四国の大自然と山海の恵みを楽しむドライブに出かけよう!(徳島編)

西暦815年、弘法大師・空海によって開創されたと伝えられている「四国八十八ヶ所」を巡る“お遍路さん”でも知られる四国は、古くから信心深い人々が全国から訪れてきた地です。こうした人々を迎えてくれる「お接待」という文化が根付き、飲み物や食べ物を提供する習わしは、いまでも四国各地の街道沿いに設けられている「遍路小屋」などから見て取ることが出来ます。

外からの訪問者に優しい四国の人情に触れつつ、その大自然が見せる美しさや山海の恵みを活かした美味しさを楽しむ四国ドライブ旅。

高知県、徳島県、愛媛県、香川県からお薦めのドライブコースを4本立ての記事で紹介していきます。

今回の徳島編では徳島県内のおすすめドライブスポットをまとめましたので是非ご覧ください。
2022.10.11

四国ならではの渓谷美を、秘境・祖谷渓に訪ねて

四国には、標高1,982mの最高峰である石鎚山を筆頭に、1,500mを超える高さの山々が26存在しています。そこに四万十川、吉野川、仁淀川といった清流があり、その流れが長い年月をかけて谷を形成し、美しい渓谷が多く作られました。

そんな渓谷美を楽しめるのが、徳島県三好市の大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)、そして秘境としても知られる祖谷(いや)地区です。大歩危までは四国最大の都市・愛媛県松山市から車で約2時間、香川県高松市と徳島県徳島市からはともに約1時間半、高知県高知市からは約1時間と、各地からドライブで訪れるには手頃な地。

深い谷と急峻な山が見せる四国らしい自然美、これを満喫するドライブをご案内いたします。

鉄板ドライブコース

国道32号の「道の駅 大歩危」から東へおよそ12km進むと、祖谷渓に到着します。平家の落人伝説も残る山深い地、最大で100mほどの高低差がある渓谷と、傾斜に張りつくように建てられている住宅は当地ならではの眺めと言えるでしょう。

この祖谷で訪れておきたい鉄板スポットが「祖谷のかずら橋」。

国の重要有形民族文化財にも指定されています。長さ45m、幅2mの橋は6トンものシラクチカズラ(サルナシ)という植物のツルで作られており、川面から14mの高さに架けられています。

橋は徒歩で渡ることが出来ますが、床板となる木々の隙間からは川の流れが見え、高所恐怖症の方にはチョット辛いかも……。

もちろん橋を渡るときには、特に女性の方はヒールの高い靴では危険ですから、動きやすいスニーカーなどを履いていきましょう。

ドライブで訪れた際は、橋まで徒歩5分ほどの場所にある「かずら橋夢舞台」の駐車場を利用します。渓谷に約43億円を投じて設けられた観光拠点施設には、300台収容の駐車場が用意されています。

かずら橋夢舞台

なお、さらに30kmほど奥へ進んだ奥祖谷地区には「二重かずら橋」があり、こちらはさらに秘境感がアップします。ただし、道のりとなる国道439号は“酷道”としても知られており、すれ違いが難しい幅の狭い区間も多く存在しているので、スピードダウンの安全運転を一層心がけて向かいましょう。

祖谷のかずら橋 – 三好市公式観光サイト

https://miyoshi-tourism.jp/spot/iyanokazurabashi/

奥祖谷二重かずら橋 – 三好市公式観光サイト

https://miyoshi-tourism.jp/spot/okuiyanijukazurabashi/

かずら橋夢舞台 – 三好市公式観光サイト

https://miyoshi-tourism.jp/spot/kazurabashiyumebutai/

【穴場スポット①】ひの字渓谷

大自然の神秘、地球が造り上げた「ひ」の字を観てみましょう!

