【FIA世界ツーリングカー選手権 第23&24戦/ロサイル (カタール)】
WTCC Qatar
(Losail)
開催日 | 2015年11月27日-11月29日 |
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開催場所 | ロサイル・インターナショナル・サーキット (カタール) |
コース距離 | 5,380m | 決勝予定周回数 | 12周×2レース |
ヨコハマタイヤのワンメイクタイヤ供給10周年という節目を迎えた、2015年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)も、早いものでこの週末に最終戦を迎える。WTCCの最終戦は、発足した2005年からマカオで開催され続けてきたが、今年は舞台を中東に移した。WTCC初開催となるロサイル・サーキット、しかもこれまたWTCCでは初めてとなるナイトレースで競われることになる。
初開催コース、初ナイトレースと話題の多い最終戦だが、タイトル争いに関していえば既にシトロエンのホセ・マリア・ロペス選手が連覇を確定させている。こう記すと消化試合のようにも見えるが、ランキング争いは白熱している。特にシリーズ2位争いは前戦の結果によりセバスチャン・ローブ選手がイヴァン・ミューラー選手を抜いてポジションをアップ、シトロエンを駆る二人のフランス人ドライバーによる争いは最終戦でも目を離せない。
また、YOKOHAMAトロフィー争いは最終戦で勝負を決する展開となっている。トロフィー争いはノルベルト・ミケリス選手とメルディ・ベナニ選手の二人に絞られているが、両者のポイント差は僅かに7点。ハンガリー出身のミケリス選手に対して、モロッコ出身のベナニ選手にとっては広義では中東出身とも言えるだけにカタール開催に賭ける思いも強いものがあるだろう。マシンの側面でいえばシトロエンとホンダの争いでもあり、この一騎討ちも見どころのひとつだ。
カタールで英雄的なドライバーといえば、ナッサー・アルアティア選手だ。2006年にはP-WRC(FIAプロダクションカー世界ラリー選手権)でチャンピオンを獲得、ダカールラリーなどにも参戦しており、ラリーフィールドで世界的な活躍を見せているドライバーである。
そしてアルアティア選手は射撃選手という顔も持っており、オリンピックにカタール代表として何度も出場している。なかでも2008年の北京オリンピックでは、カタール選手団の旗手をつとめており、モータースポーツと射撃のふたつでカタールを代表するアスリートとして知られている。
ラリー出身のドライバーといえば、セバスチャン・ローブ選手の今シーズンの活躍はご承知の通り。さらに2011年の日本ラウンドには、P-WRCでチャンピオンに輝き、今年は全日本ラリー選手権でもチャンピオンを確定させた新井敏弘選手が参戦した。ともにレーシングドライバーと互角の勝負を繰り広げているだけに、アルアティア選手の走りにも期待が高まるところだ。
【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第22戦終了時点)】
順位 | No. | ポイント | ドライバー | 車両 | チーム |
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1 | 37 | 441 | ホセ・マリア・ロペス | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Citroen Total WTCC |
2 | 9 | 329 | セバスチャン・ローブ | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Citroen Total WTCC |
3 | 68 | 324 | イヴァン・ミューラー | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Citroen Total WTCC |
4 | 33 | 213 | マー・チンホワ | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Citroen Total WTCC |
5 | 2 | 191 | ガブリエレ・タルクィーニ | ホンダ・シビック WTCC | Honda Racing Team JAS |
6 | 5 | 172 | ノルベルト・ミケリス | ホンダ・シビック WTCC | Zengo Motorsport |
7 | 18 | 171 | ティアゴ・モンテイロ | ホンダ・シビック WTCC | Honda Racing Team JAS |
8 | 12 | 103 | ロブ・ハフ | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
9 | 3 | 96 | トム・チルトン | シボレーRML・クルーズ TC1 | ROAL Motorsport |
10 | 7 | 95 | ヒューゴ・ヴァレンテ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
11 | 25 | 95 | メルディ・ベナニ | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Sebastien Loeb Racing |
12 | 4 | 39 | トム・コロネル | シボレーRML・クルーズ TC1 | ROAL Motorsport |
13 | 10 | 38 | ニッキー・キャツバーグ | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
14 | 26 | 28 | ステファノ・ディアステ | シボレーRML・クルーズ TC1 | ALL-INKL.COM Munnich Motorsport |
15 | 46 | 16 | ヤープ・ヴァン・ラーゲン | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
16 | 47 | 6 | ニコラス・ラピエール | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
17 | 15 | 6 | ジェームス・トンプソン | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
18 | 27 | 6 | ジョン・フィリッピ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
19 | 29 | 5 | ネストール・ジロラミ | ホンダ・シビック WTCC | Nika Racing |
20 | 11 | 5 | グレゴアール・ドゥムースティエ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Craft Bamboo |
21 | 19 | 4 | リカルド・リデル | ホンダ・シビック WTCC | Nika International |
22 | 99 | 3 | ティン・スリトライ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
23 | 8 | 1 | サビーネ・シュミッツ | シボレーRML・クルーズ TC1 | ALL-INKL.COM Munnich Motorsport |
24 | 70 | 0 | マト・ホモラ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
25 | 98 | 0 | ドゥサン・ボルコビッチ | ホンダ・シビック WTCC | Proteam Racing |
26 | 14 | 0 | ミハイル・コズロフスキー | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
【YOKOHAMAドライバーズトロフィー・ポイントランキング (第22戦終了時点)】
順位 | No. | ポイント | ドライバー | 車両 | チーム |
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1 | 5 | 152 | ノルベルト・ミケリス | ホンダ・シビック WTCC | Zengo Motorsport |
2 | 25 | 145 | メルディ・ベナニ | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Sebastien Loeb Racing |
3 | 3 | 121 | トム・チルトン | シボレーRML・クルーズ TC1 | ROAL Motorsport |
4 | 7 | 103 | ヒューゴ・ヴァレンテ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
5 | 26 | 85 | ステファノ・ディアステ | シボレーRML・クルーズ TC1 | ALL-INKL.COM Munnich Motorsport |
6 | 4 | 69 | トム・コロネル | シボレーRML・クルーズ TC1 | ROAL Motorsport |
7 | 11 | 67 | グレゴアール・ドゥムースティエ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Craft Bamboo |
8 | 27 | 66 | ジョン・フィリッピ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
9 | 99 | 10 | ティン・スリトライ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
10 | 9 | 9 | ザビーネ・シュミッツ | シボレーRML・クルーズ TC1 | ALL-INCL.COM Munnich Motorsport |
11 | 98 | 5 | ドゥサン・ボルコビッチ | ホンダ・シビック WTCC | Proteam Racing |
12 | 70 | 4 | マト・ホモラ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
日本人にとっては1993年に行われたサッカーの国際試合における「ドーハの悲劇」でも知られている、カタールのドーハから北に位置するロサイル・インターナショナル・サーキット。2004年にオープン、2輪レースの最高峰であるMotoGPの舞台としてもお馴染みのサーキットコースである。
5,800万ドルを費やして建設されたコースは、全長5,380m。長いストレートが特徴の中高速レイアウトで、タイトな右ターンの1コーナーはひとつのパッシングポイント。特にスタート直後の1コーナー争いは見どころになるだろう。一方で周囲は裁くに囲まれているというロケーションであるために、風で運ばれてきた砂がコースに乗りダスティなコンディションになる可能性も。この場合、周回を重ねることで砂が飛び、レース中盤以降のグリップがあがってくることも予想される。つまり、オープニングラップの1コーナー争いで前に出たとしても、中盤以降で激しいプッシングを受ける可能性もあるということだ。