2018年度第2四半期決算説明会
ヨコハマタイヤ・フィリピン(YTPI)工場火災後の復旧状況について
中期経営計画「GD2020」
2018年上期の取り組み
   
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皆さんこんにちは、社長の山石でございます。本日はお忙しい中、横浜ゴムの2018年度第2四半期決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。

私からは、中期経営計画「GD2020」に沿った2018年度のこれまでの活動について紹介させて頂きます。

まずは、ヨコハマタイヤ・フィリピンの火災についてです。

まずはじめに、昨年5月に発生したヨコハマタイヤ・フィリピンでの火災の復旧状況についてご説明いたします。

本件については、お客様をはじめ、関係各位に多大なるご迷惑、ご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません。

火災による生産への影響をカバーすべく、2017年下期より、国内外の工場での代替生産を実施しております。

被災した生産能力は、2018年末までに約半分、2020年末までに被災前のレベルまで復旧させる計画です。

続きまして、本年2月に公表した中期経営計画「GD2020」について、少し触れさせていただきたいと思います。

この「GD2020」においては、横浜ゴムの強みを再定義し、独自路線を強めた各事業の成長戦略を通じて経営基盤を強化していくことを表明しました。

来たるべき2020年代における更なる飛躍に備えることが、この中期経営計画の位置づけです。

その成長戦略として、タイヤ消費財事業では「プレミアムタイヤ市場において存在感の更なる向上」、タイヤ生産財事業では「オフハイウェイタイヤを成長ドライバーとして、次の100年の収益の柱へ」、MB事業では「得意分野へ資源集中」を掲げて活動しております。

さらに、経営基盤の強化策として、「有利子負債の削減や資産圧縮等の財務体質強化」、「企業風土の変革」、「リスクマネジメント」といった施策を進めております。

それでは、ここから「GD2020」に沿った2018年上期の主な取り組みについてご説明いたします。

まずはタイヤ消費財事業です。

「プレミアムカー戦略」に沿った国内外の新車装着実績をご紹介いたします。本年3月発売の「BMW M5」に「ADVAN Sport V105」が装着されました。また、6月発売のトヨタ新型クラウンへは、「BluEarth-GT AE51」が装着されました。

次に、「ウィンタータイヤ戦略」ですが、成長している欧州オールシーズンタイヤ市場へ、9月に発売する「BluEarth-4S AW21」で参入いたします。また昨年下期に発売した「iceGUARD 6」は、氷雪・ウェット性能が大幅に向上しておりますが、販売店や一般ユーザーの皆様には、その性能を体感頂き、大変高い評価をいただいております。今後もウィンタータイヤの性能No.1を目指してまいります。

3つ目は「ホビータイヤ戦略」です。

本年秋より、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR」の、マッドテレーンの新商品「GEOLANDAR X-MT」を日本で発売いたします。同商品は日本での発売に先行して、SUV、ピックアップトラックの人気が高い北米地域で7月から販売しており、悪路走破性の高さで大変好評を得ております。

本年6月には、当社が協賛したラリーを題材とした映画「OVER DRIVE」が公開されました。ラリータイヤでは3月に「ADVAN A053」に新サイズを追加し、発売いたしました。

そして、昨年10月に発売したヒストリックカー向け「ADVAN HF Type D」は1981年に発売した当社の歴史的ヒット商品の復刻モデルですが、近年、旧車ブームが再燃する中、旧車オーナーからの熱いご要望を受けて発売した商品です。この度、日刊自動車新聞社様と講談社様から、こちらの2つの賞をいただくことができました。

4つ目の戦略である「お客様とのコミュニケーション活性化」では、1月にコミュニケーションアプリ「LINE@」に「ADVAN club」アカウントを開設しました。お客様と1:1でコミュニケーションを図るツールとして、この「LINE@」を活用してまいります。

また、5月には、タイヤや自動車にまつわるお役立ち情報などを発信するオウンドメディア「Hello, world」を立上げました。

これらを通じて、お客様との日常的な接点を拡大してまいります。

「ADVAN」ブランドは1978年に第1弾商品「ADVAN HF」を発売してから、本年で誕生40周年を迎えましたが、ここではモータースポーツ活動についてご説明いたします。

まず、全日本スーパーフォーミュラ選手権においては新型マシンが導入される2019年も引き続きワンメイク供給が決定いたしました。全戦で2スペックのタイヤ供給を継続いたします。

また、本年よりスタートしたFIAワールド・ツーリング・カー・カップ(WTCR)においてもワンメイク供給を開始いたしました。

SUPER GTでは、シリーズ開幕戦の岡山で、GT300クラスの表彰台を独占いたしました。同クラスでは2016年から2年連続でヨコハマタイヤ装着車がシリーズチャンピオンを獲得しており、3連覇に向けて好スタートを切りました。

そして、8月12日より行われるアジアクロスカントリーラリーにおいて塙郁夫選手をサポートし、「GEOLANDAR M/T G003」を供給いたします。同ラリーは、ダカールラリーと同格式のFIA公認イベントです。

