など日常使いをするユーザーがほとんどだろう。アグレッシヴなデザインのタイヤを装着した車両は騒音を出す傾向があり、街の人々からはユーザーの独り善がりに思われる向きもあった。このジオランダーX-ATはそれを解決しており、憧れと日常を両立させてくれる商品であること等が評価された。

通常、トラックの後輪には複輪が用いられるが、これをひとつの幅広タイヤにまとめることで、軽量化と省スペース化を達成し、積載重量や積載容量の増加、メンテナンス作業の簡易化を実現するトラック用のタイヤである。幅広タイヤの形状を保持するため、継ぎ目のないベルトを用いて構造を強化するなど、独自の技術によって製品化を達成している点を高く評価した。今後も需要増が予想されるトラック物流を支えていってほしい。