
本社が横浜にないってホント!? ヨコハマタイヤの知られざる秘密
そんなときに、ふと頭の中に浮かんでくるのは『ヨコハマタイヤ』という聞き慣れた単語。けれど会社名には『横浜ゴム株式会社』と書かれています。
「きっと横浜ゴムが製造するタイヤをヨコハマタイヤと呼ぶのだろう」と思っていた矢先、『株式会社ヨコハマタイヤジャパン』という社名が視界に飛び込んできました。
深掘りをしていくと、本社は横浜じゃなくて東京都・港区にあるらしい。
さらに団塊の世代を迎える方々の幼少期に衝撃をもたらしたキャラクター、満面の笑みを浮かべるタイヤ「スマイレージ」って、一体何だったの……?
考えれば考えるほど深まるヨコハマの謎に終止符を打つべく、意外と知られていないヨコハマタイヤの秘密に迫ります。
解明! 横浜ゴムとヨコハマタイヤの関係性
「ヨコハマタイヤって横浜ゴムが製造するタイヤのことでしょ?」
これはまごうことなき真実です。横浜ゴムが乗用車用、トラック・バス用、産業車両用、モータースポーツ用に開発するタイヤのことを“ヨコハマタイヤ”と呼びます。そうすると「株式会社ヨコハマタイヤジャパン」とは一体何ものなのでしょうか?
実は横浜ゴムはタイヤ事業の他にも、ホース配管やコンベヤベルトなどゴム高分子技術をベースにした事業や、ゴルフ用品・PRGR(プロギア)など幅広い分野で製品を生み出しています。その中で、タイヤ事業の販売に特化したカーライフ専門の会社が「株式会社ヨコハマタイヤジャパン」なのです。
つまりタイヤの企画・開発・研究・製造は横浜ゴムが担当し、そこで完成した製品をヨコハマタイヤジャパンが市場に販売しているというわけですね。
幼少期のトラウマ? 「スマイレージ」の正体

「ヨコハマタイヤといえば『あの顔』だよね…」
多くの人々に衝撃をもたらしたスマイレージ。インターネットの検索窓にスマイレージと打ち込めば、「トラウマ」や「きもかわいい」など、気になる単語が予測変換で飛び出します。多くの人の心に何かしらの衝撃をもたらしたスマイレージとは、一体何ものなのでしょうか。
彼が登場したのは1962年、高度経済成長の真っ只中でした。当時、子どもだった人が口を揃えて言うのは「ちょっぴりこわい」ということ。確かにアメリカンな満面の笑みはなかなか衝撃的なものに違いありません。
現在ではあまりお目にかかれないスマイレージですが、時々田舎の看板にその姿を発見することができます。しかしながら多くは錆びを伴っており……。今なお世代を超えて人々に衝撃を与え続ける姿を、探してみてはいかがでしょうか。
横浜ゴムの本社は、お父さんの街・新橋!

1917年に設立した横浜ゴム(旧:横浜護謨製造株式会社)が建設した最初の工場は神奈川県横浜市平沼町の平沼工場でした。しかしながら1923年に関東大震災の影響で倒壊、6年後となる29年に横浜市鶴見区平安町に横浜工場を再建しました。その後、戦火に見舞われ、横浜工場は閉鎖。52年に平塚工場を設立しました。
時代の荒波に揉まれながらも、横浜ゴムはアジア圏を中心とした地域で確実に拠点を拡大していきました。高度経済成長の61年には現在の場所に本社ビル「浜ゴムビル」を竣工し、2年後には社名が「横浜ゴム株式会社」となりました。
2017年に創立100周年を迎えた歴史のながーい会社ですが、時代とともに変化しながら、常に求めるのは技術の先端。今日もお父さんの街・新橋から世界に安心を発信しています。
参考