2017 MACAU GRANDPRIX =Sunday Report=

2017 MACAU GRANDPRIX Sunday Report

マカオ市街地に作られた全長6,120mのギア・サーキットを舞台に争われている第64回マカオ・グランプリもいよいよ最終日。11月19日(日)は、『CTMマカオ・ツーリングカーカップ』の決勝、ヨコハマタイヤがワンメイクタイヤを供給する『FIA WTCC(世界ツーリングカー選手権)』のメインレース、そして同じくヨコハマタイヤがワンメイクタイヤを供給する『FIA F3ワールドカップ』の決勝レースが行われた。


Macau Grand Prix FIA Formula 3 World Cup

11月19日、いよいよFIA F3ワールドカップは決勝レースの時を迎えた。15時30分に始まった1周のフォーメーションラップの後に切られたスタートでは、2番手スタートのジョエル・エリクソン選手が好発進。2番手スタートのカラム・アイロット選手、3番手スタートのセルジオ・セッテ・カマラ選手が続く。しかし1周目、メルコヘアピン立ち上がりで佐藤万璃音選手がわずかに水の残っていた路面に足を取られクラッシュ。全車が80km/hで走行するフルコースイエロー(FCY)が導入された。

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3周目、上位集団がマンダリン・ベンドに差しかかったあたりでFCYは解除されるが、続くリスボア・ベンドでトップ争いを展開していたエリクソン選手とアイロット選手が接触。エリクソン選手はサンフランシスコ・ヒルでマシンを止めてしまう。この影響でセーフティカーが導入され、トップはセッテ・カマラ選手に。2番手にマキシミリアン・ギュンター選手、3番手にフェルディナンド・ハプスブルク選手が続いた。

7周目のリ・スタートの後、リスボア・ベンドではオーバーテイクを仕掛けた関口雄飛選手がエスケープエリアにコースアウト。そこに競り合いの中でスローパンクチャーに見舞われた山下健太選手が同様にコースアウトし、2台が接触してしまう。そのため、オーバーテイクポイントのリスボア・ベンドで長い間黄旗が提示された。

その後9周目にこの黄旗が解除されると、ペースが鈍ったギュンター選手をハプスブルク選手がオーバーテイク。さらにギュンター選手にはランド・ノリス選手、ダニエル・ティクトゥム選手、ペドロ・ピケ選手、ラルフ・アーロン選手らが接近。14周目のリスボア・ベンドでは4台による熾烈な攻防が展開され、これを制したティクトゥム選手が一気に3番手に浮上した。

トップ争いの2台は、3番手争いが激化していたこともあり、2台だけの争いとなっていくが、少しずつセッテ・カマラ選手にハプスブルク選手が接近。ファイナルラップにはマンダリン・ベンドでハプスブルク選手が仕掛けるも、これはギリギリでセッテ・カマラ選手が防ぎ、山側のエリアに入っていく。

しかし、再び海側に出ようかというフィッシャーマン・ベンドで、今度はアウト側からハプスブルク選手が仕掛け、いったん前へ。2台は一団となって最終コーナーに飛び込むが、止まりきれずセッテ・カマラ選手、ハプスブルク選手ともにガードレールにクラッシュしてしまった。

ストレートに差しかかっていたハプスブルク選手は、壊れたマシンでなんとかチェッカーを受けようとするも、3番手だったティクトゥム選手が横をすり抜けトップチェッカー。2位はノリス選手、3位はアーロン選手という結果に。優勝目前だったハプスブルク選手は、壊れたマシンで4位チェッカーを受けると、ピットの前でマシンを止め、劇的な展開に終止符を打った。


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WTCC (FIA世界ツーリングカー選手権)

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11月18日(土)に行われたオープニングレースに続き、FIA WTCC(世界ツーリングカー選手権)は11月19日(日)の10時40分から、メインレースの決勝が行われた。朝から残った雨により、スタート時のコースコンディションはウエットとなった。

このためセーフティカースタートとなり、ポールポジションのロブ・ハフ選手が3周目のセーフティカー解除とともに、トップでリスボア・ベンドへ。2番手にノルベルト・ミケリス選手、3番手にはトム・チルトン選手が続く。少しずつ路面が乾き始めるなか、コースアウトも発生。前日表彰台を獲得した道上龍選手も、ターン1でガードレールにヒットしてしまう。

トップ争いはハフ選手がわずかにリードを広げる一方、ミケリス選手、チルトン選手、そして4番手につけたエステバン・ゲリエリ選手の戦いが激化。9周目には、ゲリエリ選手がチルトン選手をオーバーテイクするも、メルコヘアピンでは2台がバンパー・トゥ・バンパーの戦いを展開。WTCCらしい戦いで観客を魅了した。

2台の戦いはファイナルラップ、ゲリエリ選手がわずかにコーナリング時にレコードラインを外したところを、チルトン選手がオーバーテイク。一方、ハフ選手はトップを譲らぬままチェッカーを受け、今季初優勝を記録。ハフ選手はマカオで開催されるWTCCで通算7勝目を飾った。2位はミケリス選手で、チャンピオン争いでも首位のテッド・ビョーク選手に肉迫。3位はチルトン選手となった。


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CTM Macau Touring Car Cup

地元ドライバーたちが争うCTMマカオ・ツーリングカーカップは、11月18日(土)は走行がなく、11月19日(日)の9時から、12周の決勝レースが行われた。これまで別々にセッションが行われてきたオーバー1950ccクラスと1600ccターボクラスが、決勝レースでは混走となる。

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ただ、マカオは前日の夜から雨模様で、この日も路面はフルウエット。2周のセーフティカーランの後にスタートが切られたが、2番手から鋭いダッシュでトップに躍り出たのは、ヨコハマタイヤを装着する三菱ランサーのレオン・イアン・ベング選手。オーバー1950ccクラスをリードしていった。

序盤こそコース上の水量が多く、3分3~5秒でのラップタイムでレースが展開されたが、8周目を過ぎる頃になるとコースが少しずつ乾きはじめ、ラップタイムは3分を切り、2分59秒台となっていく。それにともない、レオン・イアン・ベング選手に2番手が近づきはじめた。

レオン・イアン・ベング選手は、周回遅れをかわしながらフィニッシュへ向け走行を続けたが、10周目のターン1で、レオン・イアン・ベング選手の目の前で周回遅れがスピンしクラッシュ。これを避けようとしたレオン・イアン・ベング選手もスピンし、クラッシュしてしまう。

ただ、直後にドナ・マリア・ベンドで別の2台がクラッシュ、コースを塞いでしまったため赤旗が提示されて中断に。そのままレースは終了となり、8周終了時点で成立とされたため、レオン・イアン・ベング選手が優勝となった。

1600ccターボクラスは、ヨコハマタイヤを装着するプジョー・RCZのポール・プン・タク・チュン選手、シボレー・クルーズのジェロニモ・バダラコ選手が2&3番手につけるが、5周目にクラス首位のマシンがリスボア・ベンドの手前でトラブルのためストップ。ヨコハマタイヤ装着車によるトップ争いに変化する。

2台の戦いは7周目、バダタコ選手がプン・タク・チュン選手をかわしトップに浮上し、そのまま逃げ切り。ヨコハマタイヤ装着車が1600ccクラスでワン・ツー・フィニッシュ、両クラスでの優勝を飾った。


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