■2018年度決算説明会
■中期経営計画「GD2020」概略
■2018年度の実績と今後の取り組み
■2019年度目標について
   
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皆さんこんにちは、社長の山石でございます。

本日はお忙しい中、横浜ゴムの2018年度決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。

私からは、中期経営計画「GD2020」に沿った2018年度の活動と今後の取り組みについて紹介させていただきます。

まずはじめに、2018年2月にスタートした中期経営計画「GD2020」について概略をご説明させていただきます。

この「GD2020」においては、横浜ゴムの強みを再定義し、独自路線を強めた各事業の成長戦略を通じて、経営基盤を強化していくことを表明しました。

来たるべき2020年代における更なる飛躍に備えることが、この中期経営計画の位置づけです。

その成長戦略として、タイヤ消費財事業では「プレミアムタイヤ市場において存在感の更なる向上」、タイヤ生産財事業では「オフハイウェイタイヤを成長ドライバーとして、次の100年の収益の柱へ」、MB事業では「得意分野への資源集中」を掲げて活動しております。

更に、経営基盤の強化策として、「有利子負債の削減や、資産圧縮などの財務体質強化」「企業風土の変革」「リスクマネジメント」といった施策を進めております。

それでは、ここから「GD2020」に沿った2018年度の実績と今後の取り組みについてご説明いたします。

まずはじめに、「GD2020」の初年度となった2018年度の連結業績です。

売上収益は6,502億円、事業利益は593億円となり、いずれも過去最高となりました。しかしながら、ヨコハマタイヤ マニュファクチャリングミシシッピ(YTMM)の減損を実施し、昨年11月に公表いたしました通期業績見通しに対しては、売上収益を除いて未達となりました。株主様をはじめ多くのステークホルダーの皆様にはご心配・ご迷惑をお掛けいたしまして、誠に申し訳ありません。

今期以降、GD2020の財務目標達成に向けて、私自らが陣頭指揮を執って各々の戦略を更に加速してまいる所存です。

どうかご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

はじめに、タイヤ消費財事業における取り組みをご紹介します。

1つ目の「プレミアムカー戦略」では、X5やX3のMパフォーマンスをはじめ、BMW車両に続々とヨコハマタイヤが採用されました。また、メルセデスAMGのEクラスにも装着されるなど、プレミアムカーへの新車装着が進みました。2019年以降も新車装着活動を更に強化してまいります。

2つ目は「ウインタータイヤ戦略」です。

国内では、乗用車用スタッドレスタイヤ「iceGUARD 6」および、SUV用スタッドレスタイヤ「iceGUARD SUV G075」のサイズ拡大に加え、「iceGUARD 6」のランフラットモデルを発売するなど、商品ラインアップを拡充いたしました。

海外では、成長している欧州オールシーズンタイヤ市場に「BluEarth-4S AW21」を投入し、販売も好調に推移しました。

また、技術開発も強化し、冬用タイヤの吸水効果を高精度で評価できる新技術を確立いたしました。今後、氷上性能を飛躍的に高めたタイヤの開発に活用し、引続き『ウインタータイヤの性能NO.1』を目指してまいります。

3つ目の「ホビータイヤ戦略」では、北米で先行発売し、その悪路走破性の高さで好評を得ている、SUV・ピックアップトラック向けマッドテレーンタイヤ「GEOLANDAR X-MT」を日本でも発売を開始いたしました。

また「ADVAN A053」「ADVAN A08B」「ADVAN A052」 など人気のスポーツタイヤ3種のサイズ拡大を図りました。

今後もあらゆる自動車ユーザーの趣味に対応する新商品の開発と、既存商品のサイズラインアップ拡充を進めてまいります。 

4つ目は「お客様とのコミュニケーション活性化」です。

ユーザー参加型イベントを積極的に実施し、代官山蔦屋書店様とのコラボレーションイベントの開催や、高速道路で唯一の体験型自動車イベント「ハイウエイモーターショー」にブースを、出展いたしました。