みなさん、「川の三作用」という言葉をご記憶でしょうか? 理科、地学の授業で習ったという方も多いかと思いますが、河川の流れには侵食、運搬、堆積という3つのはたらきがあります。

このうちの侵食は上流で盛んに起こり、急な流れが岩石や土壌を削っていき、そこには深い谷が作られていきます。また、三作用によって川の流れは蛇行するようになっていきますが、長い年月をかけてこれらによって形成された自然美を間近に出来るのが「ひの字渓谷」です。

祖谷の温泉街から県道32号をおよそ3km走ったところにある「ひの字渓谷」、その名の通り平仮名の「ひ」の字をした渓谷が眼前に拡がります。夏の深緑、秋の紅葉、各季節に見せてくれる美しさをぜひご覧ください。

【穴場スポット②】崖上に立つ小便小僧

「ひの字渓谷」から3kmほど北へ進むと、そこでは不思議な光景が目に飛び込んできます。

祖谷温泉側から進むと左手は深い谷ですが、その谷に突き出た岩の上に「小便小僧」が立っているのです。

ここは祖谷街道の中で、一番の難所と言われる七曲という場所。かつて街道工事にあたった人々や地元の子供たちなどが、度胸試しに谷底から200mの高さにある岩の上から立ち小便をしたという逸話に由来して小便小僧が設けられました。

この小便小僧やひの字渓谷に至る道は幅の狭い区間がほとんどで、バスなども往来します。見通しの悪いカーブも多いので、通行には充分気をつけてくださいね。

小便小僧 - 徳島県観光協会

https://www.awanavi.jp/spot/20226.html

【穴場スポット③】大歩危駅・小歩危駅

最後の穴場スポットは、鉄道ファン必訪、ふたつ並ぶ珍名駅です。

吉野川の流れによって、2億年という長い時間をかけて形作られた渓谷が「大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)」。およそ8kmの長さで、川に沿って国道32号とJR土讃線が走っています。車でも鉄道でも車窓から渓谷美を楽しめるのはもちろん、ラフティングや船下りといったアクティビティも楽しめます。

そして、全国の鉄道ファンには珍名駅として「大歩危駅」と「小歩危駅」が知られています。大歩危駅は祖谷方面の玄関口でもあり、多くの特急も停車します。

大歩危駅
大歩危駅

一方で約6km北に位置するお隣の小歩危駅は、普通列車のみが一日に7本停車するのみという小さなローカル駅です。

小歩危駅
小歩危駅

なお、「大歩危・小歩危」という地名の由来ですが、断崖を意味する古語から付けられたという説と、大股で歩くと危険だから大歩危、小股で歩いても危険だから小歩危という説があるそうです。

大歩危、小歩危 - 徳島県観光協会

https://www.awanavi.jp/site/midokoro/ooboke.html

最後に

四国のお薦めドライブ(徳島編 ) 、いかがでしたか?

本州からも3つの瀬戸内海を渡るルートで愛車でのアクセスも便利な四国は、見どころ満載で楽しく美味しいものが盛りだくさんです。また、和歌山~徳島や大分と愛媛を結ぶカーフェリーも就航しているので、関西や九州からはこちらを使ってのアクセスも可能です。

なお、四国をドライブする際の注意点をひとつ。四国といえば八十八ヶ所巡り、お遍路さんの姿を見かけることも多いですが、一般道路では国道であっても道幅の広くない箇所も多いのが四国の道路環境。町外れの歩道が無いところをお遍路さんが歩いていることも珍しくないので、「カーブの先に人が歩いているかもしれない」という意識を常に持って、安全運転を心がけて四国ドライブを楽しんでくださいね。

この記事を書いたライター

斉藤 武浩(さいとう たけひろ)

モータースポーツや自動車関連イベントなどの取材を通じて全国を自分の車で飛び回っており、年間の走行距離はおよそ4万km、ホテル宿泊数は100泊以上という生活を続けている。Webサイトのディレクションの他、コンテンツづくりのためのレポート執筆や写真撮影も行っている。


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