続いてはタイヤ生産財事業です。

オフハイウェイタイヤは建設車両向けをはじめ、旺盛な需要が続いているため、グループ全体での柔軟な供給体制を推進しております。

また、2016年に買収したアライアンスタイヤグループではインド・ダヘジ工場の生産能力を2019年末までに従来比1.6倍まで増強いたします。

国内市場では4年に一度開催される「国際農業機械展 in 帯広」に出展し、アライアンスブランドを紹介いたしました。

今後も体制を強化し、国内での農業機械用タイヤの販売拡大につなげてまいります。

トラック・バス用タイヤでは2017年下期より、新たにVOLVO TRUCKSの承認を得て、OE納入の拡大を行いました。

これにより、北米大手トラクターメーカー4社の内、3社との取引を実現いたしました。

現在は、新設したミシシッピ工場から、これらOEへの納入を実現すべく、監査等の必要な準備を進めております。

また、超偏平シングルタイヤでは、従来の445/50R22.5サイズに加え、55/55R22.5を追加し、5月より北米・日本で発売いたしました。

さらに、好調な販売に対応するため、三重工場における生産能力の倍増を決定いたしました。

ここで、「GD2020」におけるタイヤ生産能力についてご説明いたします。

2017年から2020年において、日量320t、プラス25%の増産を計画しております。

消費財では日量151t増となり、その主な内訳は、中国蘇州工場で64t、新城工場のハイインチラインで22t、インド工場で6tとなります。

また、生産財では日量168t増となり、その主な内訳は、ATGで97t、ミシシッピ工場で64tとなり、生産財が生産能力の向上に大きく寄与する計画となっております。

続いてはMB事業です。MBでは「自動車部品ビジネスの拡大」を戦略の一つとして掲げております。

トピックスとして、次世代冷媒対応のカーエアコンホースとカーエアコンの冷却効率を向上させる内部熱交換機を開発いたしました。両商品は、フィアットクライスラーの現行型「Jeep® Wrangler」と「Jeep® Compass」に採用されております。

もう一つの戦略は「海洋事業を確固たる世界No.1へ」です。当社がグローバルで圧倒的なシェアを握る空気式防舷材では、直径6mの世界最大の超大型空気式防舷材を開発いたしました。また、インドネシアの子会社ではマリンホースの国際認証を取得し、主にアセアンの石油会社向けに納入を開始いたしました。

スポーツ事業では契約プロの小平智選手が、4月に開催された米国PGAツアー第24戦のRBCヘリテイジで優勝しました。日本人で5人目の快挙となります。

3月にはオールラウンドギアである「Q」シリーズを発売し、7月には、新「RS」シリーズを発売し好評を得ております。

続いてブランド戦略です。

イギリスプレミアリーグのチェルシーFCがFAカップで優勝し、ユニフォームに表示された“YOKOHAMA TYRES”がさまざまなメディアに露出されました。

また、先日のワールドカップロシア大会では、話題となったベルギー代表のアザール選手をはじめ、チェルシー所属選手12名が、9カ国の代表として出場しました。

下段は、大谷選手の活躍で話題となっているロサンゼルス・エンゼルスのエンゼル・スタジアムに掲載された当社広告看板です。当社は2011年よりパートナーシップ契約を結んでおります。

次にCSR活動です。 

「未来への思いやり」をコンセプトに、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」の達成に向けて取り組んでおります。天然ゴムを持続可能な資源とするために、アグロフォレストリー農法の普及や、天然ゴムの生産効率向上に向けて、タイの大学との共同研究を進めております。

生物多様性保全のためには、2007年より継続している「千年の杜植樹活動」の推進、2010年より中国少数民族の老君山の保護支援活動を継続しております。

そして、社会的課題の解決のためには、2015年より従業員参加型の社会貢献基金「まごころ基金」を設立し、環境保護・人権擁護団体への援助を継続しております。大規模災害に対しては、本年発生した台湾地震・大阪府北部地震・西日本豪雨災害への支援に加え、社員ボランティア活動においても、積極的支援を行っております。

次に働き方改革です。

当社では「仕事と生活の両立支援」「多様な人材活用」を軸に、これまで取組みを行ってまいりました。

両立支援では、育児関連制度の拡充の結果、2017年に女性の「育児休業取得率」は100%、男性の「育児休業取得率」は50%を達成しております。

また、多様な人材活用では、事務スタッフの70歳までの再雇用を実現し、65歳以上の社員、約40名が活躍しております。

本年度は女性活躍推進タスクの活動とともに、労使間の最優先事項として働き方改革を加速し、7月までの間に在宅勤務制度や時間単位有給制度の導入、70歳までの再雇用を製造現場にも拡大するなど多くの施策を導入しております。

こうした制度は、社員の生の声を直接聞くことによって組み立てており、この5月も全社員対象に介護に関するアンケートを実施しましたが、今後の取り組みに繋げてまいります。

次に、コーポレート・ガバナンスです。

グローバルでのガバナンス強化の取組みとして、グローバル内部通報制度を、まずは中国から導入いたしました。続いて、フィリピンでの導入を計画をしております。

役員制度においてもガバナンス強化を図って参ります。

当社は本年より、取締役を対象とした「譲渡制限付株式報酬制度」を導入いたしました。株価変動のメリットとリスクを株主の皆様と共有し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を、従来以上に高めてまいります。

また、社内外取締役の構成比率も変更し、社外取締役の増員と社内取締役の減員を実施いたしました。ダイバーシティ経営の一環として、新たに外国人執行役員2名と、女性の社外監査役1名を登用いたしました。

最後になりますが、2018年度上半期決算について、簡単にご説明いたします。

上半期累計では過去最高の売上収益、営業利益を達成しました。

営業利益率は前年同期比1.9%良化し、D/Eレシオも前年同期比0.19倍良化するなど経営基盤の強化が進みました。引き続き、「GD2020」で公表している財務目標達成に向け、増収増益を目指し、着実な事業運営をしてまいります。

以上が、私からのご説明となります。本日は、ご清聴、ありがとうございました。