About WTCC (FIA World Touring Car Championship)


F1やWRCと並ぶ、FIA(国際自動車連盟)による世界選手権のタイトルがかけられたシリーズのひとつがWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。市販車を改造したツーリングカーによる、スプリントレースの世界最高峰という位置づけのカテゴリーだ。フォーマットは1大会に決勝を2レース行い、その距離は1戦あたり50~60km。フィールドはF1も開催される国際レーシングコースから、一般公道を封鎖した特設コースによるストリートまで変化に富み、そこで繰り広げられる超接近戦こそがWTCCならではの醍醐味だ。

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戦う車両は、2014年に導入された新規定に基づくTC1車両。それまでのSUPER2000と比べてハイパワー化され、空力性能も格段にレベルアップ。これによってラップタイムも向上し、接近戦はハイスピード化したことから迫力あるレース展開が見られるようになった。そんな中で2014年からマニュファクチャラー参戦を開始したシトロエンが強さを見せるが、ホンダ、シボレー、ラーダといった面々も勝利を飾っており、個性的なトップドライバーとマシンの競演が観る者を魅了する。

2015年のカレンダーは、12大会/24戦で昨年同様。ただし開催地の変更が多く、ニュルブルクリンクなど新規開催地でのレース展開がどのようになるのか興味深い。日本ラウンドについても昨年までの鈴鹿サーキットからツインリンクもてぎにフィールドは変更され、こちらも各選手がどのように攻略してくるのか必見だ。


タイヤ・インフォメーション

2005年に発足した現在のWTCCだが、翌’06年から現在までワンメイクタイヤサプライヤーをつとめるのがヨコハマタイヤ。2015年はワンメイクタイヤ供給10周年という、記念すべき節目のシーズンとなる。ワンメイクタイヤ供給開始にあたってプロジェクトチームを設けて開発を進めたヨコハマタイヤ、この10年間でFIAや参加チームから寄せられる信頼は強固なものになった。

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WTCCは参戦コストの抑制にも力を入れており、タイヤについては2006年の供給開始から大きな仕様変更を行うことなく使われてきた。しかし2014年にTC1車両規定が導入されたことから、新たに開発した専用タイヤを投入。車両のパフォーマンス向上に対応して、サイズをそれまでの17インチから18インチに拡大。この新タイヤはポテンシャルの余裕も大きいため、各チームは空気圧などのセットアップでも自由度が増し、戦略に厚みが出たことからレースは一層エキサイティングで見応えのあるものとなった。

もちろん他のワンメイクカテゴリー同様に、イコールコンディションや安定した品質、そして確実な物流とサービス体制が求められる。これらについてはヨコハマタイヤの過去9シーズンにわたる実績が高く評価されており、世界を転戦するWTCCを足元で支える存在として“WTCCファミリー”の一員としての責任を果たし続けている。

UPDATE : 27.Feb.2015