All Japan Student Automobile Asociation Dirt-Trial (3)

全国から集まった大学の自動車部、若い面々が熱い戦いを繰り広げた全日本学生ダートトライアル選手権大会。この大会にゲストとして参戦したのが、2014年の全日本ラリー選手権でもチャンピオンを獲得している、日本を代表するトップラリーストの奴田原文雄選手だ。奴田原選手に学生時代のモータースポーツに関する思い出を語っていただくとともに、現役学生たちへのエールを贈ってもらい、この特集企画を締めくくろう。


モータースポーツを始めたのは学生時代 – 奴田原文雄選手

今回は大学自動車部にとっての“甲子園”とも言えそうな、全日本学生ダートトライアル選手権大会にゲストとして声をかけていただきましたが、こうした大会には初めて来ました。私が住んでいる北海道で行われている学生の大会には足を運んだことがありますが、全日本というのは初めてですね。

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私自身も大学生の時にモータースポーツを始めたのですが、うちの学校には自動車部が無かったんです。もし自動車部があれば、入部していたかもしれませんね。私のモータースポーツデビューは大学3年の冬、スノートライアルのクローズドクラスにKP61型・トヨタスターレットで参戦しました。やはり学生時代はお金も無いので、車を所有して維持するだけで精一杯。競技に出るまではなかなか至らなかったですね。

その点、自動車部に入っていれば部の車で練習や競技参戦が出来ますし、なにより仲間がたくさんいることで刺激を受けたり、盛り上がりながら目標を持ってモータースポーツに取り組めますよね。私はそういう経験が無いので、今日この会場を見ていても楽しそうでいいですよね。

今日は同乗走行もしましたが、学生のみなさんにとってこの体験が何かの刺激になればと思っています。自分の学生時代を振り返ってみても、こういう本格的な競技車両や選手というのは、雲の上の存在みたいなところがありますよね。間近に見るだけで「凄いな!!」と思えるような。そういう憧れのようなものは、自分もモータースポーツを一所懸命にやっていこうと思うひとつの原動力になると思います。

今日の経験、そして自動車部で得た知識や仲間たちは財産になると思います。学生のみなさんにはこれからも頑張ってほしいですし、社会人になってもモータースポーツを続けて行ってほしいですね。

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車ってこんな動きをするんだ!! – 中央大学 蒔田亮子さん

今回の大会で行われた、奴田原文雄選手による同乗走行。全日本ラリー選手権を戦う「ADVAN-PIAA ランサー」のナビシートで迫力ある走りを体験された学生の中から、中央大学の蒔田亮子さんにお話しをお聞きした。

「私は入学したときから自動車部ですが、きっかけは見学のときに運転練習をさせてもらって、ここで初めて車を運転したのです。それまでは車が大好きというわけではなかったのですが、自分で運転したら楽しさに目覚めました(笑) そうして入部して、いまは学生選手権のジムカーナとダートトライアル、フィギアに出場しています」

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男子学生に負けない走りを見せた蒔田さん。周りの友達や親御さんの反応は、どんなものなのだろうか?

「まわりの女性の友達には、さすがにモータースポーツをやっているという人はほとんどいません。でも、みんなから『凄いね』と言われています。親からは危ないから止めろなんて言われることはなくて、『もっと頑張れ』と応援してもらっています」

今回は奴田原選手の走りを間近に体験した蒔田さん。その感想は?

「隣に乗せていただいて、『車って、こんな角度で進んで行けるんだ!!』とビックリしました。もう、次元があまりにも違いすぎて。でも、本当に楽しいですよね、貴重な経験になりました」

最後に蒔田さんにモータースポーツの楽しさと、これからの目標をお聞きしよう。

「モータースポーツはスピードを出せることと、車ってこんな動きをするんだ、という発見があることが楽しいですね。直近の目標は全日本総合杯を獲得すること、そのあとは後輩の指導を頑張っていきます。あと、ドリフトも好きなんですけれど、AE86に乗っているのでドリフトもやっていきたいですね」



今回はヨコハマタイヤを装着するチームが好成績をおさめた、全日本学生ダートトライアル選手権大会。ヨコハマタイヤはこれからも、若き学生のみなさんのモータースポーツを応援していきます。