第46回 東京モーターショー 2019レポート

横浜ゴムは「第46回 東京モーターショー」に出展しました。
たくさんのご来場ありがとうございました。

横浜ゴムのブーステーマ

今回の東京モーターショーのショーテーマは「OPEN FUTURE」。
モビリティの領域にとどまらず、生活者にとって本当に価値があり、ワクワクする「未来のモビリティ社会への夢」を感じていただくというコンセプトでした。
横浜ゴムもこのテーマに賛同し、現在から未来にかけて新しいモビリティをサポートできる技術や研究テーマをご紹介いたしました。

技術の体感コーナー

グローバルフラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105」の「マトリックス・ボディ・プライ」をご紹介。カーカス構造の違いによる剛性の違いを模型によって体感いただきました。

国内タイヤラベリング制度のウェットグリップ性能最高グレード「a」を業界初の344サイズ(2019年9月時点)獲得しているウェットグリップ技術を訴求。ウェット路面でのグリップ力の違いを比較体験していただきました。

将来技術コーナー

今後急速な進展が見込まれるCASE※対応技術およびサステナブル社会の実現に貢献する環境技術をご紹介。

※ Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリングのみを指す場合もある)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語

「YOKOHAMA Intelligent Tire Concept」

タイヤに取り付けたセンサーから取得するデータをクラウドに繋げ、タイヤと車両、ドライバーの通信端末、ロードサービス会社、ヨコハマタイヤ系列店などを連携させるタイヤのIoT化のコンセプトです。

「Self Seal Concept Tire」

カーシェアリングや自動運転ではパンク時のタイヤ交換が難しく、車の運行を止めずに一定距離を走れる機能の必要性が高まっています。新技術「Self Seal Concept Tire」はタイヤ内部に粘着性の強いシーリング材を配置することで、くぎなどが刺さった際に穴をシーリング材が塞ぎ、空気漏れを抑制します。また、すでに発売中の「Z・P・S(Zero Pressure System)」も展示しました。 

「Silent Foam 面ファスナー Concept Tire」

タイヤ内部の共鳴音を低減する吸音材を面ファスナーで固定する新しい技術を採用し、直付け技術では難しいパンク修理剤の使用や、吸音材の後付けなどを可能にします。
また、将来的にはタイヤ内部に必要な様々な機能部品を取り付けることも可能にします。

「Ultra Lightweight Concept Tire」

タイヤの省資源化や車両の燃費向上に貢献するため、当社従来品比で約50%の軽量化を目指す「Ultra Lightweight Concept Tire」。
ブース内では当社基準タイヤと持ち較べ、その軽さを実感いただきました。
同時に、採用する車両やタイヤが受ける空気抵抗を解析し車両全体の走行抵抗の低減に貢献するタイヤのエアロダイナミクス技術もご紹介しました。

コミュニケーションコーナー

先日発表し来年から発売するオールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21」をはじめ、当社の代表的なタイヤを展示し、多くのお客様にタイヤ選びのご相談をいただきました。

動画ギャラリー

Vol.1 「横浜ゴムブースへようこそ!」

Vol.2 将来技術「インテリジェント・タイヤ・コンセプト」

Vol.3 将来技術「サステナビリティ技術」

Vol.4 将来技術「Silent Tire Technology」

横浜ゴムブース紹介(Long Ver.)

横浜ゴムブース紹介(Short Ver.)

河口まなぶ氏の「LOVECARS!TV!」で紹介

Vol.5 「ブースを彩るコンパニオンの皆さん」

Vol.6 「体験者のリアクション(WET Grip)」

Vol.7 将来技術「Ultra Lightweight Concept Tire(超軽量タイヤ)」

Vol.8 将来技術「Self Seal Concept Tire」

Vol.9 「ハイパフォーマンスなカーカス構造」

会場でお受けしたQ&A

横浜ゴムブース内でお受けした質問を、皆さまを代表しての疑問と捉え、Q&Aを掲載させていただいております。

Q10/23(水)プレスデー:
車が自動運転になったら、月1回のタイヤ点検なんてできなくなりますよね?

Aはい。タイヤのメンテナンスはどんどん難しくなっていきます。そのためにタイヤ内にセンサーを設置し、空気圧や摩耗状態などタイヤの情報をクラウドに集めユーザーやタイヤショップなどと連携する仕組みづくりを考えています。それが「Intelligent Tire Concept」です。

Q10/24(木)プレスデー:
BluEarth-GT AE51はヨコハマタイヤのラインナップの中で、どのような位置付けになりますか?

A低燃費タイヤブランド「BluEarth」の中で、最もしっかりした走りと快適な乗り心地を実現したタイヤです。長距離移動することを語源とする「グランドツーリング」に相応しい力強い走行性能を追求しています。

Q10/25(金):
iceGUARD 6は永く持つタイヤと聞いたが本当ですか?

A低温時でも硬くなりにくく、柔らかい。このスタッドレスの要となる特性で、凍った路面の凹凸にしっかり密着することができます。ゴムは硬くなると、たとえ溝が残っていても路面に密着して止まるという特性が十分に発揮できません。iceGUARD 6は「オレンジオイルS」を新たに採用し、しなやかさを永く持続させることに成功。約4年後も高い氷上グリップ力をキープします。

Q10/26(土):
オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤは何が違うんですか?

Aオールシーズンタイヤは乾いた道では通常のタイヤとほぼ同等の走行性、耐摩耗性、快適性を有し、雪の少し積もった路面ではスタッドレスタイヤ並の走行性能を発揮します。ただし、凍結路面ではスタッドレスタイヤに対して性能が劣りますので、たまにしか雪の積もらない地域や万一の備えとして検討されている方であれば、オールシーズンタイヤは有力な選択肢の一つになると考えます。横浜ゴムブースでは、来年発売のオールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21」を展示しています。

Q10/27(日):
シリカが入ると何が良くなるのですか?

