会長ごあいさつ

2017年、横浜ゴムは創立100周年という大きな節目の年を迎えました。同年を最終年度とし、2006年度よりスタートした中期経営計画グランドデザイン100(GD100)では、安定的な成長を遂げ、確かな軌跡を残してくることができました。GD100を振り返って思うのは、ステークホルダーの皆さまに安心感を持っていただける事業運営がいかに大切かということです。質の高いモノづくりはもちろん、環境・社会との調和や公正さを追求するESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みは当社の基盤であり、今後も本業の中で継続していかなければなりません。
そうした考えのもと、2017年にはCSRスローガン「未来への思いやり」を制定しました。これは、お客さまや仕入先、地域社会、地球環境などあらゆるステークホルダーとの共存共栄を目指す、未来に向けた私たちの決意を表したものです。「思いやり」は言葉にするのではなく、行動に示すことが大事です。グローバル展開を続ける上でも、この姿勢はいっそう厳しく問われています。
重要なのは、従業員一人一人が日々の業務の延長線上にCSRを考えていくことです。今日国際社会で重視されるSDGs(持続可能な開発目標)との関わりもますます重要になってまいります。自らの仕事がどのように貢献しているか、「自分事」として理解を深めなければなりません。例えば環境にやさしいモノづくりへの要請は高まっていますが、これを単に顧客ニーズと捉えるのではなく、大きな変化の予兆と捉え、グローバルな環境課題として真摯に向き合っていくことが大切です。
これらの行動を通し実践することで、横浜ゴムが社会から信頼をいただき、次の100年も成長を続けていけるよう、全社での意識を高め、着実に歩んでいきます。

代表取締役会長

南雲忠信