更に、ドライブミュージックをテーマとしたコラボレーションカフェを期間限定で代官山にオープンし、ユーザー様とヨコハマタイヤブランドとの新しいコミュニケーションスタイルを提案しました。

また、当社のタイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター」が立地する旭川市では、一般ユーザー向けの試乗会などを展開し、地元ユーザー様との交流を図りました。

次に、先端技術開発の場である、モータースポーツ活動についてご紹介させていただきます。

2018年も全日本スーパーフォーミュラ選手権、FIAワールド・ツーリング・カー・カップ(WTCR)のワンメイクサポートや、SUPER GTへの参戦など国内外のトップレースに参戦しました。

また、全日本カート選手権では、最高峰クラスのOK部門で、ヨコハマタイヤ初のシリーズチャンピオンを獲得いたしました。

2019年度は、世界的に過酷なレースとして知られるニュルブルクリンク24時間耐久レースへの参戦や、初開催のTCRジャパンシリーズへのタイヤ供給が決定しております。

続いてタイヤ生産財事業です。

まず、成長ドライバーとして位置づけているオフハイウェイタイヤ(OHT)についてご説明します。

2018年は、2016年に買収したアライアンスタイヤグループ(ATG)、2017年に買収した愛知タイヤ工業の業績がともに好調で、売上収益はATGが買収時の25.3%増、愛知タイヤは過去最高を達成いたしました。

好調な販売を背景に、ATGのインド・ダヘジ工場の生産能力を今年末までに従来比1.6倍まで増強する計画です。

また、本年2月より国内大手建機メーカーへATG製のOTRタイヤの納入を開始したほか、農機用タイヤで日本市場向けサイズを追加するなど、ATG製タイヤの国内での増販を推進しております。

TBRでは、これまでの大手北米トラクターメーカー3社へのタイヤ納入実績を更に伸張すべく、本年はYTMMからのOE納入に向けてIATF16949認証を取得する予定です。

また、超偏平シングルタイヤ「902L」の拡販を狙い、日本と北米で新サイズを拡充いたしました。三重工場での生産能力の増強も段階的に実施しております。

新商品では、本年、北米でロングホール深溝ドライブ軸用タイヤ「712L」を発売予定です。今後も国内、北米、欧州で新商品の投入を予定しており、更なるラインアップの拡充を図ります。

次に、2019年発売の新商品を紹介させていただきます。

2月1日、快適なロングドライブを実現する、グランドツーリングタイヤ「BluEarth-GT AE51」を発売しました。全サイズで最高グレードのウェットグリップ性能「a」を獲得しており、すでにトヨタクラウンやシエンタに新車装着されております。

4月にはハイパフォーマンス・クロスオーバーSUV向けハイウェイテレーンタイヤ「GEOLANDAR X-CV」を発売します。安全性、快適性、経済性を備えながら、急な降雪にも対応する「M+S(マッド&スノー)」規格を獲得しております。

また、今年は弊社の北米での事業展開が50周年となるため、北米市場向けに多くの新商品を投入する予定です。

ここでヨコハマタイヤ・フィリピンの復旧状況についてお話しさせていただきます。

火災による生産への影響をカバーすべく、2017年下期より、国内外の工場での代替生産を実施しております。

被災したエリアの生産能力は、昨年末までに約半分、2020年末までに被災前のレベルまで復旧させる計画で、予定通り進んでおります。

以上、「GD2020」におけるタイヤ生産能力は、2017年から2020年に、日量で298トン、プラス23%の増産の計画となります。

消費財では、今後は、中国蘇州工場、インド工場などで増強を予定しております。

また、生産財では、ATGのダヘジ工場の能力増強、YTMMの計画通りの立ち上げを推進していきます。

こちらはタイヤ生産能力の推移と計画の詳細となります。

続いてMBです。 

まずは「自動車部品ビジネス」についてご説明いたします。2018年は北米のカーメーカー向けに、バッテリー冷却配管の納入を開始いたしました。また、高強度・高弾性ウレタン系接着剤の基礎技術を確立し、今後需要の増加が見込まれる自動車構造用接着剤の開発に活用してまいります。

