2017 JRC Round 1 Report

【全日本ラリー選手権 第1戦/群馬県嬬恋村】

14年ぶりに全日本選手権で復活したウィンターラリー、
JN2クラスでは猪股寿洋選手組が優勝を飾った!!

JRC Round 1

開催日 2017年2月2日-5日
開催場所 群馬県嬬恋村 近郊
天候LEG1) 晴れ、LEG2) 晴れ、LEG3) 曇り 一時 雪
路面 ターマック(舗装路面) ※アイス&スノー
総走行距離 410.754km
SS総距離 86.326km (20SS) ※SS19はキャンセル
得点係数 1.0 (舗装路50km~100km)
参加台数 27台 (全日本選手権)
(ヨコハマタイヤ装着車 10台)
全日本ラリー選手権 第1戦

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2017年の全日本ラリー選手権は、他カテゴリーに先駆けて開幕を迎えた。群馬県嬬恋村を舞台に開催された「Rally of Tsumagoi」は、全日本選手権において14年ぶりとなるスノーラリー。2003年に北海道で開催された「2003 THE SNOW IN 北海道」以来となるスノー&アイス路面で競われる。

本大会ではインター格式として日本スーパーラリーシリーズ(JSR)、ならびに東日本選手権を併催。全日本選手権とJSRは金曜日から日曜日までの3LEG制となり、全日本では3日間それぞれにデイポイントも付与されるため満点優勝では29点を獲得出来ることとなる。

タイヤは全日本選手権については規則により、モータースポーツ用スタッドレスタイヤと言われる銘柄の使用が禁止された。条文で「日本国内で市販されている一般用スタッドレスタイヤに限り使用可能」と明記され、ヨコハマタイヤ勢は全国の店頭で売られており誰もが購入出来る「ice GUARD 5 PLUS」などを装着して戦いに臨んだ。

アイテナリーは、3日間で20のSS(スペシャルステージ)を設定。夏のモントレーでもお馴染みの大前須坂やパノラマラインなどが、地元の協力によって除雪されて戦いの舞台となる。また、初日の金曜日は18時以降にSS1がスタート、SS5までをナイトステージで戦う点も大きな特徴だ。

雪と氷に覆われた路面を中心に、ところによっては舗装も顔を覗かせている難しいコンディション、さらにリピートステージでは磨かれたアイスバーンという中で、好走を見せたのがJN2クラスの猪股寿洋選手/大野靖春選手組(トヨタ・86)。金曜日のオープニングステージからベストタイムを連発してリードを拡げていく。これを追ったのが山本悠太選手/藤田めぐみ選手組(トヨタ・86)だったが、スタックを喫して3分のペナルティを受けてしまう。

土曜日のLEG2では先行する猪股選手組と追う山本選手組がシーソーゲームを展開、互いにベストを奪い合って山本選手組が巻き返しを図る。しかし日曜日のLEG3、SS14「Aisainooka 1」で山本選手組は痛恨の2回目となるスタック。対する猪股選手組は安定した走りでフィニッシュまでマシンを運んで嬉しい優勝を飾った。

今回2台の参戦ということで全日本選手権としては不成立となったJN5クラス、こちらは能戸知徳選手/田中一弘選手組(プジョー・208 GTi)がマシントラブルを抱えながらも力走を重ねてフィニッシュ。

また、JN3クラスでは唐釜真一郎選手/新井祐一選手組(マツダ・デミオ)が4つのSSでステージベストも記録して準優勝、南野保選手/ポール・サント選手組(マツダ・デミオ)が最後に逆転で3位となり、ヨコハマタイヤを装着するデミオ勢が表彰台を飾ることに成功した。

なお、JN6クラスについては競技会審査委員会に出された抗議の裁定に対して、JAFモータースポーツ審査委員会への控訴が提出されたため、結果の発表は後日となっている。

DRIVER VOICE

猪股寿洋 選手 [WAKOS☆PIAA☆BRIG☆YH 86]

【今回の成績 : JN2クラス 優勝】
開幕戦で優勝できて、とても素晴らしいシーズンのスタートを切れたと思っています。常に気を抜くことなく走ってきて、最終的には生き残った者が優勝という結果になりました。途中まで山本選手組とステージ毎に勝ったり負けたりを繰り返しながら戦えたことは、とても有意義だったと思っています。

能戸知徳 選手 [TEAMCERAM PEUGEOT208]

【今回の成績 :JN5クラス 優勝】
大会を通じてマシンが完調ではなく、常にチェックランプ(警告灯)が点いている状態という我慢の走りになりました。それでも最後まで走りきることが出来てホッとしています。

唐釜真一郎 選手 [エムスポーツ YH デミオ 青]

【今回の成績 :JN3クラス 2位】
初日から気合いを入れていったのですが、3本くらいで差をつけられてしまって……。セッティングがいまひとつで何度か危ない場面もあったのですが、無事にフィニッシュ出来て良かったです。ただ、やっぱり振り返ってみると悔しい一戦になりましたね。

TECHNICAL INFORMATION

LEG1とLEG2は天候も安定していたが、最終日のLEG3は雪が降ったことでコンディション悪化からSS19がキャンセルされた「Rally of Tsumagoi」。最低気温はマイナス10℃ほどまで下がるが、天候に恵まれた土曜日のLEG2は日中の気温がプラス5℃ほどまで上昇、この気温変化により路面の雪や氷が解けて日暮れから夜にかけて再び凍るという路面変化の大きい一戦となった。

クルーには路面状況の的確な見極めが求められたが、「ice GUARD」は刻々と変化していく冬道で高いパフォーマンスを発揮。14年ぶりの全日本選手権におけるスノーラリーで、ヨコハマタイヤ勢の走りをしっかりと支えた。