2015 JGC Round 1 Report

【全日本ジムカーナ選手権 第1戦/岡山国際】

2015年の全日本ジムカーナ選手権が岡山国際サーキットで開幕、
ADVAN NEOVA AD08RがPN部門で2クラスを制覇!!

JGC Round 1

開催日 2015年3月7日-8日
開催場所 岡山国際サーキット
(岡山県)
天候 晴れ
路面 ハーフウェット~ドライ
参加台数 130台
(ヨコハマタイヤ装着車 34台)
2015 全日本ジムカーナ選手権 第1戦

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毎年、接戦が繰り広げられる全日本ジムカーナ選手権は、今シーズンも岡山国際サーキットを舞台に幕を開けた。昨年と同様に2本の長いストレートと大小合わせて13のコーナーがあるレーシングコースのうち、ホームストレートと6つのコーナーを使ってジムカーナコースを設定。ランサーエボリューションやインプレッサなどは4速まで入るレイアウトが採用されるハイスピードバトルが展開された。さらに今年は、昨年に比べるとメインストレート上に設置されたパイロンセクションが増えたため、レーシングコースならではの豪快な走りとともに、パイロンスラロームやターンといったジムカーナテクニックをどう両立させるかが、勝敗の鍵を握った。

昨年は雪がちらつくほど気温が低かった岡山国際サーキットだが、今年は気温こそそれほど低くはなかったものの、土曜日の公開練習は朝から雨。雨がやむ予報だった午後も降り続け、結果的に1日中ウエットコンディションとなった。しかし、決勝の日曜日は朝から陽が射し、気温も上がる絶好のジムカーナ日和に変化。第1ヒートこそ、前日の雨が残りコースの一部が多少濡れていたものの、第2ヒートは完全なドライコンディションに回復。第2ヒートが勝負どころになると予想した選手が多かったが、その予想に反して思うようにタイムが上がらなかったクラスもあった。

特に陽が傾き始めた時間帯以降に第2ヒートを走行したN3クラス以降は、第1ヒートと第2ヒートのタイムがそれほど変わらず、第1ヒートからしっかりとタイムを出す走りが要求される結果となった。そのため、路面温度が低い午前中のコンディションにマッチするADVAN A050のG/2Sコンパウンドと、路面温度が上昇した午後のコンディションにマッチするG/Sコンパウンドの選択に迷う選手も多く、特にSA1クラスではクラスのなかに両方のコンパウンドが混在。実際のところ、低温域に強いG/2Sコンパウンドと高温域に強いG/Sコンパウンドの特性がラップする温度域でもあり、それぞれのタイヤの特性に合わせた走りが必要とされる、ドライバーの経験値が求められるクラスともなった。

そんな難しい状況のなかで、今回が全日本ジムカーナ選手権デビューという最も経験値が少ない若手ドライバーが、SA1クラスで大金星を挙げた。今年で23歳という若林隼人選手は、第1ヒートにディフェンディングチャンピオン斉藤邦夫選手に0.02秒の差をつけるベストタイムをマークし、トップで折り返す。第2ヒートは、その若林選手がタイムダウンを喫してしまい、斉藤選手もこの機を逃すまいと猛追するが、タイムアップを果たせずゴール。若林選手が全日本戦初参戦で初優勝という快挙を成し遂げることとなった。2位が斉藤選手、3位にも東北のベテランドライバー工藤典史選手が入り、ヨコハマタイヤユーザーが表彰台を独占することとなった。

一方、今シーズンからの新規則により、日本自動車タイヤ協会の定めるJATMAラべリング規格、または欧州のグレーディング規格に適合するタイヤの装着が義務付けられたことで話題を呼んだPN部門では、ヨコハマタイヤユーザーはADVAN NEOVA AD08Rを装着。このADVAN NEOVA AD08Rは、2013年3月に新発売された時からすでに欧州グレーディング規格のころがり抵抗=F、ウエットグリップ=Bを取得しているタイヤで、いわばジムカーナのタイヤ規定が変わる以前からスポーツ性能と環境性能の両面を両立させているタイヤだ。新規則が導入された今年のPN部門でも、生まれながらにしてこの規格に適合しているADVAN NEOVA A08Rは、開幕戦からその高い戦闘力を存分に発揮した。

