2015 SUPER GT Round 2 Report

【SUPER GT 第2戦/富士】

WedsSport ADVAN RC Fが2戦連続の7位入賞、
B-MAX NDDP GT-Rが劇的な展開で、2位表彰台へ!!

SUPER GT Round 2

開催日 2015年5月2日-3日
開催場所 富士スピードウェイ (静岡県)
天候 晴れ
路面 ドライ
決勝周回数 110周
(1周=4,563m)
参加台数 42台
(ヨコハマタイヤ装着車 24台)
2015 SUPER GT 第2戦

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ゴールデンウィーク真っただ中の5月2〜3日に、富士スピードウェイを舞台にSUPER GTシリーズ第2戦「FUJI GT 500km RACE」が開催され、終日好天の中、集まった計9万1500人もの大観衆が激しいバトルを満喫していた。

予選では、まずGT300クラスのQ1で「LEON SLS」を駆る黒澤治樹選手の2番手を筆頭に、ヨコハマタイヤユーザーは8台がQ2進出に成功。「B-MAX NDDP GT-R」の高星明誠選手が初めてQ2アタックを託されたにもかかわらず、1分37秒028を記録して2番手につけ、5番手には「LEON SLS」の蒲生尚弥選手が、そして「VivaC 86 MC」の松井孝允選手がルーキーとして初のQ2アタックながら7番手につけ、「グッドスマイル初音ミクSLS」の谷口信輝選手を僅差ながらも従えていた。

一方、GT500クラスでは「D’station ADVAN GT-R」がQ1担当の佐々木大樹選手が1分28秒849をマークして6番手でQ2進出を果たし、続いて走行のルーカス・オルドネス選手も28秒642まで短縮し、予選5番手を得た。しかし、「WedsSport ADVAN RC F」は関口雄飛選手が29秒616を記録するに留まり、Q1突破はかなわなかった。

決勝日となる日曜日も朝から好天に恵まれ、やや雲は出てきたものの、晴れの天候の中でスケジュールは進んでいった。スタート時間が近づくにつれ、富士スピードウェイの大きなグランドスタンドが大勢のファンで埋め尽くされていく中、静岡県警察のパトカーと白バイによるパレードランが行われ、その後、110周のレースのスタートが切られた。

15番手スタートとなった「WedsSport ADVAN RC F」は、スタートを担当した関口選手は、オープニングラップのうちに10番手までジャンプアップし、いったん順位を落とすことはあったものの、コンスタントな走りで2スティント合計72周を走破。ベテラン脇阪寿一選手との絶妙なコンビネーションで順位を上げて、7位入賞を果たすこととなった。

また、5番手グリッドからスタートした「D’station ADVAN GT-R」の佐々木大樹選手は序盤の接触によって、一時は順位を7番手に落としたものの、再び抜き返して6番手で周回を続け、なんとかポジションをキープしてオルドネス選手につないだ。しかしながら接触で受けたダメージは予想外に大きく、ピットでの修復を行う間に大きな遅れを背負ってしまう。厳しい状況の中、オルドネス選手はマシンをなだめ続けながら走行。再びステアリングを託された佐々木選手は、入賞まであと一歩の11位でチェッカーを受けた。

一方、GT300では好スタートを決めた「B-MAX NDDP GT-R」の星野一樹選手が、まずは2番手キープからレースを開始。トップから大きく遅れを取ることなく、周回を重ねていく。その後、トップを行く「TOYOTA PRIUS apr GT」のペースが鈍り始めたこともあって、星野選手は一気に差を詰め、やがて逆転を果たす。そして、高星選手と交代した後、いったんは3番手に退くも、すぐに2番手に復帰。徐々にトップとの差を詰めつつあった中、アクシデントは起こった。

ストレートエンドで「B-MAX NDDP GT-R」の左フロントタイヤに、トラブルが発生。コースアウトせず、しかもマシンにダメージなくピットに戻れたのは不幸中の幸いではあった。コースに戻った星野選手は猛追を見せ、2回目のピットストップを全車が終えた時には4番手に。勢いが止まらない星野選手は順位を上げ続けて残り2周で2番手に浮上。そのままチェッカーを受けることとなった。

また、中盤からまるでランデブー走行のような展開を見せていたのが、「グッドスマイル初音ミクSLS」と「Studie BMW Z4」。それは谷口選手から再び片岡龍也選手に、そして荒聖治選手からヨルグ・ミューラー選手に代わっても、状況はまったく変わらず。それぞれ5位、6位でゴールすることとなった。

DRIVER VOICE

関口雄飛 選手 [WedsSport ADVAN RC F]

【今回の成績 : GT500クラス 7位】
今回は2スティントを走りました。前半と後半で異なるタイヤを使ったのですが、後半は少し柔らかめのタイヤを使いました。どちらのタイヤもフィーリングは良く、路面温度が下がったことで柔らかめのタイヤを使うことができ、自分たちができることはやれたと思います。

