小さなクルマでも大丈夫!ロードバイクを車載して行動範囲を広げよう

競技だけでなく、フィットネスやツーリングなどさまざまな目的で楽しまれているロードバイク。クルマに積んで遠方へと移動し、いつもとは違う景色の中を走ってみたい。そう思っている方も多いことだろう。そこで、ロードバイクを車載するにあたっての基本的な方法やコツについて紹介しよう。
2019.12.13

ロードバイクは前後のホイールを外すとコンパクトになる

ロードバイクの全長はおよそ1.7メートル。成人男性の身長ぐらいあるので、そのままの状態だとワンボックスのような大きなクルマでないとまず車載できない。

全長約1.7メートルのロードバイクも、前後のホイールを外せば1メートルをわずかに超える程度の長さに

ロードバイクやマウンテンバイクなど、スポーツサイクルのホイールは工具を使わずに脱着できるよう設計されている。これを利用し、できるだけコンパクトな状態にしてクルマへ積み込むのだ。

工具は一切不要。注意すべきはチェーンの位置だ

ロードバイクのホイールは、クイックリリースと呼ばれるカム機構によって固定されている。ホイールを外すにはハンドルとサドルが接地するようにロードバイクを倒立させておくと作業しやすいのだが、その前にチェーンの位置をアウター×トップ(ギヤが一番重い状態)に変速し、さらにブレーキキャリパーを解放しておこう

左:ホイールを外す前にブレーキキャリパーを解放する。そのための機構はコンポーネントのメーカーによって異なり、写真はレバー側にあるもの。多くの場合はキャリパー側にある右:鋭利な歯先をカバーするために、

クイックリリースのレバーをCLOSE側からOPEN側へと倒し、さらにフロントについては反対側のナットを軽く緩めておく。これでホイールが取り外し可能に。なお、昨今はディスクブレーキの普及に伴いスルーアクスルというシステムが登場したが、工具を使わずに脱着できるという点ではクイックリリースと共通だ。

レバーにはCLOSEとOPENの文字がある。なお、フロントのみホイール脱落防止用のツメが出っ張っているので、レバーを起こしたら反対側にあるナットを反時計方向に数回回す
リアホイールを外すとチェーンがフレームの一部に接触する。
この状態でクランクを回すと傷が付くので、気になる方は養生テープなどを貼っておこう

基本的な車載スタイルを紹介。毛布や段ボールなどで養生を

では、いよいよ実際の車載に移ろう。トランクルームが広いセダンやステーションワゴン、ワンボックスなどはフレームを床置き、もしくはリアシートの背面などに立てかける。後者の場合はヘッドレストとフレームをナイロンベルトなどで縛っておくといい。

床置きの場合はチェーンのある駆動側を必ず上にする。立て掛ける場合はチェーンがリアシートに触れないように注意しよう

トランクルームに入らない場合はリアシートへ積み込むという手段も。シートの表皮を汚したり破ってしまわないように、毛布や段ボールなどで養生するのを忘れずに。

置く場所はケースバイケース。画像で使用しているのは軽ワゴンだが、
これだけ車内の狭いクルマでも余裕で車載できることが分かるだろう

あると便利なサポートアイテム。サイクルキャリアという手も

筆者が愛用しているのはミノウラのバーゴという車載用のスタンドだ。床面に設置する必要はなく、自重だけでロードバイクをしっかりと支えてくれる優れもの。1台用から3台用まであり、価格はおよそ8000円から1万9000円だ。

写真は旧型で、オプションのホイールサポートを追加している。完全に自立するので周囲の養生は一切不要だ
スーリーなどに代表されるサイクルキャリアを導入するのも一つの手段。車内スペースが有効に使える、汚れたバイクを車内に置かずに済む、などのメリットがある

番外編:折り畳み自転車ならもっと小さくなる!

ロードバイクよりも走行性能は劣るものの、観光地を巡る程度で十分という向きには折り畳み自転車がお勧めだ。実際、カーシェアリングのステーションまでこれで移動し、クルマに積み込んでいるという都内在住の方も少なくない。

画像はイギリス生まれのブロンプトンという16インチの折り畳み自転車。
慣れれば30秒かからずに折り畳むことができ、わずかなスペースにスッと収められる

自転車業界の一部では、クルマに車載することを〝シックスホイールスタイル〟と呼んでいる。信号だらけの都心や河川敷を走るのはもう飽きた!そんなあなたにこそ、一気に車載で移動し、素敵な景色の中をロードバイクで駆け抜ける喜びを味わってほしい

この記事を書いたライター

大屋雄一

スーパーカーブームを肌で知るフリーランスライター。スキーやスノボ、バスフィッシングなど一通りの趣味にのめり込み、今も残っているのがモーターサイクルと自転車。現在は主にその2つのジャンルで執筆中。かつてスーパー耐久参戦チームの裏方をした経験あり。

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