今回、ヴィラ・レアルで初のFIA世界選手権として開催されるWTCC。1960年代にはフォーミュラ3も開催されたことがあるが、超接近戦が売りのWTCCだけにアグレッシブなレースへの期待が高まるところ。常設のサーキットコースとは違い、パッシングポイントが限られるうえにエスケイプゾーンがほぼ皆無でワンミスは大きなクラッシュにつながる可能性も高いストリートレース。WTCCでは発足初年度から必ずカレンダーに載せられてきたストリートレース、これを得意としているドライバーを検証してみよう。

2005年から11年目のシーズンを迎えているWTCCだが、これまでに開催されたストリートレースは23大会／46レース。過去、ポルトガルでもポルトで3大会を開催したことがある。この46レースにおいて、最も多くの勝利を挙げているドライバー、それは9勝を記録しているラーダのロブ・ハフ選手である。その次は8勝でアラン・メニュ選手、5勝でアンディ・プリオール選手とアウグスト・ファルファス選手と続き、現在もWTCCに参戦している選手で2番目に多い勝利を記録しているのはイヴァン・ミューラー選手の4勝となっている。

こうしてみると、ハフ選手が如何にストリートレースで強さをみせているかがおわかりいただけるだろう。ただし、ハフ選手の勝利をさらに細かく検証すると、9勝のうち実に5勝がマカオで記録されたもの。中でも2011年には2レースともに優勝という結果を残している。もっとも、ポルト、マラケシュ、ポーなどマカオ以外でも勝利をおさめているので、ストリートレースをもっとも得意とするWTCCドライバーであることに間違いはないだろう。

初開催コースということで、各選手の攻略法も注目を集めるポルトガル戦。パッシングポイントが限られるストリートゆえ、まずは予選で誰が上位グリッドを獲得するのか、フリープラクティスや予選からも目を離せない週末となるだろう。