61th. MACAU GRANDPRIX =Thursday Report=

61th. MACAU GRANDPRIX =Thursday Report=

今年で61回目を迎える伝統の市街地レース、2014マカオ・グランプリ。ガードレールと石垣に囲まれた、全長6km以上の長い市街地コースを舞台に、世界各国から集った明日のトップドライバーを夢見る若手ドライバーたちによって繰り広げられる、この世界的なモータースポーツのビッグイベントにおいて、ヨコハマタイヤは1983年よりワンメイクタイヤの供給を開始。32年目となる今年も、メインレースとなるF3はもちろん、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)、GT ASIAにおいてはワンメイクタイヤを供給、さらにタイヤコンペティションのあるツーリングカーレースでも、ヨコハマタイヤは多くのユーザーの足元を支えることとなっている。
いよいよ11月13日の木曜には、午前7時15分からのWTCCを皮切りに、ツーリングカー、F3など、各カテゴリーの走行初日を迎えた。


Macau Road Sport Challenge

午前10時からプラクティスセッションが行われたのは、日産GT-Rやミツビシ・ランサー、レクサスIS F、さらにはメルセデス-ベンツやロータスなど、各国のスポーツカーが集う「Macau Road Sport Challenge」。36台のエントリーのうち、23台がヨコハマタイヤを履いてのコースインとなった。

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開始6分、いきなり山側のポリスコーナーでレクサスIS Fで参戦の飯田章選手がタイヤバリアにクラッシュするアクシデントが発生も、セッションはそのまま続行。序盤はニッサンGT-R34を駆るライ・キット・メン選手、ランサー・エボリューションIXのヤム・チ・ユェン選手らが首位の座を争う。

その後、開始17分でランサー・エボリューションIXのレオン・イアン・ヴェン選手が2分41秒831をマークしトップに立つが、 午前10時20分にはランサー・エボリューションXをドライブするウォン・ワン・ロン選手が、2分40秒695にトップタイムを塗り替える。しかし、その2分後、山側で3番手につけていたヤム・チ・ユェン選手のランサーがコース上でストップ。このためセッションは赤旗中断となる。

セッション再開後、午前10時35分にはマツダRX-8でエントリーの谷川達也選手が2分39秒650でトップに立つも、ラスト3分でタイムアップしたランサー・エボリューションXのウォン・ワン・ロン選手が2分38秒126でトップタイムを獲得。2番手にランサー・エボリューションVIIのロー・カイ・フン選手、谷川達也選手は3番手。トップ3をヨコハマタイヤユーザーが占める結果となった。



Macau GT Cup

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ヨコハマタイヤワンメイクのGT ASIA最終戦として開催される「Macau GT Cup」。しかし、このレースにはDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)やポルシェ・スーパーカップなど、世界各国のハイレベルなツーリングカーレースから多くのドライバーがスポット参戦、他社製タイヤを履くマシンも含め、36台が集結。そのうちヨコハマタイヤユーザーは30台を数える。

この日は30分間のプラクティスセッションが午後0時35分から行われたが、開始9分のところで山側でクラッシュが発生し、セッションは赤旗に。この時点ではメルセデス-ベンツSLS AMG GT3を駆るマロ・エンゲル選手が2分24秒623で3番手につけ、同じくメルセデス-ベンツSLS AMG GT3のレンガー・ヴァン・ダ・ザンデ選手が4番手。

セッションは午後0時55分に残り10分で再開されたが、残り4分のところでマロ・エンゲル選手が2分20秒976でトップに浮上。エンゲル選手はそのまま他社製タイヤユーザーを抑えてセッショントップを奪い、同じくヨコハマタイヤユーザーのレンガー・ヴァン・ダ・ザンデ選手も4番手でチェッカーを受けることとなった。



Macau Touring Car Cup

ミニ・クーパーやプジョー、フォードなどのコンパクトスポーツが覇を競う「CTM Macau Touring Car Cup」。こちらもタイヤコンペティションがあるものの、34台のエントリー中30台と、圧倒的多数のヨコハマタイヤユーザーがエントリーしている。

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約20分遅れで午後1時15分に始まったプラクティスセッション。開始9分のところでプジョーRCZを駆るヤン・チュク・ワイ選手が2分51秒066の好タイムをたたき出してトップに立つと、午後1時35分にはさらに2分50秒543へとタイムアップ。