PN1クラスでは、昨年は2位が2回と着実に実力を伸ばしてきている勝野佑紀選手が、第1ヒートはパイロンタッチに沈むものの、第2ヒートに入ると見違えた走りを披露し、見事に全日本初優勝を成し遂げた。

さらに、強豪選手が移籍してきたことで激戦が予想されたPN4クラスでは、ディフェンディングチャンピオン岡野博史選手のテクニックが冴え渡り、2位に1秒以上の差をつける走りで圧勝。新規則が導入された今シーズンも、もともとその規格に適合しているADVAN NEOVA AD08Rが岡野選手のパイロンワークをしっかりと支えた。

DRIVER VOICE

勝野佑紀 選手 [ADVANスイフトWMエリアS]

【今回の成績 : PN1クラス 優勝】
今回は絶対に優勝するつもりで挑みました。特にシーズンオフにサスペンションのリセッティングを何度も行って煮詰めてきたのです。そのおかげで、クルマは今までにないくらいの仕上がりになりました。もちろん、初優勝ですからものすごく嬉しいのですが、セッティングに関してはまだまだ煮詰める余地はあるので、また見直してきたいと思っています。タイヤはADVAN NEOVA AD08Rを装着しましたが、昨年1年間走ってみてどのコースでも、どんな条件でもしっかりとグリップしてくれることが分かっていたので、タイヤを信頼してアクセルを踏めたことが勝因だと思います。

岡野博史 選手 [ADVAN リジット ランサー]

【今回の成績 :PN4クラス 優勝】
まずは1勝を挙げることができてホッとしたというのが正直な感想です。今年は強豪選手が移籍してきましたが、そう簡単に勝てる相手ではないので気を抜けません。第1ヒートもトップで折り返しましたが、ここで守りに入ったら逆転されると思ったので、第2ヒートはさらにタイムアップを狙って限界ギリギリの走りをしたつもりです。タイヤに関してはまったく不安はありませんでした。第2ヒートのスタート直後は少し滑ってしまいましたが、第1コーナーからしっかりとグリップしてくれて中間タイムもベストと、十分な性能を発揮してくれたと思います。最終コーナーはオーバースピードで派手にテールスライドしてしまいましたが、このような状況でもマシンをコントロールできたのも、ADVAN NEOVA AD08Rのコントローラブルな特性が効いたのだと思います。

若林隼人 選手 [ボレロ 若林自動車 CR-X]

【今回の成績 :SA1クラス 優勝】
全日本戦には初めて出場しましたし、自分は群馬の関越スポーツランドで練習してきたので、今回のようなハイスピードコースは経験がなく、目標はあくまで入賞でした。実際に走ってみて、ターンはもう少し速く旋回できると思っていましたから、まさか優勝できるとは思わず、もちろん嬉しいですが、正直ビックリしました(笑)。タイヤは4輪ともにADVAN A050のG/2Sコンパウンドを装着しました。自分はステアリングをジワッと切り込む走り方なのですが、そういう走り方にはヨコハマタイヤが合っていると思います。今回も狙ったラインを確実にトレースすることができました。実は弟も同じCR-Xでジムカーナをやっていて、しかも自分よりも速いのですが(笑)、次戦鈴鹿にはふたりでダブルエントリーするので、兄弟で入賞できるように頑張ります。

斉藤邦夫 選手 [ADVAN A050 シビック]

