大気への排出

KPI

  • 項目

    排出温室効果ガス量

  • 2017年度実績

    (連結)

    Scope1
    363千トン
    Scope2
    354千トン
    Scope3
    23,237千トン
  • 2018年度実績

    (連結)

    Scope1
    371千トン
    Scope2
    349千トン
    Scope3
    22,055千トン
  • 項目

    オゾン層破壊物質

  • 2017年度実績

    フロン漏洩量
    (国内)688.0トン

  • 2018年度実績

    フロン漏洩量
    (国内)545.1トン

  • 項目

    HAPs(有害大気汚染物質)

  • 2017年度実績

    (国内)17.6トン

  • 2018年度実績

    (国内)21.1トン

責任部門

各拠点
※活動は各拠点が実施、方針や活動施策は地球温暖化対策委員会、化学物質管理委員会などで方向付けを行っています。

考え方・目標

なぜ「大気への排出」が重要取り組み項目なのか。
理由と背景の解説

私たちは、資源を使ってタイヤ・ホース・ベルトなどの多様なゴム製品を製造し、販売しています。また、接着剤やシーラントなどの化成品も取り扱っています。特にその製造工程、および使用段階における「大気への排出」を低減することは、地球温暖化や環境汚染の防止につながるほか、各拠点で継続的に操業していくために重要な取り組みと認識しています。

大気への排出に関する方針および考え方

横浜ゴムグループは、「横浜ゴム全社環境方針」「横浜ゴムグループ行動指針」にのっとり、製品・サービスの提供における地球環境への負荷の最小化を図ります。
そのため、環境技術の開発・導入を進めるとともに、製品・サービスの提供にかかわる方々と協働して、バリューチェーン全体で大気への排出の削減を推進します。
私たちは、大気への排出に関する国際的な協定、各国の規制(日本では、省エネ法、地球温暖化対策法(温対法)など)や日本ゴム工業会などの関係団体の規制対応方針に従うとともに、より厳しい自主基準を定め、大気への排出を抑制します。

温室効果ガスの排出に関する横浜ゴムグループのリスクとチャンス

リスク

排出量削減のための設備投資費用の増加、再生可能エネルギーなどの使用にかかるエネルギーコストの増加、温暖化による労働環境の悪化と対策のための投資費用の増加があります。

チャンス

大気への排出を削減することにより、操業にかかるエネルギー効率の向上、操業地域の環境保全、保温材などの外部提供による社会貢献に寄与しています。温室効果ガスだけではなく、揮発性有機化合物(VOC)や大気汚染物質の排出を抑制することは、環境関連投資のコストを下げることができるため、製品製造コストの削減につながります。

オフセットの使用

オフセットは使用しておりません。

目指す姿(達成像)/目標

「大気への排出」に関して国際的に規制が厳しくなる中で、いわゆる先進国の規制基準の達成を原則としています。
横浜ゴムグループは、エネルギー消費量の削減指標として「温室効果ガス(GHG)排出量」の総量削減に取り組んでいます。

  • 長期目標:
    2050年までに、当社グループのバリューチェーン全体で排出するCO2総量を、基準年(2005年度)比で50%以上削減する
  • 中期目標:
    2030年までに、当社グループのScope1+2、およびサプライチェーンとの協働において、製品製造に関するCO2原単位を、基準年(2013年)比で30%以上削減する

目指す姿に向けた施策

当社グループでは、生産活動および、研究開発、オフィスの全てを通じて発生する環境負荷を監視・削減するために、以下の施策を実施しています。

  1. 法律や条令で定められている基準よりも、より厳しい自主管理基準を設定し、継続的なモニタリングの実施
  2. 法的要求のある測定結果については、行政および地域住民の方々へ定期的な報告の実施
  3. 生産プロセスの改善など、環境負荷低減に向けた活動の強化
    使用エネルギーの転換、再生可能エネルギーの導入、保温断熱による排熱抑制、最新環境技術・システムの導入など
  4. 環境汚染の未然防止
    環境汚染リスクの抽出と改善、定期的な監視測定の実施など
  5. 化学物質管理
    採用時、または法規制の変化に対して、含有する化学物質の適合性を確認する
    事業活動や製品における環境負荷物質の最小化を図り、VOCや有害性物質の排出を抑制する

2018年度の活動レビュー

大気汚染につながる事象発生はありませんでした。
NOxおよびSOxについては、排出濃度を管理し、法規制値は順守しています。

NOx、SOx等大気排出
(国内) (単位:トン)

