次の100年に向けた技術開発

横浜ゴムの将来の製品・サービス開発を支える基盤技術

解析流体音響シミュレーション

タイヤ騒音の低減は重要な環境課題です。タイヤや路面の周りの空気の流れが乱されることがタイヤ騒音の主な原因の一つであるため、タイヤ周りの空気の渦流れ構造とそこから発生する音響波の直接シミュレーションに関する研究に取り組んでいます。

2014年には走行するタイヤ周りに生じる渦構造や音響波を精密に捉えることに世界で初めて成功しました。
2015年にはHPCI (革新的パフォーマンス・コンピューティング・インフラ)研究課題に選定され、タイヤ表面の溝の深さや広さなどの形状の違いが音響波(騒音)に及ぼす影響を明らかにしました。
これはタイヤパターンの設計に役立てることができ、低騒音のタイヤの開発につながっています。

分析タイヤスチールコード/ゴム界面の3次元構造解析

自動車用タイヤには耐久性向上のためにスチールコードが埋め込まれています。このスチールコードと被覆するゴムとの接着が安全性には重要です。
当社は、電子顕微鏡の技術を駆使し、スチールコード/ゴム界面の接着層を3次元で世界で初めて可視化しました(図)。
湿熱老化処理したモデルサンプルのゴム-金属接着界面の接着層が一部脱落した部分や空隙が発見されました。
これらの部分ではスチールコードとゴムの接着力が弱く、接着性を低下させる起点になると推測されます。今後、さらに接着メカニズムの解明を進め、より耐久性の高いタイヤ開発に適用していきます。