横浜ゴム（株）の中国のタイヤ生産販売子会社である杭州優科豪馬輪胎有限公司が、地元の「杭州師範大学生命と環境科学学院」と提携し、5月22日から同社が所在する杭州市下沙開発区の川沿いの湿地で生物多様性保護活動を開始した。今後、3年かけて水質モニタリングと生態調査を行い生物多様性の回復につなげる計画。活動開始日には沿江湿地で環境保護イベントを行い、「杭州師範大学生命と環境科学学院」の夏寧主任と邵暁陽教授、下沙開発区環境保護局の葉蕭紅局長、横浜ゴムから永尾徹也杭州優科豪馬輪胎有限公司総経理が出席。記念看板の除幕式のほか、地元住民の方々に生物多様性の必要性を説明し、湿地のスラッジ（汚泥）のサンプリング調査を行った。

対象となるエリアは下沙開発区内、銭塘江の川岸にある5平方キロメートル以上の天然湿地で、多くの生物が集まり、鳥の重要な休憩地にもなっている。しかし、周辺に開発区の企業と住居が密集している影響で河川や湿地の水質が汚染され、生態環境が悪化している。杭州優科豪馬輪胎有限公司は1年目に湿地の生物多様性の現状を把握、2年目は生物多様性を回復させるための実験と検証、3年目はそれまでの成果をまとめ、生物多様性を回復させるための活動をスタートする計画。

横浜ゴムは中期経営計画「グランドデザイン100」の基本方針に「トップレベルの環境貢献企業になる」ことを掲げており、杭州優科豪馬輪胎有限公司は地域環境保護活動や環境設備への投資などを行っている。また近隣企業・地域住民・若い世代の環境保護意識を啓発するための教育活動にも力を入れており、2014年11月に杭州市から「杭州市環境教育基地」に認定された。

杭州優科豪馬輪胎有限公司は2002年1月に設立し、2003年5月に操業を開始した。乗用車用タイヤ、SUV用タイヤを生産販売しており、累計生産3,000万本を達成している。2015年5月現在の従業員数は1,420名。