2021 TCR Japan Series Overview

TCR Japan Seriesとは

世界共通規定のTCR車両によるレースシリーズは2015年に発足、その頂点には2017年から名称を改めたFIA WTCR(ワールド・ツーリングカーカップ)が位置しており、2019年までヨコハマタイヤのワンメイクで世界各地を転戦した。

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さらに各地域ごとのリージョナルシリーズ、そして国ごとのナショナルシリーズが世界各地で展開されており、日本のナショナルシリーズとして2019年にTCR Japan Seriesが発足した。

TCR Japan Seriesは1人のドライバーが1台のマシンを予選から決勝までを通じて駆り、比較的短いレースで競われるスプリントレース。マシンが停車した状態からシグナルの合図でスタートするスタンディングスタート方式の決勝は、開始からフィニッシュまで熱いバトルが繰り広げられる。ドライバーについてはプロフェッショナルなトップドライバーの参加は制限されており、さらに「ジェントルマンクラス」の設定により趣味としてモータースポーツを楽しむドライバーが戦いの主役となっている。

また、シリーズは同じ週末の土曜日と日曜日に決勝が行われ、それぞれ「Saturday Series」と「Sunday Series」という別個のシリーズとしてポイントが累積される。これにより参加者は自らのライフスタイルやスケジュールにあわせて、両方シリーズに参戦するのみならず、土曜と日曜いずれかのシリーズに的を絞って活動することも可能だ。

2021年は全6大会の開催を予定しており、そのうちの5大会はSUPER FORMURLAとの併催を予定。全日本選手権のビッグレースと同時開催となることから注目度や露出がさらに高まり、参加者も多くの観客が見守る中で戦うことが出来るのもTCRジャパンシリーズの特徴となっている。

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MACHINE =車両概要=

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TCR車両とは、4ドアまたは5ドアの市販車両をベースとした世界共通規定のレーシングマシン。エンジンは排気量1750~2000ccのターボチャージャー付きとなり、4j気筒でターボはシングルのみ。ガソリンに加えて、ディーゼルエンジンも認められている。前輪駆動方式のみとなっており、ヨーロッパでCセグメントに分類される、世界的にも販売台数の多い人気車種をベースとしたマシンがレーシングフィールドで競い合っている。

さらにレースを盛り上げるべく、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス)という性能調整が車種ごとに施される。これは戦績などを考慮して、車両最低重量やエンジンパフォーマンス、最低地上高などに反映される。この措置により接近戦の機会も増えることからエキサイティングなレースが観客を魅了するとともに、ドライバーにとっては駆け引きを通じてドライビングスキルを向上させることにつながっている。

2年目となった2020年シーズンは、アウディ・RS2、クプラ(セアト)、ホンダ・シビック、フォルクスワーゲン・ゴルフ、アルファロメオ・ジュリエッタの5車種が参戦。バラエティ豊かな顔ぶれは国際色にあふれており、それぞれの車種のオーナーからも注目を集めているシリーズだ。



TCRとヨコハマタイヤ

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2019年のシリーズ発足から、TCR Japan Seriesはヨコハマタイヤがワンメイクタイヤの指定を受けており、2021年も引き続き足元からシリーズを支えていく。

供給するタイヤは、ドライ用のスリックタイヤが「ADVAN A005」、ウェット用の溝付きタイヤが「ADVAN A006」で、ともにサイズは250/660R18。

ヨコハマタイヤでは日本をはじめ、ドイツ、スカンジナビア、デンマーク、ロシアで開催されている各ナショナルシリーズでもワンメイクサプライヤーを2021年もつとめ、世界各地で戦われるTCR車両の走りを支え続けている。