雨の日の運転の注意点(ハイドロプレーニング現象への対応など)

僕は雨の日の夜のドライブが大好きだ。窓ガラスについた水滴に街の明りが反射して、まるで小さい頃に万華鏡を覗いた時のような感覚を覚える時もある。晴れの日にいつもかけるお気に入りの曲も、雨の日には鳴りを潜める。ぽつりぽつりとルーフを叩く音がなんとなく心地よく、浮ついた心を落ち着かせてくれるからだ。しかしそうは言っても太陽がぎらつく晴天の日より、雨の日は緊張感の為ハンドルを握る手に少し力が入る。またこれからの季節は梅雨や夏のゲリラ豪雨がやってくる。そんな今回は雨の日に安全にクルマを運転する方法を紹介していきたい。

雨の日はどんな所を走る際にも①視界が悪いこと ②路面が滑りやすいこと この2点を念頭に置いて走らなければならない。

まず視界の確保だが、予め油膜落とし用のスプレーを車内に置いて置くことをお勧めする。ウィンドウォッシャー液は軽い油膜や泥は落とすことができても、虫の死骸など、頑固な汚れは落とすことができない。またワイパーのゴムは経年劣化すると、亀裂ができたりする。こまめにチェックをして問題があるようならば交換するのが理想だ。また雨の日にガラスが曇って困ったという方も多いはず。そんな時はエアコンのスイッチを入れれば問題解決。エアコンの除湿機能が働いて視界をクリアに保ってくれる。加えて雨の日は昼間でもヘッドライトの点灯は心掛けたい。ある夏の日中、都内を車で走っていたら突然バケツをひっくり返したような豪雨に見舞われた。ワイパーを最も速く稼働させても、前方のクルマがはっきり見えないほどだったことを覚えている。更に雨が道路上に溜まり、中央線が目視できず肝を冷やしたが、幸いなことに対向車線のクルマのヘッドライトの明かりできちんと真っ直ぐ走ることができた。ヘッドライト点灯は自分自身を守り、相手を守る為にもクルマを走らせる上で重要なマナーであると改めて考えさせられた出来事だった。


滑りやすい路面への対処法として大切なのがタイヤだ。まずは空気圧が規定値通り入っているか。残り溝がちゃんとあるか。この2点をチェックしたい。また、タイヤを新品に買い替えるときはウェット性能の高いタイヤを選ぶことをお勧めする。わかりにくければタイヤ販売店で相談するといいだろう。乗り心地やドライグリップ、低燃費などタイヤには色々な性能があるが、僕なら雨の日の安全に直結するウェット性能を一番に考えたタイヤ選びをする。ちなみにタイヤのウェット性能には濡れた路面での滑りにくさと、濡れた路面を走った際に水を排出し、ハイドロプレーニング現象を防止する為の排水性能の2つに分けることができる。ハイドロプレーニング現象については後述したいと思う。

ハイドロプレーニング現象とは

*画像はイメージです

タイヤが万全でも運転に問題があれば台無しだ。万が一の際の制動距離が長くなることをあらかじめ計算に入れ、速度を落とすこと、十分な車間距離を保つことを常に意識して運転してもらいたい。最後にもう一つ、雨のドライブの大敵である高速走行時のハイドロプレーニング現象について紹介したいと思う。ハイドロプレーニングとは高速で走ると、水がタイヤの下に入り込み、タイヤを路面から浮かしてしまう現象である。これを回避するには、轍など水が溜まるところを避けて走るのが基本。しかしゲリラ豪雨など強い雨では轍以外にも深い水たまりができる。だからこそ高いスピードを維持したまま走るのは大変危険だ。深い水たまりに高速で突っ込んだらタイヤはあっけなくグリップを失ってしまうことがあるのだ。ちなみに、ハイドロプレーニングはタイヤの残り溝とも大きく関係している。一般的な新品タイヤの溝の深さは8mmで、半分の4mmになるとハイドロプレーニング現象が起きやすくなると言われている。溝がなければ、タイヤの下にもぐりこんだ水を排出することができずに簡単にハイドロプレーニングの餌食になってしまうからだ。ですから日頃からタイヤの溝のチェックを行い、溝が4mm以下であればより一層注意して走行すること。これが自分と大切な人の命を守る術なのだ。

カテゴリ

横浜ゴム株式会社
あなたにおすすめの記事