Cat NOx SOx
2017年度 106.6 3.5
2018年度 111.7 3.0

オゾン層破壊物質の使用および排出はありません。ダイオキシンの発生もありません。
GHG排出量は日本国内では前年より2.1%削減、海外は生産増加のため、2.4%増加し、全体としては0.5%増加しました。
VOC排出量は全体として-9.7%削減となりました。

国内外グループの温室効果ガス排出量の推移(千t-CO2

スコープ3の算定

2018年度のスコープ1~3の結果は以下の通りです。また、Scope3の内訳を提示します。
2018年度の横浜ゴムの企業活動に伴って排出された温室効果ガス排出量(スコープ1+2)が720千トン-CO2、バリューチェーンでの温室効果ガス排出量(スコープ3)が22,055千トン-CO2となりました。
スコープ3は97%を占め、その中で製品の使用が80%を占め、環境貢献商品・低燃費タイヤの普及に努めるとともに、取引先さまとも協働して、バリューチェーンにおけるGHG排出量の削減を推進します。

  • Cat スコープ3の区分 排出量(千t-CO2
    1 購入物品・サービス 2,566
    2 資本財 57
    3 燃料・エネルギー 107
    4 輸送・流通(上流) 138
    5 廃棄物 1.4
    6 出張 3.3
    7 従業員の通勤 23
    8 上流のリース資産 該当なし
    9 下流の輸送・流通 59
    10 販売した製品の加工 3.7
    11 製品の使用 18,155
    12 製品の廃棄 833
    13 下流のリース資産 0.2
    14 フランチャイズ 該当なし
    15 投資 110
    22,055

※1 スコープ1:企業自身が直接排出したGHG排出量(例:化石燃料・天然ガス等)

※2 スコープ2:企業自身が間接的に排出したGHG排出量(電力等)

※3 スコープ3:企業が間接的に排出するサプライチェーンでのGHG排出量(製造、輸送、出張、通勤等)

※4 算定は、「GHGプロトコル」が発行したスコープ3基準に沿って行いました

温室効果ガス(GHG)排出量の検証

GHG排出量算定データの信頼性確保のため、第三者機関による検証を受けました。

事例紹介

天然ガス燃料への変更

国内工場で使用する燃料は環境に優しいガス導管によるガス化を進めています、更にガス導管の未整備な海外、ベトナム工場では、重油からタンクローリー搬送によるガス化、インド工場では、重油からガスボンベによるガス化によりCO2排出量を削減しています。

  •  

  • インド工場 ガスボンベへの変更

    インド工場 ガスボンベへの変更

ソーラー照明の設置

高効率ソーラーパネルとLEDの組合せによる外路灯の設置。
電源独立型なので災害・停電時にも外路灯として有効です。

  • ソーラー街路灯の設置

    ソーラー街路灯の設置

  • ソーラー+風力利用街路灯の設置

工場からの廃熱、熱利用による空調(吸収式冷凍機)採用

廃熱などの熱利用による吸収式冷凍機の採用で、CO2削減と夏のピーク電力削減に効果を上げています。

吸収式冷凍機

吸収式冷凍機

蒸気駆動式コンプレッサー

従来未利用だった、蒸気の減圧による圧力差のエネルギーでエアコンプレッサを回し、工場にエアーを供給しています。
電力削減とCO2削減に効果を上げています。

蒸気駆動式コンプレッサー

蒸気駆動式コンプレッサー

耐熱素材の保温材による省エネ改善

設備や配管の大きさに合わせた保温材の製作・取り付け作業を行っています。
国内、海外事業所で蒸気配管周りに保温材を取り付ける事を進めて、放熱量を抑える省エネ活動を進めています。

配管の保温

配管の保温

省エネ技術検討会

省エネ技術検討会を開催し、省エネ法に対応したエネルギー管理や最新の省エネ設備の導入でエネルギー削減に効果を上げています。

省エネ技術検討会の様子

 

その他、管理面から省エネ活動を進めています。

  1. 社内ブラックイルミネーション、定時退社の推進
  2. 夏季(クールビス)、冬季(ウォームビス)の省エネ取り組み
  3. OA機器の待機電力のOFF徹底
  4. 電力使用量の見える化による省エネ意識の向上
  5. 改善事例共有化(データベース化)による省エネ改善の水平展開

課題と今後の改善策

海外販売拠点などグローバルな大気排出量のデータ管理の徹底と、サプライチェーンとの協働で「大気への排出」の削減に取り組むことが課題です。