佐々木大樹 選手 [D’station ADVAN GT-R]

【今回の成績 : GT500クラス 11位】
予選についてはすごく良かったと思います。しかし、決勝レースでは6号車による追突によって、すべてが崩れてしまいました。残念としか言いようがありません。ちょっとした接触ならば何とか立て直せたかもしれませんが、このようなことになってしまい、とても残念です。もっと速く走れるように努力していきたいと思います。

星野一樹 選手 [B-MAX NDDP GT-R]

【今回の成績 : GT300クラス 2位】
最後のスティントは無線が使えず、自分が何位なのか分からず走っていて、そのうち「P8」ってサインが出た時は、今回は権利ないなと思ったのですが、何があるか分からないから諦めずに最後までプッシュしていこうと。そしたら、急に「P4」のサインが出て、ピットから長谷見さんが「行け〜、行け〜」ってやっているのを見て、これは抜かなかったら男じゃないと思いましたね。最後にいいバトルができて2位。ただ、トラブルがなかったら絶対勝てていたので、それがちょっと悔しいですね。

片岡龍也 選手 [グッドスマイル初音ミクSLS]

【今回の成績 : GT300クラス 5位】
まだ僕らのSLSは、セッティングが出し切れていないのもあるし、ヨコハマさんも僕らのSLSでやるのは初めてなので、今回も決勝では少し辛い部分もありました。ただ、実戦をやらないと分からない部分はあるし、1戦目から2戦目まで伸び代はかなりあったので、このペースでタイヤを合わせてもらえれば、必ずチャンスはくると思うので、勝てる時が来た時のために、今は着実に1点でも多く重ねて、シーズンが終わる頃にはチャンピオン争いをしているような、しぶといレースをしていきたいと思います。

CLOSE UP

■GT300からGT500にステップアップしたルーカス・オルドネス選手が語る、デビュー戦の印象、そして両クラスの違いとは?

GT500に初めて出た岡山のレースでは、残念ながら良いパフォーマンスは発揮できませんでしたが、いい経験をさせてもらいました。ウェットコンディションを経験できたのは特に。岡山でGT500を走った経験を今後に活かして、向上させていきたいと思っています。

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GT500ではタイヤの開発競争があるから毎回、違ったスペックを試すことになるので、タイヤをマネージメントするのが非常に難しい。GT300のFIA-GT3にはトラクションコントロールやアンチロック・ブレーキがついていたし、タイヤも安定しているスペックだったので、比較的扱いも簡単でした。だけどGT500には、そういったアシスト機能がついていないので。だけど、GT500をドライブできるのは非常にチャレンジングなことだと思っています。

タイヤテストの機会も多く、試す数も多いので、それぞれの限界を探っていく作業が大変でした。GT300に比べて、仕様の違い、コンパウンドや構造、仕様の差の違いが激しいので。GT300では違った仕様を試しても、違いはあまり大きくなかったのに、GT500になると、ほんの少しいじっただけで大きな差になってきます。このタイヤ開発を今まで経験して来なかったので、今回このチームに入って、タイヤ開発をできたのは、非常に良い経験となりました。ヨコハマタイヤのスタッフの皆さん、そしてファンの方にはすごく感謝しています。

ENGINEER VOICE

藤代秀一 [ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル SUPER GT開発統括]

「D’station ADVAN GT-Rは、6号車との接触でクルマのエアロが壊れてしまい、かなりバランスが悪いままだったので、辛いレースになってしまったようです。あれがなければ、もう少し行けていたと思うのですが……。

予選で「D’station ADVAN GT-R」はソフトを選択しましたが、「WedsSport ADVAN RC F」はミディアムを選択しました。コンパウンドの違いで予選のポジションに差が生じてしまいました。2台ともソフトをきちんとリコメンド出来ていれば、予選・決勝ともに違う結果になっていただろうと思います。とは言えレースに関して、まだまだ課題は多く改善を要することはが明らかです。いろいろデータを調べて、データから課題を明確にし、少しでも早くレースに展開出来るよう改善をはかりたいと思います。一方で、今までドライでパフォーマンス出すのがなかなか難しかったのですが、1台とはいえQ1突破できたというのは、開発が着実に進んでいることの裏付けだと考えています。

GT300は「B-MAX NDDP GT-R」が非常に劇的なレースをしてくれて、盛り上がったのですが、トラブルが残念でした。あれがなければ優勝できていたかもしれません。まだトラブルの原因は解析できていませんが、しっかりと対応してクルマに合った使用条件のリコメンドも含め、トラブルを回避できるようにしていきたいと思います。

次のタイのチャーンサーキットは、相性の良さが昨年確認されましたが、その一方で勝てるレースを落としたという悔しい思いもあるので、今年は勝ちに行きたいと思っています。