【全日本ダートトライアル選手権 第7戦~第8戦】
第7戦の舞台は、2年ぶりに全日本選手権のカレンダーに復活した福井県のオートパーク今庄。カレンダーは9月に入ったものの残暑は厳しく、土埃の対策として1ヒートにつき3回という異例の多さで散水が行われた。しかし、特に気温も上がった第2ヒートは早々に路面は乾く展開に。そんな中でヨコハマタイヤ勢が9クラス中7つのクラスで優勝を飾って強さを見せた。
Dクラスは谷田川敏幸選手(WRX STI)がチャンピオンを賭けて臨んだが、第1ヒートでは痛恨のシフトミス。対する河内渉選手(ランサー)は、谷田川選手とともに乾いてきた路面を見越してADVAN A036でスタート、こちらは1分23秒460のオーバーオールベストを叩き出す。
その後、第2ヒートでは散水の影響が先程より強く残り、谷田川選手は1秒近くタイムアップするも河内選手のベストには届かず。河内選手が今シーズン3勝目を飾ったが、谷田川選手も準優勝となったため、2位の獲得回数によりこの時点で最終戦を残して谷田川選手の4年連続Dクラスチャンピオンが決定した。
このほか、開幕から毎回優勝者が入れ替わってきたPN1では、宝田ケンシロー選手(スイフト)が値千金の2勝目を獲得。タイトルに向けて大きな一勝を挙げることに成功した。同様にSA1の中島孝恭選手(インテグラ)もタイトルに王手をかける優勝を飾った。また、PN2、N2、SA2、SC1の各クラスでも、ヨコハマタイヤ勢が表彰台の真ん中に立つ一戦となった。
2016年の全日本ダートトライアル選手権、最終戦の舞台は広島県のテクニックステージタカタ。この地で最終戦が開催されるのは2年ぶり、ヨコハマタイヤ勢からも多くの選手がチャンピオンを賭けて戦いに臨んだ。
スケジュールはいつものように、土曜日が公開練習で日曜日が決勝となる。しかし今回、金曜日に強い雨が降り、路盤は水を含む状態で週末を迎えた。また、大会に先立って整備されたコースには多くの砂利が投入され、なかなかこれが掃けないことから路面の見極めが難しい展開ともなった。
ヨコハマタイヤ勢では既にDクラスの谷田川敏幸選手がチャンピオンを確定しているが、これに続いたのがPN1の宝田ケンシロー選手(スイフト)。ライバルよりも上位でフィニッシュすればタイトルという有利な条件だったが、しっかり3位表彰台を獲得してチャンピオンを決定、昨年の雪辱を果たした。
こちらも有利な条件で最終戦を迎えたSA1クラスの中島孝恭選手(インテグラ)、4位と表彰台には一歩届かなかったもののこれまでの積み重ねが功を奏して悲願のシリーズチャンピオンを手中におさめた。そしてSC2クラスの田口勝彦選手(ランサー)、こちらは優勝が唯一の絶対条件となった中、しっかり第2ヒートでトップタイムを叩き出して2年連続のチャンピオンを決定。ヨコハマタイヤ勢から、2016年は4人のシリーズチャンピオンが誕生したシーズンとなった。