■2019年度上期決算説明会
■中期経営計画「GD2020」概略
■2019年度上期活動実績と下期以降の取り組み
■2020年度財務目標について
   
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中期経営計画「GD2020」に沿った2019年度上期の活動実績と、下期の取り組みについてご紹介させていただきます。

まず初めに、2018年2月にスタートした中期経営計画「GD2020」について概略をご説明します。

「GD2020」では横浜ゴムの強みを再定義し、独自路線を強めた各事業の成長戦略を通じて経営基盤を強化していくことを表明しました。来たるべき2020年代における更なる飛躍に備えることが、この中期経営計画の位置づけです。

その成長戦略として、タイヤ消費財事業では「プレミアムタイヤ市場において存在感の更なる向上」、タイヤ生産財事業では「オフハイウェイタイヤを成長ドライバーとして、次の100年の収益の柱へ」、MB事業では「得意分野への資源集中」を掲げて活動しています。さらに、経営基盤の強化策として「有利子負債の削減や、資産圧縮等の財務体質強化」「企業風土の変革」「リスクマネジメント」といった施策を進めています。

それではここから「GD2020」に沿った2019年度上期の活動実績と下期以降の取り組みについてご説明します。

まず、タイヤ消費財事業です。「プレミアムカー戦略」では、トヨタ「RAV4」やマツダの「MAZDA3」など国内メーカーの新型モデルにヨコハマタイヤが装着されました。また、米国、ロシアの生産販売会社がスバルおよび日産の現地生産拠点より品質とタイムリーな納入などが評価され、サプライヤーアワードを受賞しました。

「ウインタータイヤ戦略」では、当社初の欧州市場向けオールシーズンタイヤとして昨年9月に発売した「BluEarth-4S AW21」の販売が好調に推移しました。

「ホビータイヤ戦略」では新商品の投入とサイズラインアップの拡充を加速しました。国内ではSUV・ピックアップトラック向けタイヤ「GEOLANDAR X-AT」を発売したほか、ストリートラジアルタイヤ「ADVAN A08B」に新たに5サイズを追加しました。北米においても「ADVAN A052」や「ADVAN FLEVA」などスポーツ系の新商品を相次いで投入しています。また、ヒストリックカーオーナーからの要望に応えるべく、当社の歴史的商品である「G.T.SPECIAL CLASSIC Y350」と「A539」を復刻しました。

「お客様とのコミュニケーション活性化」では今年40周年を迎えたファンクラブ「ADVAN Club」のウェブサイトを開設したほか、国内向け乗用車用タイヤサイトをリニューアルするなどウェブを通じたコミュニケーションの強化を図りました。今後もお客様に喜ばれる機能やコンテンツを充実させ、ヨコハマタイヤのファン拡大を目指します。

続いてタイヤ生産財事業です。成長ドライバーとして位置づけているオフハイウェイタイヤ(OHT)についてご説明します。OHTでは2016年に買収したアライアンスタイヤグループ(ATG)、2017年に買収した愛知タイヤ工業の商品を主軸に国内での拡販を図りました。ATG製タイヤについては本年2月より国内大手建機メーカーにOTRタイヤの納入を開始したほか、世界的に評価の高い農機用タイヤの日本向けサイズを開発しました。愛知タイヤについては本年3月より同社製のフォークリフトタイヤを新たにヨコハマタイヤ販売会社のラインアップに追加しました。

次にトラック・バス用タイヤでは、本年3月に北米トラクターメーカーへの納入を伸張すべくヨコハマタイヤ マニュファクチャリングミシシッピ(YTMM)がIATF16949認証を取得しました。同月、北米の日系メーカーにアメリカ国内向けトラックへのOEタイヤ納入を開始しています。

新商品では本年4月より北米でロングホール深溝ドライブ軸用タイヤ「712L」の主要7サイズを発売しました。下期以降も北米向けトラック・バス用タイヤのサイズラインアップ拡充を予定しております。また、国内では、ダンプ向けタイヤとして舗装路・非舗装路向けラグタイヤ「302C」、コミュニティバス向けオールシーズンタイヤ「LT751R」と低床バス専用リブラグタイヤ「507U」を発売するなど、生産財タイヤのラインアップを強化しました。 

