2015 WTCC Round 19&20 Report

【FIA世界ツーリングカー選手権 第19戦&第20戦/上海国際 (中国)】

シトロエン勢が優勝を分け合った中国ラウンド、
ロペス選手が二年連続王座に王手をかけた!!

WTCC Round 19&20

開催日 2015年9月25日-27日
開催場所 上海国際サーキット
(中国)
天候 第1レース:晴れ
第2レース:晴れ
路面 第1レース:ドライ
第2レース:ドライ
決勝周回数 第1レース:14周
第2レース:4周
(1周=4,603m)
2015 WTCC 第19&20戦

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日本のツインリンクもてぎを皮切りに、シリーズは終盤のアジア・中東ラウンドへと突入している2015年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。第19&20戦は中国の上海国際サーキットが舞台、4大会が行われるアジア・中東ラウンドの中では唯一、昨年も開催されたコースでの戦いとなる。

金曜日のテスティング、土曜日に2回のフリープラクティスと走行枠が設けられて、公式予選へと進んでいくタイムスケジュール。予選前の走行枠では各車種が上位争いを激しく展開、テスティングはホンダ勢がワン・ツー、フリープラクティス1回目はシトロエン勢とホンダ勢が交互にポジションを得てのトップ5、そして2回目はトップと5番手がシトロエンなれど、2位から4位までにシボレーRML勢が割ってはいるという展開に。

そして公式予選、ここで速さを見せたのはシトロエン勢とラーダ勢。最終のQ3には4台のシトロエンとラーダが1台進出、最終的に第1レース(第19戦)のポールポジションはシリーズリーダーのホセ・マリア・ロペス選手が獲得、2番手にホームレースとなるマー・チンホワ選手が入ってシトロエンがワン・ツー。そして3番手にはラーダのニッキー・キャツバーグがシトロエン勢に割ってはいる速さを見せた。以下、4番手はセバスチャン・ローブ選手、5番手がイヴァン・ミューラー選手と続いた。

好天の下で迎えた、第1レースの決勝。セカンドグリッドのマー選手が痛恨のミスで大きく出遅れた一方、ミューラー選手が2番手、ローブ選手が3番手へと躍進し、1コーナーをトップで制したロペス選手を筆頭にシトロエンが1-2-3フォーメーションを早々に構築した。

その後方ではジョン・フィリッピ選手(シボレーRML)のスピンをきっかけにアクシデントが発生、トム・コロネル選手(シボレーRML)やロブ・ハフ選手(ラーダ)、ガブリエレ・タルクィーニ選手(ホンダ)などがダメージを負い、最終的には戦線離脱を余儀なくされてしまった。そのうちコロネル選手のマシンがコース上で動けなくなってしまったため、セーフティカーが導入される。

6周目からレースは再開され、決勝は16周で競われることに。このリ・スタートでもシトロエン勢のフォーメーションは変わらず、終始レースをリードしたロペス選手がフィニッシュまでマシンを運んで今シーズン8回目となる優勝を飾り、シトロエン勢が表彰台を独占した。

また、YOKOHAMAトロフィーはメルディ・ベナニ選手が制し、こちらもシトロエンがウィナーとなった。なお、ラーダのニコラ・ラピエール選手については、レース後の再車検でターボの最大過給圧が規則に適合していなかったとして、レース除外とされた。

ふたつのサポートレースの決勝をはさんで、14時40分にスタートした第2レース(第20戦)。リバースグリッドによりポールポジションはヒューゴ・ヴァレンテ選手(シボレーRML)、セカンドグリッドにタルクィーニ選手、、3番手がフィリッピ選手、4番手にロブ・ハフ選手(ラーダ)と並ぶ。シトロエン勢の最上位は、5番グリッドのミューラー選手だ。

スタートはタルクィーニ選手を牽制しながら決めたヴァレンテ選手だったが、ターン1までにタルクィーニ選手が先行。しかしイン側を奪ったヴァレンテ選手がサイド・バイ・サイドに持ち込みターン2で先行。しかし、その直後にバランスを崩してしまい、タルクィーニ選手のみならずミューラー選手とローブ選手の先行をも許してしまう。これを再び力走でかわしてポジションを回復したヴァレンテ選手だったが、残念ながら最後はスピンからコースオフを喫して優勝争いからは脱落した。

目まぐるしいトップ争いが繰り広げられたオープニングラップを終えて、トップはタルクィーニ選手。これをミューラー選手、ロペス選手、ローブ選手が追う展開で周回は重ねられていく。そしてトップ争いに動きが出たのは9周目。

ストレートでタルクィーニ選手の背後を取ったミューラー選手は、最終コーナーでインからタルクィーニ選手をかわしてトップを奪う。タルクィーニ選手も背後につけて威嚇するが、10周目にターン1までにミューラー選手に主導権は引き渡された。そのままトップの座を守ってフィニッシュまでマシンを運んだミューラー選手が5勝目をゲット。タルクーィニ選手は最後にロペス選手から猛追を受けたが、これは振り切って準優勝を飾ることに成功した。

YOKOHAMAトロフィーはベナニ選手が第1レースに続いて制覇。これにより、トロフィーランキングをひとつあげて2番手とした。

DRIVER VOICE

ホセ・マリア・ロペス 選手 [Citroen Total WTCC]

【今回の成績 : 第19戦 優勝 / 第20戦 3位】
私は、ここにいる人々はもとより、私たちがサーキットに来ている間のファクトリーを守ってくれている人々など、シトロエン・レーシングのすべての人におめでとうといいたいですね。今回の中国は優勝と3位という結果でしたが、これによってミューラー選手との得点差が75点となったので、目標はなし遂げることができました。

イヴァン・ミューラー 選手 [Citroen Total WTCC]

【今回の成績 : 第19戦 2位/ 第20戦 優勝】
フリープラクティスでは苦労しましたが、最終的には予選でQ3まで駒を進めることができました。決勝についても、良い結果になりましたね。第2レースでは、スタートからタイヤマネージメントにも気をつかいました。ターン14の前、ストレートでのタルクィーニ選手の挙動を見て、ここが彼をパスする唯一の機会ではないかと思いました。そして、その機会を使うことがうまくできました。

TECHNICAL INFORMATION

中国・上海国際もWTCCの開催コースとして定着した感があり、各チーム/選手ともにデータの蓄積も有効活用して戦いに臨んでいた。そんな中でシトロエン勢が今回も速さを見せる結果となったが、第2レースを制したイヴァン・ミューラー選手のコメントでもタイヤマネージメントについて語られているように、余裕のある18インチタイヤのポテンシャルをさらに巧く使い切ることが、勝敗を分ける要素のひとつにもなったようだ。