2014 WTCC Round 19&20 Preview

【FIA世界ツーリングカー選手権 第19&20戦/上海国際 (中国)】

[Preview] “シトロエン帝国”の連勝が止まった中国、上海でもその流れは変わらないのか!?

WTCC China
(Shanghai International)

開催日 2014年10月11日-12日
開催場所 上海国際サーキット
(中国)
コース距離 4,603m
決勝予定周回数 14周×2レース
2014 WTCC 第19&20戦 プレビュー

前戦の北京金港に続いて、二週連続の中国開催となるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。第10大会の舞台は3年連続の開催となる上海国際サーキット、F1グランプリのコースとしても世界的に知られた地である。

北京では第1レースをトム・チルトン選手(シボレーRML)、第2レースをロブ・ハフ選手(ラーダ)が制して、シトロエンの連勝は10でストップした。また、同一大会の2レースでともにシトロエンが表彰台の真ん中に立てなかったのも、今シーズン初めての出来事である。

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これは北京ラウンドのプレビュー記事にもあるように、アルゼンチンからの長いインターバル中に、各車がアップデートを施した効果そのものであると言える。ただ、シボレーRMLについては北京での結果を受けて、上海ではカンペンセイト(補正)ウェイトが+40kgに設定された。これでもシトロエンの+60kgよりは軽いものの、その影響は決して小さくないだろう。そうなると+20kgのホンダと、±0kgのラーダにとってはチャンスとなってくる。

昨年は11月の初旬に開催された上海、第1レースはスタート時点で降っていた雨が決勝序盤に止み、タイヤ選択にも違いが見られる中でスリックタイヤを選んだ選手に軍配が上がる展開に。優勝争いはシボレーのイヴァン・ミューラー選手が先行するも、チルトン選手が食らいつき最終ラップの最終コーナーで仕掛け二台がほぼ横並びでチェッカー。僅か0.01秒差でチルトン選手が逆転優勝を飾っている。

そして第2レースは上位グリッドを独占したホンダ勢が激しくトップ争いを演じ、最後はティアゴ・モンテイロ選手が逃げきりでポール・トゥ・ウィンを飾り、ホンダでのWTCC初優勝を記録した。モンテイロ選手にとっては思い出の一戦になっているであろうコースなだけに、今年も活躍が期待されるところだ。

なお、現地では既にテストセッションが行われ、ホセ・マリア・ロペス選手(シトロエン)がトップタイムをマーク。2番手でイヴァン・ミューラー選手(シトロエン)、3番手でノルベルト・ミケリス選手(ホンダ)が続いている。上海でロペス選手はチャンピオン獲得の可能性もあるだけに、目を離せないレースとなりそうだ。



初開催となる鈴鹿・フルコースでの日本ラウンドまでカウントダウン!!

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今週末の上海ラウンドが終わると、いよいよ今年もWTCCは日本に上陸してくる。舞台は4年目となる三重県の鈴鹿サーキット、シリーズの第21&22戦として10月25日(土)に公式予選、26日(日)に決勝レースが行われる。

今年の日本ラウンド、最大の話題は開催コースが昨年までの東コース(2,243m)からフルコース(5,807km)に変更されたことだ。周回数は少なくなるため、現地での観戦では目の前を通過する回数が減るものの、レースとしては間違いなくエキサイティングなものへと大きく変貌することになるだろう。

東コースではやや限られたパッシングポイントが増え、特に130Rでの攻防は大いに見どころとして注目を集めるところ。WTCCならではのツーワイド、スリーワイドで130Rに飛び込んでいくシーンが目の前で繰り広げられる可能性も高い。

WTCCと同じくヨコハマタイヤのワンメイクで開催されているスーパー耐久も併催される鈴鹿、ホンダとシトロエンは応援グッズ付きのシートも販売されており、鈴鹿名物のコースにより近いポイントで観戦できる「激感エリア」も設定されている。
詳しくは鈴鹿サーキットのWTCC紹介ページに掲載されているので、こちらもご参照の上でぜひ世界最高峰のツーリングカーによるスプリントバトルを観戦していただきたい。

TV ONAIR

第19&20戦・上海国際の模様は、テレビ大阪で10月17日(金)の25時25分~25時40分、BSジャパンで10月19日(日)の9時15分~9時30分に、それぞれダイジェストが放送されます。こちらもぜひ、お見逃し無く!!