ヤン・チュク・ワイ選手は、この後2分48秒047にまでタイムを短縮、終始2番手につけたチャロエンサカワタナ・ナッタブード選手に約2秒差をつけてセッションをリードするが、残り5分となったところでメルコヘアピンでクラッシュが発生。セッションは赤旗中断のまま終了となり、ヤン・チュク・ワイ選手、チャロエンサカワタナ・ナッタブード選手、チョウ・ケン・クアン選手のヨコハマタイヤユーザーがトップ3を占める結果となった。



WTCC (FIA World Touring Car Championship)

ヨコハマタイヤがシリーズを通じてワンメイクタイヤを供給する、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)の最終戦となる今回。走行初日となった木曜は、午前にテストセッション、午後にプラクティス1回目が行われた。

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薄曇りとなった午前7時15分、全レースの先陣を切る形で行われた25分間のテストセッション。今季導入された新型車両であるTC1マシンでの初のマカオ走行となる中、大きなアクシデントもなくセッションが進行。既にタイトルを手中にしているシトロエン勢と、ホンダ勢が上位を争った結果、ラスト2分でトップに立ったイヴァン・ミューラー選手(シトロエン)をラストラップにかわし、ホンダ・シビックを駆るノルベルト・ミケリス選手が2分27秒708でトップタイムを奪う。

午後1時55分からのプラクティス1回目は30分間。しかし、他のセッションでの赤旗中断などのため、午後2時08分のスタートとなった。

このセッション、最初に2分30秒を切ったペペ・オリオラ選手 (シボレー)がトップに立ち、これにガブリエーレ・タルクィーニ選手、ノルベルト・ミケリス選手のホンダ勢が続く展開となったが、午後2時15分に山側セクションでヒューゴ・ヴァレンテ選手がクラッシュし赤旗中断に。

午後2時24分、残り22分でセッションはリスタート。ティアゴ・モンテイロ選手(ホンダ)、ノルベルト・ミケリス選手、さらには既にチャンピオンを獲得しているホセ・マリア・ロペス選手(シトロエン)らがトップタイムを塗り替える展開となったが、午後2時37分に2分27秒216をたたき出したガブリエーレ・タルクィーニ選手がトップタイムを獲得。ティアゴ・モンテイロ選手が2番手に続き、ホンダ勢がワン・ツー。3番手にシトロエンのホセ・マリア・ロペス選手となった。



Formula3 Macau Grand Prix

ヨコハマタイヤが全車にコントロールタイヤを供給、各国のF3トップコンテンダーが覇を競う「Formula3 Macau Grand Prix」は、この日は40分間のフリー走行に続き、午後には同じく40分間の公式予選1回目が行われた。

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タイヤバリア修復作業のため、50分遅れの午前11時45分にスタートしたフリー走行1回目。まずは来季F1へのステップアップが決まっているマックス・フェルスタッペン選手から計測ラップを刻み始めるが、開始5分で早くも上位陣のラップタイムは2分18秒台へ。さらに午前11時56分にはアントニオ・ジョバナッツィ選手が2分16秒514にまでタイムを上げ、トップに立つ。

午後0時01分、ルーカス・オーヤー選手が2分16秒468にトップタイムを塗り替え、2分15秒334までタイムを上げるが、午後零時04分にはトム・ブロンクビスト選手が2分14秒835をマーク。しかし、山側でクラッシュが発生し、セッションは午後零時12分に赤旗に。その後、セッション再開後にタイムを2分14秒645まで上げたルーカス・オーヤー選手がこのセッションのトップを奪った。

相変わらずの曇り空の下、午後3時25分から行われた公式予選1回目は、赤旗中断もなく比較的安定したセッションとなった。

序盤、マックス・フェルスタッペン選手が早々に2分14秒台に突入も、アタックの手を緩めずラップ毎にタイム更新を続け、2分12秒862にまでタイムを刻むが、午後3時41分にルーカス・オーヤー選手が2分12秒788で逆転。さらにトム・ブロンクビスト選手が2分12秒578で トップに立つ。

トム・ブロンクビスト選手は、最終的に2分11秒922にまでタイムを上げて、予選1回目のトップタイムを獲得。2番手にはアントニオ・ジョバナッツィ選手が続き、3番手は終盤にタイムを上げたマカオ初参戦のニック・キャシディ選手となった。

金曜日もフリー走行2回目と予選2回目が行われ、予選1回目と2回目の総合結果により、土曜日に行われる10周の予選レースのグリッドが決定することとなっている。