ニュースリリース

横浜ゴム、加硫過程におけるゴム中での気泡発生機構の解明で日本ゴム協会の優秀論文賞を受賞

2019年06月12日

  • 経営関連

横浜ゴム(株)の技術者がゴム技術の研究に関して、一般社団法人日本ゴム協会の「第66回優秀論文賞」を受賞しました。受賞した論文は当社の佐藤有二による「加硫過程におけるゴム中での気泡発生機構の解明」です。受賞式は5月23日、京都工芸繊維大学で開催されました。
 
 これまでタイヤ加硫時に気泡が発生するメカニズムは十分明らかになっておらず、ゴム内に残留する気泡が原因の製品不良を発生させないため、製造過程で必要以上のエネルギーや時間を消費し、環境負荷の増大や生産性悪化に繋がっていました。本研究ではスチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムにシリカやカーボンブラックを充填剤として配合し、加硫した後にゴム内部の発泡の様子を大型放射光施設「SPring-8」を活用したX線イメージング法※により観察する方法を開発しました。これによりゴムに存在する水分を主とする揮発成分量および架橋剤の配合量とそれらの発泡状態の関係を明らかにしました。今回、気泡の生成についてその発生機構を明らかにし、信頼性の高いゴム製品を製造する際の条件設定の一助となったことが評価されました。
※高輝度X線を用いて透過像を短時間で多数取得する方法。これにより加硫中のゴム内部で気泡が発生する様子を観察することが可能になった。

「優秀論文賞」は今年で66回目となる歴史ある賞で、過去3年間に日本ゴム協会誌に発表された論文の中から毎年優秀なものに対し最多で2件に授与されます。

※写真をクリックすると印刷用高解像度画像がダウンロードできます。

表彰される横浜ゴムの佐藤有二(左)

表彰される横浜ゴムの佐藤有二(左)