都心のオアシス、首都高のパーキングエリアを解説! 定番から超迷宮PAまで

今回は首都高の中央環状線の内側にある(市川PAを除く)パーキングエリア11箇所をご紹介します。長距離ドライブの休憩や、都心らしい風景を楽しむひとときに。ドライバーにとっての都心オアシスを見ていきましょう。
2022.08.11

首都高にもパーキングエリアがあるんです

首都高には合計18ものパーキングエリア(以下、PA)が存在し、規模や設備、入り方・出方もそれぞれ異なります。
今回は分かりやすいように、次の3つに分類してご紹介していきます。

  1. トイレ・自販機など最低限の設備だけの「小型PA」
  2. 食料の自販機もある「中型PA」
  3. コンビニや食堂が併設された「大型PA」

最低限度の施設が揃う「小型PA」

トイレと飲料自販機、喫煙所など最低限度の設備が整ったPAを「小型PA」と位置付けました。今回は辰巳第二PA、駒形PA、箱崎PAの3箇所へ訪問。どのPAも駐車スペースが小規模なので、サッと用事を済ませ短時間の駐車を心がけるのが鉄則です。

1. 辰巳PA(第二) 湾岸線から都心へ入る前の休憩に

湾岸線の辰巳JCT付近にある辰巳PAは、第一(横浜方面からの上り)・第二(千葉方面からの上り)の2箇所にあります。首都高を通過する前の休憩スポットとして活用しやすい立地です。今回は辰巳第二PAに立ち寄りました。

自販機は飲料のみです。簡易的にお菓子も売っていますが、かなり簡易的なのでほぼドリンクのみとして考えた方が良さそうです。設備自体は新しく心地良いですが、架橋の上ということもありかなり揺れます。

【辰巳PAのポイント】入り方・出方

第一・第二ともに右側にあるため、利用時には予め右に車線変更をしておくと慌てずに済みます。

そして少々難しいのが、出方(合流時)です。徐行状態から走行車線へ一気に合流する必要があるため、タイミングを見計らい思い切って加速しましょう!

2. 駒形PA 下町エリアをほんのり感じて

向島線(6号線)の駒形IC真横にあるPAです。左側に位置することと、ICの隣で加速車線も比較的長めに取ってあり出入りしやすいのも特徴です。

設備の規模も辰巳とほぼ同じで、販売も飲料のみ。

【駒形PAのポイント】都市部らしい絶景!

駒形PAは浅草や東京スカイツリーなど下町文化が根付くエリアにあります。そのため、PAからは隅田川や浅草の賑わいなど、東京らしい風景も楽しめます。

PAの真横を走り去っていくクルマも大迫力です!

3. 箱崎PA THE迷宮! 辿り着ければ一人前

深川線(9号線)と都心環状線(C1)を接続する箱崎ジャンクションの最下層部に位置する迷宮のようなPAです。筆者はなかなかここに辿り着けず、2日目にしてようやく発見することができました。

こちらが、かの有名な「箱崎ロータリー」の図解です。上手に活用すれば進路変更ができるため、道を間違ったときにも役立つそうです。

とはいえ、設備は小規模です。飲料以外に食料品の自販機も設置されていますが、1台で品目も限られているため、今回は小型PAに分類しました。

室内設備は新しく、お手洗いもとても綺麗です。筆者が利用した女子トイレは訪問した首都高PAの中でもトップレベルの清潔さで、アロマオイルのような良い香りが漂っていたのが印象的でした。

【箱崎PAのポイント】入り方・出方

とにかく難しいのがPAへの入り方です。それもそのはず、直前まで緑看板に「P」が表示されないため、存在をギリギリまで確認できないのです。箱崎PAはロータリーのほぼ最深部、IC出口の直前にあるため、出口案内に沿って直進します。

するとパーキング分岐が現れます。そこですかさず左へ分岐し到着。もし入口を逃してしまっても、ロータリーを再度一周すれば辿り着けるので諦めないで!

