コミュニティへの参画及びコミュニティの発展

地域コミュニティ

KPI

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項目 2020年度実績 2021年度実績
生産拠点におけるコミュニティ活動・対話実施率 (連結)100% (連結)100%
地域コミュニティにマイナスの影響を及ぼす事業 (連結)0% (連結)0%

責任部門

各事業所
  • CSR企画室および環境保護推進室が事務局として方針の展開、情報共有を行っています。

考え方・目標

なぜ「地域コミュニティとのエンゲージメント」が重要取り組み項目なのか
理由と背景の解説

横浜ゴムグループは、現在13カ国で生産活動事業を展開しています。当社グループが、ある地域で操業を開始、または撤退する場合、その地域コミュニティに対して環境影響や雇用などの社会影響を与えます。その影響は、各地域の事情によって異なるため、プラスの影響はどう拡大し、マイナスの影響はどう緩和すべきかを、地域コミュニティとエンゲージメントしながら検討・実行していくことは、当社グループの持続可能な経営にとって非常に重要なことだと考えています。

目指す姿(達成像)/目標

グローバルに事業を展開する私たちは、環境や法律、文化、習慣、経済などの面で地域社会と関係を持っています。国内外事業所の地域社会と良好な関係を築くことに努めています。2023年の目指す姿として、下記を掲げています。
  • 地域社会と共に生き、ゆるぎない信頼を築いている
    そのために、多様なコミュニケーションを取り、地域問題や地域の発展に取組みます
  • ステークホルダーの声を聞き、それを反映する仕組みが国内外で整っている
  • 国内外での植樹および苗木提供の合計本数が115万本に達成している

目指す姿に向けた施策

目指す姿を実現するため、以下のようなさまざまな側面からのアプローチを検討し実施していきます。
  • 地域コミュニケーションとして住民懇談会を原則で年2回開催いたします。
  • 生物多様性保全活動を開始している国内生産・研究開発拠点では、地域のNGOと連携した活動を行っています。生産拠点の近くで活動している日本野鳥の会の支部や自然保護団体から、野鳥や水生生物などの名前や生態を教えていただきながら生物モニタリングを行っていきます。
    ・・・2021年度の活動レビュー(1)
  • 平塚製造所の環境イベントである「ThinkEcoひらつか」において「生物多様性パネルディスカッション」を行い、横浜ゴムが地域の水辺のために何ができるかを地域の皆さまと共に考えていきます。
    ・・・2021年度の活動レビュー(2)
  • 「YOKOHAMA千年の杜」活動で育てている苗木を、地域で植樹活動を行っている学校、社会福祉施設、NPO等に提供していきます。
    ・・・2021年度の活動レビュー(3)
  • 東日本大震災の被災地復興支援として、当社は岩手県下閉伊郡大槌町が復興計画の一つに掲げた「鎮魂の森」づくりを支援するために、2012年から2015年まで「平成の杜」と名づけた防潮堤への植樹会を開催しました。2014年からは大槌学園(前身の大槌小学校時代を含む)による「ふるさと科」の学習として育樹・植樹活動を支援しています。
    ・・・2021年度の活動レビュー(4)
  • 当社は従業員によるボランティア活動を支援するために「社会貢献活動支援制度」及び「ボランティア休暇制度」を制定しています。
    ・・・2021年度の活動レビュー(5)
  • 従業員が毎月給与から積立を行う2016年5月に発足した「YOKOHAMAまごころ基金」では社会福祉・貧困地域への教育支援・環境保全活動などさまざまな活動を行っているNPOやNGO、社会福祉法人等への支援や災害発生時の災害義援金への寄付などを行っています。横浜ゴムは同基金が拠出した金額と同額を拠出し(マッチングギフト)活動を支援しています。
  • 三重工場、新城工場、三島工場、尾道工場、茨城工場、長野工場、平塚製造所、ヨコハマタイヤリトレッド北海道事業所・埼玉事業所・名古屋事業所、D-PARC、愛知タイヤ

2021年度の活動レビュー

2021年度は以下のような施策を実施しました。
(1) 国内13拠点、海外9拠点の生産事業所で生物多様性保全活動を実施しています。新型コロナウイルス感染拡大により生き物調査(モニタリング)や外来種の除去(抜根等)や海岸清掃などは例年よりも回数・参加人数を減らして実施しました。
(2)「流域で守る生物多様性保全」をテーマに第8回生物多様性パネルディスカッションをオンラインで開催しました。今回はオンライン開催のメリットを活かし、日本の生産拠点と関係する行政、地域住民、環境NPO等をはじめ、多くのステークホルダーの方に参加いただきました。
日本自然保護協会保護部長の大野正人様からの「流域で生物多様性を考えるための「つながり」とは」のテーマで基調講演を頂き、三重工場での宮川流域を通した取り組み紹介を行い、企業が自然を守る意義についてパネリストによる議論を行いました。
(3)「YOKOHAMA千年の杜活動」の苗木提供において、2021年度には、40,816本、累計で472,628本の提供を行いました。
(4) 新型コロナウイルス感染拡大により2年間植樹を見送ってきましたが、4月28日に岩手県上閉伊郡大槌町立大槌学園4年生(小学4年生)の子ども達79名とともに植樹を行うことの意味を学んだ後に大槌浄化センターの「平成の杜」マウンドに約530本の苗を植えました。今回の植樹は2012年から始まった平成の杜マウンドでの最終植樹となりました。
(5)「社会貢献活動支援制度」により5件の従業員によるボランティア活動の支援を行いました。
主な内容は、衣料や学用品をフィリピンの貧困地域に届ける活動を行っているNPO法人に、従業員が集めた衣類や学用品などを送る活動への支援などでした。

