About 2016 Japanese Rally Championship


先進国から新興国まで、世界各地で盛んに開催されているモータースポーツがラリー。WRC(FIA世界ラリー選手権)を筆頭に、アフリカ、アジア-パシフィック、南アメリカ(CODASUR)、ヨーロッパ、中東、中央アメリカ南部(NACAM)といった各エリア選手権にもFIAタイトルが賭けられている。もちろん日本国内でも各地で開催されているが、その中で国内最高峰に位置するのが全日本ラリー選手権である。

[Photo]

2016年も前年同様に、全国9大会で競われる全日本ラリー選手権。そのうち6大会がターマック(舗装路)、3大会がグラベル(非舗装路)となる。それぞれ、林道などを封鎖して設けられたSS(スペシャルステージ)と呼ばれる区間での速さを競い合い、さらに要所要所に設けられたポイントに指定された時間に到着することが求められる。こうして大会期間中に設けられたSSのタイムを合計し、ペナルティを加算した最終的なトータルタイムで速さを競い合う。近年はTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジのような入門カテゴリーも賑わいを見せており、国内最高峰の全日本ラリー選手権への注目度も高まっていると言える。

マシンはリエゾンと呼ばれる移動区間は一般車両と一緒に公道を走行するため、保安基準を満たしたナンバープレート付となる。エンジン排気量などを基準にJN6からJN1まで6つのクラスに分かれているが、2016年は区分基準が一部見直された。トップクラスとなるJN6は4輪駆動ターボエンジン車が覇を競い合っており、2015年はヨコハマタイヤ装着車が2年連続でチャンピオンを獲得した。


タイヤ・インフォメーション

全日本ラリー選手権はターマック(舗装路)とグラベル(非舗装路)の大会、それぞれでタイヤを使い分けることになる。グラベルについては「ADVAN A053」が中心となり、ヨーロッパで鍛えられたパフォーマンスを、日本のラリーでも遺憾なく発揮している。これに状況に応じて軟質路面用の「ADVAN A031」や超硬質路面用の「ADVAN A036」を用いるケースもあるが、基本的には対応領域幅の広い「ADVAN A053」を使うのがスタンダードな戦い方だ。

[Photo]

ターマックについては2016年から、タイヤに関する規則が大きく変更された。具体的には「接地面を1周する複数の縦溝を有し、スリップサインが出るまで縦溝は維持されていること」という規定が設けられた。これは近年の世界的なターマックラリーのハイスピード化が背景にあり、特に日本国内では夏場を中心とする“ゲリラ豪雨”などの天候/路面コンディション変化に伴う事故の発生も懸念されていた。こうした背景からターマックラリーのアベレージスピードを低くする方策の一環として、タイヤ規則が変更されたのである。

また、2015年からRR車両規定も導入され、海外のラリーで台数を増やしているFIA(国際自動車連盟)が公認するグループR(R1~R3)も全日本選手権に出場出来るようになった。こうした背景もあって近年は全日本選手権への輸入車の参戦も増加傾向を見せており、特に2016年のJN5クラスは豊かな顔ぶれの輸入車が注目を集めることになりそうだ。

UPDATE : 29.Feb.2016