「海洋事業」では、昨年量産を開始したインドネシアの子会社がフル生産体制に入り、インドネシア国内外のお客様への納入を拡大していきます。

そして、コンベヤベルトでは国内の販売を強化し、昨年は過去最高となる国内シェアを獲得することができました。また、油圧ホースにつきましても、旺盛な需要を受け、国内外の工場をフル稼働しております。

スポーツ事業では、プロギア契約プロの小平智選手が4月に開催された米国PGAツアーRBCヘリテイジで優勝したことに加え、 国内ツアー最終戦の日本シリーズJTカップでも見事優勝を飾りました。

新商品は、昨年3月に発売したオールラウンドギア「Q」シリーズや、7月に発売した新「RS」シリーズの販売が好調でした。

続いてブランド戦略です。

イギリスプレミアリーグ「チェルシーFC」とのパートナーシップでは、2019-2020年シーズン・プレシーズンマッチが、本年7月に日本で開催されることが決定いたしました。詳細は今後発表させていただきますが、すでに国内外の多くのメディアから注目されております。

また、チェルシーとの共催で、日本で開催したファンイベントでは、チェルシーFCのレジェンド、ディディエ・ドログバ氏が横浜ゴムのアンバサダーとしてゲストで登場し、会場に集まった約1,000人のファンと交流を深めました。そのほか、ドログバ氏には、フランスやスペインなど世界各国を訪問していただき、地元ファンとの交流を深めていただきました。

下段は、ロサンゼルス・エンゼルスのエンゼル・スタジアムに掲載された当社の広告看板です。当社は2011年よりパートナーシップ契約を結んでおりますが、特に昨年は、メジャーリーグ新人王を獲得した大谷翔平選手の活躍で、ファンやメディアの関心が高まり、宣伝効果も高まったと考えております。

次にCSR活動です。 

「未来への思いやり」をコンセプトに、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」の達成に向けて取り組んでおります。2018年下期には持続可能な天然ゴムの調達方針を策定しました。サプライチェーン全体でこの方針を共有し、天然ゴムの持続可能性の実現を目指してまいります。

また、2015年に設立した従業員参加型の社会貢献基金「まごころ基金」では、環境保護・人権擁護団体への援助を継続しているほか、昨年国内で多くの災害が発生しましたが、各被災地へ義援金を寄付させていただきました。

当社のCSR活動は世界的にも高く評価されており、フィッツィー・フォー・グッド・インデックスをはじめとするESG投資の3つの株価指数の構成銘柄にも選定されております。

経営基盤の強化策のひとつである財務体質の改善についてご説明いたします。

2018年の営業活動によるキャッシュフローは、税引前利益の増加に加え、運転資本の改善、及び、法人税の支払が減少したことなどにより、過去最高を達成しました。また、有利子負債の削減を進めたことによりD/Eレシオは0.696倍となり、経営基盤の安定性を高めることが出来ました。

今後も財務体質の更なる改善を実施し、引続き経営基盤の強化に取り組んでまいります。

最後に2019年度以降の財務目標についてご説明します。

2019年度の通期予想と中期目標です。

2019年度以降の世界経済は米中貿易摩擦や英国のEU離脱など、先行き不透明な環境の中での舵取りとなります。

足もとの状況として、原材料価格の軟化など良化要素はあるものの、為替の円高傾向、人材確保のための製造原価・販売固定費の増加など影響が大きく 、2019年度通期予想としましては、売上収益6600億円、事業利益575億円、営業利益575億円としております。

引続き、当社独自の戦略を実行し、目標達成に向けて、全社一丸となって取り組んでまいります。

「GD2020」の財務目標は昨年2月に発表させていただきました計画に変更はございません。

最終年度である2020年度に、売上収益7,000億円、営業利益700億円、営業利益率10%、2020年度末のD/Eレシオ0.6倍、ROE10%を目指しております。

以上が、私からのご説明となります。

本日は、ご清聴、ありがとうございました。