YOKOHAMAまごころ基金

国内外の災害発生時の支援、環境保全や子どもたちの支援に取り組む団体などに寄付しており、同基金と当社は2021年13件の寄付を行いました。
寄付金の合計額は約4,902万円でした。今年は初めて地域工場・ヨコハマタイヤジャパンと連携して新型コロナ医療支援車両へのタイヤ寄贈を行いました。
「YOKOHAMAまごころ基金」は、基金に賛同する従業員(会員)から寄付(毎月100円~の希望額)を集め、支援したい団体を会員が推薦し、会員代表で構成する基金運営委員会で推薦団体を審査し、寄付の可否を決定します。
決定を受けた各種団体へ寄付を行うと共に、横浜ゴムは基金と同額を寄付する仕組みとなっています。
現在社員の約43.7%が加入しており、社員一人一人の「社会に貢献することの大切さ」を基金を通じて全社をあげて取り組んでおります。
(主な団体支援先)
特定非営利活動法人 Japan Hair Donation&Charity様
認定特定非営利活動法人 シャイン・オン・キッズ様
認定NPO法人 カタリバ様

(主な災害支援)
東日本大震災継続支援(福島県沖地震を含む)
令和3年7月伊豆山土砂災害(熱海市に直接支援を実施)
新型コロナウイルス対策医療支援(東京都・茨城県小美玉市・神奈川県・静岡県・長野県・愛知県・三重県・広島県)

事例紹介

平塚製造所 「Think Eco ひらつか」特設サイト開設

“みんなで学ぶ、遊ぶ、楽しめる”をコンセプトに、地域住民の方々や従業員家族との親睦を深めながら、体験型環境イベント「Think Eco ひらつか」を開催しています。2020年度は感染拡大予防の観点から特設サイトを開設し、自宅にいながら「Think Eco ひらつか」を体験してもらえるように致しました。
Think Eco ひらつか 特設サイトへ

新型コロナウィルス対策医療支援

当社は「新型コロナウィルス対策医療支援」を2021年も継続して、本社・工場拠点のある8都県市の医療支援活動に横浜ゴムから160万円、「YOKOHAMAまごころ基金」から160万円、合わせて320万円の寄付を実施しました。寄付先を通じ、医療現場の最前線で尽力される医療従事者・医療関係者の皆様への支援に役立てて頂きました。

三重工場 「新型コロナワクチン搬送用公用車へのタイヤ寄贈」

地域社会貢献活動および新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療支援の一環として、三重県に乗用車用タイヤ40本を寄贈しました。寄贈したタイヤは、三重県の新型コロナウイルスワクチンを病院や保健所などの接種会場まで搬送する公用車に装着されます。
タイヤを寄贈する横浜ゴム三重工場長の大楽貢と(左)三重県医療保険部部長の加太竜一氏

Y.T. Rubber Co,Ltd(タイ)

横浜ゴム(株)の天然ゴム加工会社であるY.T.Rubber Co.,Ltd.(ワイ・ティー・ラバー)は2021年12月、同社が立地するタイ・スラタニ地区で2年連続して発生した豪雨に伴う洪水で被災した世帯に支援物資を寄贈しました。支援したのは同社に隣接する2つの村で被災した全383世帯にそれぞれに米5kgと500mLペットボトル水12本を手渡しで配布しました。支援した村の村長からは「Y.T. Rubberはいつも村の住民を気にかけてくれている。昨年に続いて今年も支援をしてくれた。本当に有難い。」と感謝のコメントを頂きました。

Yokohama Tire Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.(タイ)

地域社会に対する下記の活動を実施しました。
  • 千年の杜や植樹指導、生物多様性学習、魚の放流などを含む環境対応活動
  • 地域イベントへの参加など、地域社会との関係強化活動
  • 寺院の保護を含む文化保護活動
  • ボランティア活動や寄付などの社会貢献活動
COVID-19の発生に対応するため、飲料水、サージカルマスク、手指消毒剤などの備品を地元の病院に寄贈または支援することに重点を置いています。

Yokohama Tire Philippines, Inc. (フィリピン)

台風24号の被災者支援

YTPIは、クラーク開発株式会社の社会貢献部門(CDC)に米袋1,00,000ペソを寄贈しました。このプロジェクトは、台風オデットの被害を受けた家族を支援するために、政府からの寄付と災害後の救援活動の要請に応えたものです。

蘇州優科豪馬輪胎有限会社(CSZY)(中国)

環境保護ウインターキャンプを開催しました。小学校の子どもと家族が参加し、「森を守る、紙を節約」の授業、種拾い、野鳥観察を行いました。子供たちに環境知識を身につけて、環境意識を高めることを目指しています。

Yokohama Tyre Vietnam Inc. (YTVI)(ベトナム)

地域の病院に対して、救急車用のタイヤ提供を行いました。

LLC Yokohama R.P.Z. (YRPZ)(ロシア)

YRPZはロシアの環境・慈善プロジェクト「Dobrye Kryshechki」("Kind caps")に参加しました。このペットボトルのキャップを回収するプロジェクトでは、プラスチックごみを減らすこと、障害をもつ子供たちに寄付支援をすることを目的としています。2021年は30kgのキャップを回収し、車いすを買うために送りました。

課題と今後の改善策

生物モニタリングを通じた環境影響評価については、地域住民とのコミュニケーションを含めたPDCAサイクルの仕組みが完成し、生物多様性保全活動が開始されています。コロナ禍での感染予防を取りながら活動を行うためのガイドラインを策定しましたが、活動の成果を地域コミュニケーションにどのように活かしていくのかを検討してまいります。
また、地域での社会課題解決のため、コロナ禍でも実施できるボランティア活動やYOKOHAMAまごころ基金を通じた活動を推進していきます。