【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第18戦終了時点)】

順位 クラス No. ドライバー 車 両 ポイント
1 TC1 37 ホセ・マリア・ロペス シトロエン・C-エリーゼ WTCC 339
2 TC1 1 イヴァン・ミューラー シトロエン・C-エリーゼ WTCC 273
3 TC1 9 セバスチャン・ローブ シトロエン・C-エリーゼ WTCC 238
4 TC1 18 ティアゴ・モンテイロ ホンダ・シビック WTCC 146
5 TC1 2 ガブリエレ・タルクィーニ ホンダ・シビック WTCC 126
6 TC1 4 トム・コロネル シボレーRML・クルーズ TC1 118
7 TC1 7 ノルベルト・ミケリス ホンダ・シビック WTCC 118
8 TC1 3 トム・チルトン シボレーRML・クルーズ TC1 117
9 TC1 10 ジャンニ・モルビデリ シボレーRML・クルーズ TC1 103
10 TC1 12 ロブ・ハフ ラーダ・グランタ 1.6T 66
11 TC1 25 メルディ・ベナニ ホンダ・シビック WTCC 59
12 TC1 7 ヒューゴ・ヴァレンテ シボレーRML・クルーズ TC1 53
13 TC1 33 マー・チンホワ シトロエン・C-エリーゼ WTCC 33
14 TC1 11 ジェームス・トンプソン ラーダ・グランタ 1.6T 19
15 TC1 98 ドゥサン・ボルコビッチ シボレーRML・クルーズ TC1 17
16 TC1 14 ミハイル・コズロフスキー ラーダ・グランタ 1.6T 11
17 TC2 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 7
18 TC2 27 ジョン・フィリッピ セアト・レオン WTCC 4
19 TC1 77 レネ・ミュニッヒ シボレーRML・クルーズ TC1 3
20 TC2 8 パスカーレ・デ・サバチーノ BMW 320TC 2

【YOKOHAMAドライバーズトロフィー・ポイントランキング (第18戦終了時点)】

順位 クラス No. ドライバー 車 両 ポイント
1 TC2 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 190
2 TC2 27 ジョン・フィリッピ セアト・レオン WTCC 109
3 TC2 8 パスカーレ・デ・サバチーノ BMW 320TC 98
4 TC2 15 カミロ・エチェバリア BMW 320TC 12
4 TC2 55 ノルベルト・ナギー セアト・レオン WTCC 12
6 TC2 27 ペトル・フーリン セアト・レオン WTCC 10
7 TCN 99 谷口 行規 ホンダ・シビック S2000 TC 10
8 TC2 26 フェリペ・デ・ソウザ BMW 320TC (E90) 6
9 TC2T 50 ニキータ・ミスリア セアト・レオン WTCC 5

CIRCUIT

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■上海国際サーキット

今年でオープンから10周年を迎えた、中国を代表するレーシングトラックである上海国際サーキット。ヘルマン・ティルケ氏のデザインにより、上海の「上」の字をモチーフにもした独特なルックスが特徴的なサーキットだ。

コース全長はフルコースで5,421m。ただしWTCCでは一部をショートカットして4,603mとして競われる。1.2kmを超えるストレートと変化に富んだコーナーの組み合わせにより、攻略し甲斐のあるコースとなっている。特にツーリングカーではベース車両の特性やセットアップによるマッチングも重要なポイントとなるので、TC1規定車両がどのようなパフォーマンスをそれぞれの車種で見せるのかが注目のポイントとなる。

路面は昨年の開催前に部分的な補修が施されており、タイヤへのシビアリティは決して高くないという特徴がある。テクニカルセクションでは温度上昇も見られるが、長いストレートで冷やされるために負担は大きくない。ゆえにあまりタイヤマネージメントに気をつかう必要が無く、最初から最後まで激しいポジション争いが随所で演じられることも期待されるコースのひとつだ。

これまでのコースレコードは、決勝は2012年にアラン・メニュ選手(シボレー)がマークした1分55秒233(平均車速 143.80kph)。ファステストラップは2013年の予選でイヴァン・ミューラー選手(シボレー)がマークした1分53秒486(平均車速 146.01kph)となっている。