弊社の北米での事業展開50周年を迎えるにあたり、本年下期以降も新商品を多数投入していきます。先ほどご説明した通り、上期でもすでに「ADVAN A052」「ADVAN FLEVA」など3商品を発売しているほか下期では「GEOLANDAR X-AT」を27サイズ、北米専用タイヤ「ADVAN APEX V601」を44サイズ投入するなど、年間で9商品の発売を予定しております。なお、2019年度投入予定の全9商品中4商品は北米ユーザーの嗜好性に合わせたホビータイヤとなっており、現地メディアとタイアップし積極的なプロモーションを展開していきます。

次に、先端技術開発の場であるモータースポーツ活動についてご紹介させていただきます。本年6月に開催されたニュルブルクリンク24時間耐久レースでは3チーム計4台をサポートし、当社がSUPER GTのGT500でもサポートしている「KONDO RACING」が初参戦にして日本から参戦したチームで最高位となる総合9位を獲得しました。また、「GEOLANDAR A/T G015」装着車がオーストラリア最大級のオフロードレースに参戦し、日本人ドライバーとして初めてEXTREME 4WDクラスで優勝を果たしました。

続いてMB戦略では、本年6月に世界最大の超大型空気式防舷材の納入を開始しました。同事業戦略のひとつである「海洋事業を確固たる世界No.1へ」を引き続き推進します。

スポーツ事業においては本年3月に「RS RED」ドライバー、7月に「NEW SUPER egg 480ドライバー」を発売し、人気シリーズの新商品を相次いで投入しました。また、9月には「NEW egg 5500 ドライバー」を発売する予定です。

ブランド戦略では、2015年よりサポートを続けていたイングランド・プレミアリーグ「チェルシーFC」の日本でのプレシーズンマッチ開催が実現いたしました。1戦目にJ1リーグチャンピオンの「川崎フロンターレ」、2戦目にスペインの強豪「FCバルセロナ」と対戦し、国内外の多くのメディアの注目を集めました。当社は日本での開催にあたりサポートおよびファンイベントやプレゼントキャンペーンを通じて日本のサッカーファンに「チェルシーFC」の魅力に間近で触れる機会を提供しました。

続いて経営基盤の強化策のひとつであるESGでは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」の達成に向けて取り組んでいます。2019年上期は、2018年下期に策定した「持続可能な天然ゴムの調達方針」に基づき、天然ゴム農園での労働状況調査や商流調査を開始しました。また、ヨコハマタイヤ・フィリピンの生産工場に太陽光発電システムを設置し、再生可能エネルギーの使用率を高めました。従業員による「YOKOHAMAまごころ基金」では社会貢献活動に取り組む団体のサポートや災害発生時の義援金拠出などを継続的に行っています。さらに、コーポレートガバナンス体制のさらなる強化を目的に社内取締役を減員し、社外取締役の比率を高めました。

経営基盤の強化では働き方改革にも取り組んでいます。本年7月、「ダイバーシティ推進タスク」を立ち上げました。育児・介護支援・キャリア継続の観点から、全ての従業員が働きやすい環境整備のための施策を検討しています。すでに育児・介護相談窓口の設立や、勤務インターバル制度の導入、社員全員を対象とした介護に関するアンケートの実施、その他、ワーキングマザー交流会や勉強会などの様々な施策を開始しています。

次に、財務体質の改善について簡単にご説明いたします。2019年上期は前年同期比で有利子負債を428億円と大幅に削減し、D/Eレシオは同マイナス0.13倍の0.65倍となりました。今後も財務体質の更なる改善を実施し、引き続き経営基盤の強化に取り組んでまいります。

続いて2017年5月に発生したヨコハマタイヤ・フィリピンでの火災の復旧状況ですが、本件についてはお客様をはじめ、関係各位に多大なるご迷惑、ご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません。昨年末には被災した生産能力の50%が復旧完了しております。2020年末までに被災した生産能力を100%復旧させる予定です。

タイヤ生産能力の推移と計画については、こちらの表の通りとなります。

最後に2020年度の財務目標についてご説明します。

「GD2020」の財務目標は最終年度である2020年度に売上収益7,000億円、営業利益700億円、営業利益率10%、2020年度末のD/Eレシオ0.6倍、ROE10%を目指しております。目標達成に向けて、全社一丸となって取り組んでまいります。

以上が、私からのご説明となります。