2015 MOTORSPORTS SCHOLARSHIP AWARD (2)

2015年をヨコハマタイヤとともにスカラシップ選手として戦った選手は、およそ200人。その中から、地方選手権のジムカーナとダートトライアル、それぞれに参戦して最多のスカラシップポイントを獲得された選手をご紹介しよう。


古沢和夫 選手 – 関東ダートトライアル選手権

JAF関東ダートトライアル選手権は、全10戦のカレンダーで競われた。そのうちの9戦に参戦し、見事に最終戦を待たずしてチャンピオンを獲得したのが古沢和夫選手だ。古沢選手は、CJ4A型の三菱・ミラージュを駆ってN1クラスに出場。第2戦(丸和)、第3戦(新潟)、第7戦(新潟)とシーズン3勝をおさめた。そんな古沢選手は、人生の多くをダートトライアルに捧げているという。

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「学生のころからダートトライアルを始めたのですが、将来自分は丸和オートランド那須で日本一になりたい、という目標を持ちました。そこで卒業後は栃木県に就職して。選手としてダートトライアルを戦うだけではなく、地元で部会の手伝いもしています。いまは仕事3割、家庭3割、そして残りの4割がダートトライアルという人生です(笑)」

選手としては、少しのブランクがある中で臨んだ2015年。今年からクラスが再編され、N1には前輪駆動のミラージュやインテグラに加え、小排気量ターボのストーリアも同じ土俵で戦うこととなった。

「クラスが再編されたことを機に、この新生・PN1で最初のチャンピオンになりたいという気合いを持って臨みました。そんな矢先にヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップの存在を、アルボーの柴田優作さんからお聞きして登録したのですが、このこともやる気をさらにアップさせましたね」

こうして臨んだ2015年は、前述のとおりシリーズ3勝を飾ってチャンピオンに輝いた。

「特にトライアルゾーン新潟、ここは不得意なコースでいつも裏切られていたのですが、今年は新潟の路面がスーパードライになる可能性があるということで、ADVAN A036を用意していきました。そうしたら見事に当たってスーパータイムを出せて、第3戦で今季2勝目を飾れました。そこからはノリノリで、勝てなかったときも表彰台はしっかりキープ出来たので、第9戦でチャンピオンを決めることが出来ました」

地区戦のダートトライアル選手として、堂々のスカラシップ最多得点となった古沢選手。表彰式と懇親会では、その和気あいあいとした雰囲気を楽しめたと語ってくれた。

「普段はなかなか会えないヨコハマタイヤのスタッフとお話し出来るのは嬉しいですね。また、同じダートトライアルでも地区戦と全日本ではなかなか交流する機会がありません。多くの人にとって谷田川敏幸選手や荒井信介選手は雲の上の存在ですが、そんな方々とお酒を交えてお話しできるというのは、とてもいい機会ですね」



大脇 理 選手 – 関東ジムカーナ選手権

スカラシップに登録したジムカーナ参戦ドライバーのうち、地区戦で最多のスカラシップポイントを獲得したのが、関東ジムカーナ選手権でチャンピオンに輝いた大脇理選手だ。大脇選手は改造範囲が非常に限られた小排気量エンジンを搭載する車両が覇を競い合うPN1クラスに参戦、シビアなイコールコンディションの激戦区で見事栄冠を手中におさめた。

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「スズキ・スイフトでPN1クラスに参戦しましたが、特に序盤戦では路面温度が季節的に低めで推移するなかで、優勝や準優勝を飾ってスタートダッシュを良いかたちで切れました。5月や6月になって暖かくなり路面温度も高くなると、ライバル勢が台頭してきてシリーズも難しい展開を一時は覚悟しました。しかし、後半戦に入って自分本来の調子を取り戻せたこともあり、チャンピオンを決めることが出来ました」

大脇選手のジムカーナ歴は12~13年というが、そのモータースポーツライフを大きく支えているのが、“ジムカーナ界のご意見番”とも称されるアルファの中村誠司代表の存在。全日本ジムカーナ選手権ではPN4クラスで岡野博史選手を擁して連覇を飾ったアルファ、中村代表自らも選手として競技会に出場しているのみならず、多くの選手や初心者にレッスンを行うなどしている。

「大学の時に練習会を年に2~3回走っていたのですが、本格的にジムカーナをやろうと決意してアルファさんの門を叩いて、チームSTPに加わりました。中村さんは先を見て動かれているので、車を入れ替える時は必ず相談しています。その上で『これに乗っていれば大丈夫』という中村さんのお墨付きをいただいているのですが、これまで車について失敗したことは一度もありません。いまのスイフトも元は山家丈夫選手が全日本選手権などで乗っていた車ですが、これへの乗り換えも中村さんにお世話になりました」

チャンピオンを獲得した大脇選手、その戦いにはスカラシップの存在も大きいと語ってくれた。

「今回、表彰されると聞いて、これはスカラシップの選手にとって大きなモチベーションになると感じました。エンジニアさんのお話しもお聞き出来ましたが、ぜひ他社のライバルをブッチ切れるタイヤを作り出してほしいですね(笑)。あとは、もう少し地区戦にも目を向けてもらえたら、と思います。2016年も必ずADVAN NEOVA AD08Rで走りますので、こういう機会にまた呼ばれるようにテンションを上げていこうと思います」