PAからの合流の難易度も高めです。一時停止から加速する必要があるため、タイミングを見計らって上手に合流しましょう。

休憩所に軽食やアイスの自販機も「中型PA」

小型PAに食料品の自販機や休憩所を加えたのが中型PAです。首都高PAの中でも多く見られるタイプで、「自販機コンビニ」などと表記されることがあります。

4. 南池袋PA 「止まれ」からのキックダウン合流に注意

池袋線(5号線)の上りにある南池袋PAは、面積こそ小さいですが、軽食も入手できる施設です。外には自販機がズラリと並びます。

「自販機コンビニ」と書かれた室内には、ドリンクや食料品の自販機が並びます。中にはアイスの自販機も。

ゆっくり座って休憩できるスペースもあるため、長距離ドライブの休憩でも利用できそうです。

【南池袋PAのポイント】合流方法

南池袋PAの難所といえば、出た後の本線合流です。一時停止状態から、かなり短い加速車線を経て合流する仕組みなので、慣れていない限り心拍数が高まります。安全第一に走り出せるよう良いタイミングを見計らって、スタートしましょう。

5. 平和島PA(下り) 羽田線の休憩に

平和島PAは羽田線(1号線)にあるPAで、上りと下りの2箇所あります。

うち、主要PAとして有人コンビニが併設されているのが上り線沿いのPA。今回は下り線沿いのPAに立ち寄りました。

お手洗いも十分広く、混雑時でも安心できそうです。

室内の自販機コーナーも充実しており、セブンティーンアイスやミル挽きコーヒーといった「パーキングエリア定番自販機」も設置されています。

ミル挽きコーヒーファンの筆者も、お決まりの内部映像ドリップを観賞しながら挽きたてコーヒーを入手しました。高速道路といえば、やっぱりこの味ですよね〜。

6. 大師PA 東京と神奈川を繋ぐ料金所が真横に

羽田線(1号線)と川崎線(K6)の境にある大師料金所の脇にあるのが大師PAです。料金所の真横にあるため、事前に確認しておかないと立ち寄り難易度は少々高め。

規模は南池袋PAと同程度で、レトロな昭和感が残された味わい深いPAです。

7. 大井PA 上り下りともに安心の施設

湾岸線の大井ジャンクション〜東海ジャンクション間にある大井PAは、西行き・東行きの2箇所あります。

どちらも左側にあるため入りやすく、屋内外ともに自販機が充実しているため、首都高PAの中でも気軽に立ち寄れるスポットです。

屋外には主に飲料の自販機が設置されています。各メーカーが揃っているため、選択肢も幅広いのが嬉しいです。

屋内にはアイス、軽食の自販機も。休憩スペースもあります。

8. 芝浦PA 東京ドライブにおすすめ

台場線(11号線)の上りにある芝浦PAはレインボーブリッジのたもとに位置するため、東京観光ドライブでも立ち寄りやすいのが特徴です。

看板表記も丁寧で、分岐も分かりやすいため立ち寄りも楽々。はじめての首都高ドライブでも挑戦しやすいパーキングでしょう。

室内面積も非常に広く、混雑時でもゆっくり休憩できそうです。ベンチやテーブルも多く設置されているため、腰を落ち着けて休みたいときにも良いでしょう。

【芝浦PAのポイント】芝浦無人食堂

芝浦PAで発見したのが「芝浦無人食堂」と書かれたのれんです。こちらはラーメンの自動販売機で、カップ麺よりもクオリティの高いラーメンを食べられるのだとか。一周回って東京らしいスポットですよね。

お値段は一杯790円と少々お高めですが、芝浦だけの名物ですので立ち寄った際にはぜひ試してみてくださいね!

売店に食堂に、もはや一大レジャー施設「大型PA」

主要PAとも位置付けられる大型PAは有人のコンビニや食堂が揃った施設です。それぞれPAの名物料理や軽食があったり、おみやげ品が売られていたりと、観光名所としての役割も果たしています。ぜひ近くを通った際には立ち寄ってみてくださいね!

