2015 Japanese Championship Champion Interview (3)

2015 Japanese Championship Champion Interview (3)

2015年のラリーとスピード行事で、全日本チャンピオンの称号を手中におさめた選手を紹介する特集の第3回。ここでは前回に続いて、全日本ジムカーナ選手権でチャンピオンに輝いたドライバーを紹介しよう。


工藤典史 選手 – 全日本ジムカーナ選手権 SA1クラス

全日本ジムカーナ選手権のSA1クラスは、選手層の厚さが特徴的なシーズンとなった。過去8回のタイトルを獲得、2011年から4年連続の王座でチャンピオン争いの本命と言われた斉藤邦夫選手が本命視された中、シーズンがはじまると若手の若林隼人選手が開幕戦で優勝。その後、前半4戦は毎回勝者が入れ替わるという展開になった。

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そんな中、ヘビーウェットとなった第2戦の鈴鹿で、2ヒートともにベストを刻んで優勝を飾ったのが工藤典史選手。開幕戦でも表彰台を飾っていた工藤選手は、第3戦のエビスと第4戦の名阪でもしっかり表彰台を獲得し、着実にポイントを積み重ねていく。そして第5戦のスナガワで、ライバル達をリードする2勝目をゲット。

そんな工藤選手を、若手の若林隼人選手が後半戦に入って追い上げる。第7戦の恋の浦では工藤選手にチャンピオン確定のチャンスがあったが、5位に留まったことから若林選手との一騎討ちでチャンピオン争いは最終戦の本庄へ。最終戦、天候と路面の変化に翻弄された工藤選手、対する若林選手もマシントラブルに苦しめられるというサバイバルな展開になったが、最後は入賞を飾った工藤選手が嬉しいチャンピオン獲得に成功した。


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CHAMPION DRIVER

工藤典史 選手 [SA1クラス シリーズチャンピオン]

今年は、本当にチャンピオンを獲りたいという思いで臨んだシーズンでした。自分は東北なので冬の間は全く車を走らせることが出来ません。そこで2月から車を中部に置いて、開幕と第2戦は自分が身ひとつで飛行機で移動するかたちで参戦しました。そういう早い段階からの取り組みも功を奏して、チャンピオン獲得につながったのではないかと思っています。そして2戦目の鈴鹿で初優勝して、そこからは「チャンピオンを獲れるかな」と思いながら、表彰台を逃さずに来られたことが結果に結びつきましたね。

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初優勝した第2戦は、自信を持って臨めた一戦でした。雪道育ちということもあって、半端な路面よりはヘビーウェットのほうが得意でしたし(笑)。そしてなにより、ADVAN A050のG/2Sコンパウンド、これを完全に信じて走れたことが大きかったですね。

SA1は選手層の厚い激戦区ですが、意外とプレッシャーは無かったんです。自分の場合は完全なプライベーターですから、とにかくシリーズを追うことに一所懸命で、プレッシャーを感じている暇も無かったですね。そんな中で王座を賭けて臨んだ第7戦・恋の浦では、第1ヒートでミスコースをしてしまい。「九州まで来て、これかよ……」という落胆もありましたが、そこから背伸びをしても仕方ないと思いなおして。長くジムカーナを続けてきたことで、その辺の気持ちの切り替え方は会得しているので、心機一転で最終戦に臨みました。

その最終戦は第1ヒートをウェットセッティングで行ったのですが、まさか第2ヒートがドライになるとは思っていませんでした。G/2Sコンパウンドは曇りぐらいのコンディションなら許容範囲のうちだろうと思っていたのですが完全に晴れてしまって、「これはマズイぞ」と。ある種、諦めの境地にもなったのですが、そこはまた気持ちを切り替えて臨んだ結果、最後はチャンピオンを獲ることが出来ました。

今年は完全なプライベーターだったので、ガレージには屋根もありませんでした。来年はちゃんとした屋根をつけて、もう少ししっかりした体制を整えて連覇を目指していきたいと思っています。



UPDATE : 13.Nov.2015