2016 SUPER FORMULA Round 1 Report

【SUPER FORMULA 第1戦/鈴鹿】

いよいよ開幕の全日本スーパーフォーミュラ選手権・鈴鹿、
2013年王者の山本尚貴選手が完璧なレースでポール・トゥ・ウイン!!

SUPER FORMULA Round 1

開催日 2016年4月23日-24日
開催場所 鈴鹿サーキット
(三重県)
天候 曇り
路面 ドライ
決勝周回数 43周
(1周=5,807km)
参加台数 19台
SUPER FORMULA 第1戦

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今シーズンからヨコハマタイヤがワンメイクタイヤを供給するアジア最高峰のフォーミュラカーレース「全日本スーパーフォーミュラ選手権」が、4月23~24日に鈴鹿サーキットで開幕。2013年のシリーズチャンピオンである山本尚貴選手(TEAM 無限)が、ポール・トゥ・ウインで開幕戦の覇者となった。

22日(金)の午後に設けられた1時間のフリー走行、そして23日(土)午前の1時間のフリー走行を経て、同じく土曜日の午後2時からスタートした公式予選。20分間のQ1ではジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手が終盤にスピンを喫し赤旗となったことも影響し、なんとディフェンディングチャンピオンの石浦宏明選手(P.MU/CERUMO・INGING)、中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)が脱落。さらに続くQ2でもスプーンで中嶋一貴選手(VANTELIN TEAM TOM’S)がスピン、またしても赤旗が提示され、中嶋一貴選手、アンドレ・ロッテラー選手(VANTELIN TEAM TOM’S)といった中心ドライバーたちが次々姿を消すこととなってしまう。

しかし最後のQ3では波乱は収まり、国本雄資選手(P.MU/CERUMO・INGING)、ルーキーの関口雄飛選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、先日のF1デビューでのポイント獲得が記憶に新しいストフェル・バンドーン選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)らを抑え、山本尚貴選手が1分37秒459でポールポジションを奪うこととなった。

穏一夜明けた日曜日は、前日よりもやや雲が多い空模様となったが、午後3時19分に43周の決勝レースがスタート。まずはポールポジションの山本選手が飛び出し、これに国本選手、バンドーン選手が続くが、4番手につけた関口選手は、フォーメーションラップのスタート時にエンジンストールに見舞われた際に受けたメカニックによる再始動が手順違反となり、早々にペナルティーストップを科せられ上位争いから脱落してしまう。

トップの山本選手がじりじりと独走態勢に持ち込む中、10周あたりからピットインを行うマシンが出始める。ここでは給油のみでのピットストップ時間を短縮するタイヤ無交換作戦を選択する陣営と、通常通り給油と4輪交換を行う陣営とに分かれることとなったが、予選で後方に沈んでいたオリベイラ選手は4輪交換を行いながらも貪欲に追い上げを図る。

レース中盤にはタイヤを換えてピットアウトした小林可夢偉選手のリアタイヤが脱落するなど、予想外のアクシデントも発生。しかし、上位陣は安定したラップを刻みつつピットインを引っぱり、勝負は終盤戦に突入。32周目、トップの山本選手と3番手のバンドーン選手が同時にピットイン。両者ともにタイヤ無交換作戦を選択し、給油のみでピットアウト。ここで山本選手はトップを死守することに成功したが、33周目にピットに入った2番手の国本選手もタイヤ無交換作戦を採り、バンドーン選手の前に復帰しこちらも2番手を譲らないままレースは残り10周に。

しかしそのまま波乱は起きず、山本選手が完璧なレースでヨコハマタイヤのトップフォーミュラ復帰初年度である今シーズン開幕戦を見事ポール・トゥ・ウイン。2位に国本選手、3位にはバンドーン選手が入った。

ENGINEER VOICE

秋山一郎 [ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル 開発本部長]

やはりこのカテゴリーは素晴らしいチームとドライバーが多く、我々のタイヤをうまく週末を通じて使いこなしてくれた、というのが開幕戦を終えた感想です。43ラップずっと緊張してレースを見守っていましたが、とにかくホッとしましたね。

渡辺晋 [ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル SUPER FORMULA開発統括]

今回持ち込んでいたのは前回の岡山テストと同じスペックのタイヤでしたが、今週末は気温、路面温度ともにそれほど高くなく安定しており、タイヤに厳しいことで知られる鈴鹿ながら、想定外のタイヤのヒートアップもなく、フリー走行の時からヨコハマタイヤは安定していたと思います。ドキドキしながら開幕戦を迎えたのですが、今日のレースでは、上位陣はほとんどがタイヤ無交換で走り切ったマシンで、4輪交換の最上位は5位の塚越広大選手(REAL RACING)でした。リアのみ2本交換などもありましたが、この開幕戦で現状のスペックで鈴鹿を走れるということが検証出来ましたので、これをベースとしてさらに上を目指して開発を続けて行きたいと思います。

次戦は岡山大会ですが、ここでも同じスペックのタイヤで臨む予定です。今回ドライでの決勝を確認出来たので、次はレインでのレースも見てみたいですね。