走り出せば、また新たな記憶や思い出が刻まれていく

2023.06.30

クルマを乗り替えるきっかけには、どんなパターンが多いのだろう?
 
10年10万キロも走ったし、そろそろ乗り替えようか…(真っ当です)
 
家族が増えたから乗り替える…(いつまでも2シーターってわけにはいきませんね)
 
どうしても欲しいクルマがあるから、乗り替えたい…(さて、どうご家族を説得しますか)
 
気分転換に、クルマでも乗り替えるとするか…(なんと、うらやましい)
 
車検ごとに乗り替えていますが、なにか? なんて人もいらっしゃるかもしれません。逆に、理想のクルマを手に入れたから、もう乗り替える必要はないぜ、というお方も。
 
ちなみに、クルマを乗り替えるたびに、これが最後の一台!と宣言し続けてきたのはワタシです…。

3年間で7万キロを走破した愛車(トヨタ・プロボックス)を、今年6月の車検のタイミングで手放した。どこまでも走り続けるぜ!と宣言していたはずなのに。
 
3年しか乗らずに手放すのは、これまで所有してきたクルマの中ではかなり短い。けれども、7万キロという走行距離は、これまで所有してきたクルマの中ではかなり長いほうだ。
 
短い間ではあったけど、共に過ごした時間は長く濃かった。
 
実家のある熊本からの帰路、真夜中のSAにたたずむプロボックスの凜とした立ち姿を、きっと忘れることはないだろう…

寒いからもう家に入ればいいのに、とルームミラーの中で小さくなっていく父に向かってつぶやいた場面を、いつかまた思い出すだろう…
 
記憶はクルマの外側に、思い出はクルマの内側に刻まれる。
 


さて…
 
プロボックスに代わる新たな相棒として迎え入れたのは、スズキのジムニーシエラ。とりあえず、これが最後の一台!と、今回も宣言しておく。

とても気に入っていたプロボックスからジムニーシエラに乗り替えたのには、もちろん理由がある。
 
もう十年以上通っている素敵な森が長野県にあって、そこでの“森遊び”に、これまで以上に真剣に取り組んでみようかな、と。「仕事は真面目に、遊びは真剣に」がモットーなもんで。
 
森の中に入っていくのだから、そこには凹凸の激しい林道が待っている。北アルプスの麓だから、冬にはかなりの雪が積もる。
 
家族全員で乗る機会はもはやほとんどないし、大きなクルマである必要はない。とは言え、長野までの距離を考えると軽自動車では、ちとキツい…
 
となると、自分にとっての新しい相棒選びは “シエラ一択”。ライフスタイルの変化に応じてクルマを乗り替える、というパターンですね。
 
新車を注文して納車まで1年も2年も待っていたら、気が変わってしまうかもしれん。いや、一択と言いながらも気が変わるに違いないので、即納OKの中古車。気が短くて優柔不断なのも、クルマ馬鹿の特徴でありまして。
 
中古車の場合はいつもそうするように、今回も、まずはタイヤを交換。タイヤを新調すると、それまで誰かのクルマだった中古車が、初めて自分のクルマになった気分になる。

選んだのは、オフロード走行に定評があって、アウトラインのホワイトレターが個性を主張するヨコハマタイヤの「GEOLANDER(ジオランダー)」。
 
より本格的なM/T(マッドテレーン)ではなくA/T(オールテレーン)にしたのは、都市部での日常使いを考えてのこと。クルマを受け取り、そのまま近所のタイヤガーデンに持ち込んで交換してもらいました。
 
どこまでも走って行けたプロボックスから、どこへでも走って行けるジムニーシエラへ。
 
さぁ、出発しよう。いつもの森の、その奥へ。
 
走り出せば、また新たな記憶や思い出が、ココロに轍のように刻まれていく。
 
クルマ旅に終わりはないのだ。僕らが、目の前の道を走り続けるかぎり…。
 
ワクワクするぜ。


ープロボックスとの別れのエッセイはこちらー

この記事を書いたライター

夢野忠則

自他ともに認めるクルマ馬鹿であり、「座右の銘は、夢のタダ乗り」と語る謎のエッセイスト兼自動車ロマン文筆家。

現在の愛車は手に入れたばかりのジムニーシエラと、トライアンフ・ボンネビルT120、ベスパET3 125。

   

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