【今回の成績 :SA1クラス 2位】
若林選手のお父さんとは昔から一緒にジムカーナをやる仲でしたので、若林選手もよく知っているのですが、まさか負けるとは思いませんでした(笑)。ただ、タイヤの使い方という点でミスはあったかもしれませんし、タイヤへの負担が大きいコースなので、その点の見極めも甘かったのかなと思います。タイヤはADVAN A050のG/2Sコンパウンドを使用しましたが、G/Sコンパウンドと適正温度域が重なっている部分があるのでチョイスは迷いました。でも、確実に性能を発揮してくれましたし、自分がしっかりとタイヤの性能を使い切れば絶対に勝てると思っています。今回シフトミスをしたりタイムロスも多かったので、そこが反省点ですね。

天満 清 選手 [ADVAN ジール クスコ ランサー]

【今回の成績 :SA3クラス 2位】
コースは昨年よりもよりテクニカルなセクションが増えましたし、より面白いコースになっていたと思います。自分も楽しく走らせてもらいました。ただ、成績に関しては残念でしたね。特に第2ヒートは脱輪してしまったうえに最終のターンでパイロンを見失ってしまい、大回りしてしまったのが悔やまれます。タイヤはADVAN A050ですが、G/SコンパウンドとG/2Sコンパウンドで迷いました。使用したのはG/2Sコンパウンドでしたが、結果的には第2ヒートにかなり路面温度が上がったので、もしかしたらG/Sコンパウンドがマッチしていたのかもしれませんね。次の鈴鹿では頑張って優勝したいと思います。

FEATURED DRIVER

■PN1クラス : 藤井雅裕 選手

今大会では、PN1クラスに唯一マツダ・デミオで参加してきたのが、岡山県のお隣り広島県からエントリーしてきた藤井雅裕選手だ。

広島とマツダと言えば想像がつくように、藤井選手はマツダの社員でもある。藤井選手はジムカーナ歴8年ほどで、昨年から全日本PN1クラスにフル参戦しているが、今やPN1クラスはスイフトが主力マシン。排気量が小さいデミオでは辛い戦いが続いているが、昨年は北海道スナガワラウンドで3位表彰台も獲得。シリーズでは11位に終わったものの、愛社精神を持ってマツダ車で孤軍奮闘している。

「ジムカーナは会社の同僚がやっていて、自分とどっちが速いか勝負しようと言われて始めました。全日本戦は昨年初めて全戦出場しましたが、やっぱり全日本戦は華やかですし面白いですね。レベルが高い分、少しでもいいからどうやってポイントを獲得しようかと考えるのも楽しい。そういうことを体験してしまったので、今年も全日本を全戦追いかけたいと思っています」

また、藤井選手は今季から復活した「ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ」にも登録している。スカラシップ制度は上位入賞してポイントを貯めていくと、ポイント数に応じてタイヤの供給を受けられるというシステムだ。ADVAN NEOVA AD08Rの性能を活かして上位入賞を重ね、スカラシップによって藤井選手が多くのタイヤを獲得できるように期待したい。

【LINK >> ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ

TECHNICAL INFORMATION

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岡山国際サーキットは、本格的な国際レーシングコースということで、路面は完全なサーキット舗装という点が特徴だ。グリップが高い反面、タイヤへの負担も大きい。だが、そんななかでもヨコハマタイヤユーザーはしっかりと各クラスで上位入賞を果たした。

今回は第2ヒートに路面温度が上昇したが、特にADVAN NEOVA AD08Rはそんな条件にマッチし、AD08Rユーザーは多くが第2ヒートにタイムアップ。結果として4クラス中2クラスを制覇できた。今季よりPN部門に使用するタイヤは新規則への合致が条件となったが、ADVAN NEOVA AD08Rは元々欧州グレーディング規格を取得している。あくまで一般ユーザーが扱いやすい性格とし、全世界に向けたマルチな特性を持ったタイヤとするためだ。従ってコントロール性も良好で、今回の第2ヒートのように路面温度の急上昇にも対応できる柔軟性を持ったタイヤであることが、十分に証明された。