ニュースリリース

横浜ゴム平塚製造所で2回目となる生物多様性パネルディスカッション開催

2015年12月01日

  • 経営関連
  • サステナビリティ

横浜ゴム(株)の平塚製造所(神奈川県平塚市)は、11月14日に開催した体験型環境イベント「第7回 Think Eco ひらつか 2015」の中で、昨年に続き2回目となる生物多様性パネルディスカッションを開催した。

当日は「平塚の水辺のために何ができるか~地域と一体となった保全活動について」をテーマに様々な角度から議論が交わされたほか、約60名の地域住民や従業員家族との間で質疑応答が行われた。パネリストは神奈川県環境農政局水・緑部自然環境保全課羽太博樹副課長、金目川水系流域ネットワーク柳川三郎代表世話人、東海大学教養学部人間環境学科自然環境課程北野忠教授、平塚製造所鍋島和彦所長代理で、コーディネーターは(株)エコロジーパス北澤哲弥取締役(江戸川大学非常勤講師)が務めた。

横浜ゴムは2010年7月に「生物多様性ガイドライン」を制定。以来、国内外の生産事業所周辺で生物多様性保全活動に取り組んでいる。平塚製造所では2013年から活動を開始し、金目川水系の保全に向けて水質、水生生物、鳥類および植物のモニタリングを行っている。また、川原に繁茂している外来植物の除去や清掃活動に取り組んでいる。今回のパネルディスカッションは平塚製造所の取り組みを紹介すると共に活動を発展させるために外部有識者や地域住民の方々から様々な意見を取り入れるために開催した。平塚製造所では生物多様性パネルディスカッションを来年度以降も継続し、市民の方の意見を取り入れながら金目川水系の保全活動に取り組んでいく。

■パネルディスカッションの内容およびまとめ

金目川の生物多様性保全活動の報告

金目川における水生生物調査の結果、生物の多様性が保たれ水質的には神奈川県の代表的な河川の中上流部の水質が保たれている。また、河口から中流部までの生き物の生息域の連続性が保たれていることが示された。野鳥調査では河川内の魚類や水生昆虫を餌とする鳥類が見られることから鳥類にとって好ましい河川環境が維持されていることが示された。一方、植物調査では要注意外来生物であるオオブタクサや特定外来生物のアレチウリの繁茂が確認されていることが示された。昨年から実施している外来種の除去作業では、オオブタクサとアレチウリの今年の収穫量が昨年の約半分になっていることから、これら外来植物の除去作業が有効である可能性があり、継続して取り組んでいく。

神奈川県環境農政局水・緑部自然環境保全課羽太博樹副課長の話

生物多様性の大切さに気づき、行動することが大切。自然を守るためには科学的データを取り、データの共有とそれに基づいた行動が重要であり、行政の役割は市民の活動を下支えし、点の活動を線から面に広げていくためのプラットフォームを作ることだと考えている。

金目川水系流域ネットワーク柳川三郎代表世話人の話

金目川は人が関わることによって自然を維持してきた。洪水に悩まされることがあったが助け合うことで人と人の関係ができ、文化が構築されてきた。企業マインドと市民の活動が支えあっていくことでより豊かな自然が取り戻せるのではないか。

東海大学教養学部人間環境学科自然環境課程北野忠教授の話

金目川は適度に小さいため自然観察に適した河川である。現在、自然環境保全の活動をしている人は子どもの頃に自然に親しんだ人で、その懐かしいという思いが保全活動につながっているのではないか。観察会を通して子どもたちに自然に触れる機会を与えていきたい。

コーディネーター(株)エコロジーパス 北澤哲弥取締役によるまとめ

里山と川のつながりを意識した取組みを様々な立場から取り組んでいくという今後の展開が見えてきた。活動をつなぐ場としてのパネルディスカッションを来年以降も継続し、地域の発展につなげていけると良い。

※写真をクリックすると印刷用高解像度画像がダウンロードできます。

生物多様性パネルディスカッションの様子

生物多様性パネルディスカッションの様子