2020 All JAPAN Karting Championship OK Div. Overview

全日本カート選手権OK部門とは

もっとも身近なモータースポーツと言われるレーシングカートは、幅広い年齢層に愛好者が存在している。遊園地などのいわゆる「ゴーカート」に乗ったことがある方は男女問わず多いだろうが、より本格的に速さを求めたレーシングカートは1960年代から普及し、全国各地にカートコースも設けられた。そして1972年にJAF(日本自動車連盟)がレーシングカートの統括団体となり、翌年から全日本選手権が開催されている。

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国内レーシングカートの頂点に位置する全日本カート選手権、その最高峰となるのがOK部門。出場資格としては国際Bドライバーライセンス以上を所持していること、または一定の実績を有する国際Cセニアもしくは国内Aドライバーライセンス所持者と定められており、まさにトップカーター達が戦いの主役となっている。

シリーズは1大会に2戦を行い、年間5大会・10戦で競われる。シリーズは有効8戦のポイントでチャンピオンを決するが、2019年は毎戦30台ほどがエントリーして熾烈な戦いが各戦で繰り広げられた。

また、裾野の広さはレーシングカートの大きな特徴であり、例えばジュニアカート選手権のFP-Jr Cadets部門は当該年9歳から13歳という将来のトップドライバー達が競い合う。まだあどけなさが残る選手がほとんどだが、戦いはハイレベルで真剣そのもの。こうしたクラスからレーシングカートで経験値を積み、4輪レースへステップアップして現在のトップカテゴリーを戦っているレーシングカート出身のドライバーも多い。

MACHINE =車両概要=

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国内のレーシングカート最高峰に位置するOK部門は、“カートのF1”とも称されている。ドライバーとマシンを合計しての最低重量は僅か145kgに設定されており、スピードは100km/hを優に超える。さらに地を這うような低さゆえ、体感速度はその倍とも言われている。

エンジンは排気量125ccの水冷で2ストロークで、最高回転数は16,000rpm。国際的なレーシングカートの統括団体であるCIK-FIAの公認を受けているエンジンであれば自由に選択が可能で、さらに改造を規定で許されている範囲もあることからエンジンチューニングの手腕も勝敗に結びつく大きな要素となっている。

なお、操作はステアリングとブレーキ、アクセルという2つのペダルのみ。シンプルであるが4輪と同等のスピード、そしてクイックな特性から、求められるドライビングスキルは非常に高度なものとなる。



レーシングカートとヨコハマタイヤ

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全日本カート選手権・OK部門は、ハイレベルなタイヤコンペティションの舞台でもある。メーカー、銘柄、コンパウンドは自由とされていることからSUPER GTなどと同じく技術開発の最先端としても認識されている。各大会ではそのコースや開催時季などを考慮した専用のタイヤを各社が用意して、タイヤも激しい戦いを繰り広げている。

ヨコハマタイヤはレーシングカート用のタイヤも幅広いラインアップを展開しているが、もちろん全日本カート選手権・OK部門にも長年にわたって参戦を続けている。2018年には第2戦でポール・トゥ・ウィンを飾るとともに、ワン・ツー・フィニッシュも達成。雨の第7戦では表彰台を独占するなどの活躍を見せて、同年はシリーズチャンピオンを獲得した。

また、9歳~13歳という将来のトップドライバーたちが競い合うジュニアカート選手権のFP-Jr Cadets部門では、ヨコハマタイヤがワンメイクサプライヤーをつとめている。モータースポーツの第一歩をこのカテゴリーからスタートする選手も多く、飛躍へのファーストステップをヨコハマタイヤが足元から支えている。