Aシリカはゴムをやわらかくする効果があります。雨の日に路面温度が下がってもゴムが硬くなりにくく軟らかさを保つため、アスファルトのミクロレベルの凹凸にしなやかさを保ったゴムが追従 (接地する形状が柔軟に変化)し、高いグリップ力を発揮します。スタッドレスタイヤでも同様に、路面温度が低い雪や氷の道でもゴムが軟らかさを保ち、吸水ゴムの機能とあいまってグリップ力を発揮するのです。シリカはゴムに配合する際、分散させることが難しい材料ですが、横浜ゴムではその配合技術研究に長い経験と実績があります。

Q10/28(月):
タイヤが摩耗するとなぜ音が大きくなるのですか?

A本来、円を保ったまま均等に摩耗すればパターンノイズは減少します。しかし、実際はブロック毎に平らに摩耗する事によって円から多角形になっていき、路面との接触時の音が大きくなります。またゴムの硬化も影響します。ちなみに摩耗しきってしまうとまた円に近くなり、音は減少しますが、音に関係なくタイヤのスリップサインにはご注意ください。

Q10/29(火):
面ファスナーのメリットは何ですか?

A工業用の強力な面ファスナーで、耐久性、使用温度、回転速度、振動などタイヤに求められる性能を満たすべく開発しています。タイヤ内側にスポンジ状の吸音材を貼り付けることができる他、将来的にはタイヤセンサー等さまざまな機能部品の取り付けが期待できます。また、面ファスナー取り付け方式ではパンク修理剤を使用できるため、緊急時の一時的なパンク対応が可能となると考えています。

Q10/30(水):
タイヤの偏平率が小さくなると、何がいいのですか?

Aまずタイヤ総幅に対してのタイヤ高さを「率」で表したものをタイヤの偏平率と言います。195/65R15の場合「65」がタイヤの偏平率です。 同じ外径のタイヤで偏平率が小さいということは、総幅や内径(ホイールの径)は大きくなり、タイヤの高さ≒厚みは小さくなります。このためタイヤサイド部の剛性が増しキビキビしたハンドリング性能やしっかりしたコーナリング性能を高めると言え、スポーティな性能が向上します。
一方、乗り心地や燃費性能には不利な方に働きます。最近では既に偏平率が小さいものが純正サイズで装着されたりしますが、その場合の乗り心地や燃費性能は構造やゴムの性能でバランスよくコントロールされていることが多いです。

Q10/31(木):
ヨコハマタイヤで静かなタイヤはどれがいいですか?

A「ADVAN dB V552」をオススメします。 一般的にトレッドパターンのブロックが小さいほど路面を叩く音が小さくなります。ADVAN dB V552ではブロックの小さいパターン設計を基本としながら、さらにその中で微妙に大きさの異なる5種類のブロックを織り交ぜる配列で、タイヤが路面に接地する際のノイズを低減させています。その結果、従来品のADVAN dB V551に比べてロードノイズを32%も低減する事に成功しました。
加えて、吟味した部材、タイヤ形状の専用開発など細部に至るまでのこだわりの造り込みによって、優れた静粛性と走行安定性能やウェット性能などを高い次元でバランスさせています。決して静かさだけのタイヤではありません。是非お試しください。

Q11/1(金):
超軽量タイヤに施されているディレクショナルフィンは、何のためについているのですか?

A車両の周りを流れる空気を整流化し、空気抵抗を低減させることで車両の燃費向上が期待できます。なお、タイヤ形状や車両形状が変わるとタイヤ付近の空気の流れも変わるので、フィンの効果も変わります。難しい課題ですが、様々な車両形状でより大きな効果が得られるフィンを目指して研究しています。

Q11/2(土):
ADVAN Sport V105やBluEarth-GT AE51などの非対称パターンは何が良いのですか?

A非対称パターンとは、タイヤの外側(OUT)と内側(IN)が異なるパターンデザインのことです。車が曲がる時にはタイヤの外側(OUT)により重量がかかるため、腰砕けしないようブロックを大きくし剛性を高め、一方タイヤの内側(IN)は、乗り心地・排水性・静粛性などを高めるために、細かいブロックを配置するのが一般的な非対称パターンの設計です。このように外側(OUT)と内側(IN)の役割をより効果的に発揮させるため、それに合った最適なパターンにする事でタイヤ全体の性能を高めています。

Q11/3(日):
サイレントフォームは、具体的にどんなタイヤノイズの低減に効果があるのですか?

Aタイヤが接地した際にトレッド部やサイド部などが振動することで起こる「空洞共鳴音」と呼ばれる音があります。これは周波数250Hz近辺のノイズで、人間には耳障りな周波数域と言われています。サイレントフォームを取り付けることでタイヤ内部の空気の振動が抑制され、この「空洞共鳴音」が抑えられます。

Q11/4(月):
ADVAN FLEVA V701とBluEarth-GT AE51は何が違うのですか?

AADVAN FLEVA V701は"走りのADVAN"に相応しくキビキビとしたハンドリングフィールを味わえるスポーツタイヤです。クルマを操る事を楽しむ方に最適です。
一方BluEarthは低燃費性能を追求したタイヤブランドですが、その中でもBluEarth-GT AE51は高速走行での操縦安定性を高めて、快適な長距離移動を可能にしています。GTとはGRAND TOURINGの略称で、長距離の旅を意味しています。