9. 大黒PA 首都圏ドライバーの聖地

湾岸線と大黒線(K5)の合流地点となる大黒ジャンクション。その地上部に位置するのが大黒PAです。

圧巻なのが頭上に広がるジャンクションの構造美。高架橋がらせん状に伸び、360度の大パノラマを楽しめます。夜景もきっと美しいことでしょう…。

自販機コーナーはもちろん、店内のお土産屋には横浜名物が揃っています。

2階には広々とした休憩スペースがあり、ソファに腰掛けてのんびり休むことも可能です。

さらにテラスも併設されているため、ジャンクションの構造をより間近に観察することができますよ。何より広くて気持ちいい! デートにもぴったりのPAでしょう。

【大黒PAのポイント】横浜中華街の情緒を感じるラーメン

大黒PA名物といえば、横浜中華街を感じさせるラーメンの数々です。台湾唐揚げが乗った「大鶏排(ダージーパイ)ラーメン」や、ピリッと辛い「麻婆豆腐ラーメン」などが食べられます。

中華の他にも、おそばや丼もの、カレーなどPAらしいボリュームメニューがあるので、昼食や夕食にもおすすめです。

10. 代々木PA 新宿エリアを堪能できる穴場PA

新宿線(4号線)上りにある代々木PAは、都心環状線・中央環状線から入れないことから、都会の真ん中にありながらも穴場のパーキングです。

2階建ての施設となっており、上には喫茶店と食堂が併設されています。食堂には古き良きPAの王道メニューが揃い、ほっとひと息つくのにぴったりです。

2階の休憩スペースはガラス張りとなっており、眼下には首都高を行き交うクルマが。

都心部の風景を、空調が効いた快適な空間で眺められるのも、代々木PAだけの特権です。

【代々木PAのポイント】はちみつソフト

代々木PAの名物といえば「はちみつソフトクリーム」です。さっぱりとした甘さのソフトクリームに、たっぷりとはちみつをかけた一品。コーヒーとの相性もよく、幸せな糖分補給ができますよ。都内へのお出かけ前に、帰宅前の一幕に、ぜひ味わってみてくださいね。

11. 市川PA 千葉名物が揃った広々PA

湾岸線の千葉区間にある市川PA(上り線のみ)もぜひ立ち寄りたい大型PAです。PAまでの案内も丁寧で、迷わずに到着できるのもポイントです。運転初心者さんでも安心して訪問できるPAのひとつでしょう。

店内には千葉県のお土産を中心に取り扱ったコンビニや食堂があります。

食堂メニューもそそられるものばかり。市川PA独特カレーって一体どんな味なのでしょうか……。

【市川PAのポイント】あさりまん

小腹が空いているのであれば、市川PAオリジナル「あさりまん」がおすすめです。筆者が訪れたときは、手違いで白菜を細かく刻みすぎたということで特別割引を実施していました。なんていう割引理由なんでしょう。ローカルな雰囲気に癒やされます。

具材にはアサリの身がごろごろと入っており、満足感も十分! サイズも小ぶりでおやつにもぴったりでした。

PAを使いこなして、東京ドライブをもっと楽しもう!

小規模なものから大規模なものまで、首都高にはさまざまなPAが揃っています。今まで駆け抜けるだけだった道が、PAを知ることでより快適で充実したものに。今回、紹介しきれなかったPAも残されていますので、筆者も完全達成を目指して走り続けます。
ぜひみなさんも、PAを巡りながら素敵なドライブをお楽しみください〜!

首都高の新名所「川口ハイウェイオアシス」は、家族ドライブにぴったりの広々遊べるスポットでした

この記事を書いたライター

大城実結


フリーランスライター・編集者。自転車や地域文化、一次産業、芸術を専門に執筆している。紙雑誌やWeb媒体問わず活動中。イラストや漫画も発表。月の半分は日本のどこかにおり、その土地の温泉や酒、食材に唸る日々が続く。

Webサイト:miyuo10qk.wixsite.com/miyuoshiro



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