2014 WTCC Round 15&16 Preview

【FIA世界ツーリングカー選手権 第15&16戦/テルマス・デ・リオ・オンド (アルゼンチン)】

[Preview] 2年目のアルゼンチンラウンド、地元のヒーローが今年も活躍を見せるのか!?

WTCC Argentina

開催日 2014年8月2日-3日
開催場所 テルマス・デ・リオ・オンド
(アルゼンチン)
コース距離 4,806m
決勝予定周回数 13周×2レース
2014 WTCC 第15&16戦 プレビュー

駆け足で各地を転戦したヨーロッパラウンドを6月下旬に終えた2014年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。1ヶ月半というやや長いインターバルをはさみ、戦いの舞台は南米・アルゼンチンへと移る。各チームは前戦・ベルギー(スパ-フランコルシャン)を終えた後、7月5日にマシンや機材を同国のアントワープ港に搬入。ここから40フィートの海上コンテナ、合計29本に積載されて長い船旅がスタートした。

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7月22日に長旅を終えたマシンや機材は、南米はアルゼンチンのブエノスアイレスに到着。ここから無事にテルマス・デ・リオ・オンドへと搬入され、昨年に続いて2回目のWTCC開催は準備が整えられた。

このアルゼンチン戦で注目のドライバーと言えば、今年はシトロエンを駆って目下シリーズランキング争いのトップを快走している、ホセ・マリア・ロペス選手である。
31歳のアルゼンチン出身、2002年にイタリア・フォーミュラルノー選手権で4勝を挙げてチャンピオンに輝くと、FIA F3000やGP2シリーズにステップアップ。2006年にはF1ルノーチームのテストドライバーもつとめた南米を代表するレーシングドライバーの一人だ。

2007年以降は主にアルゼンチンの国内戦で活躍を続けてきたが、昨年初めてアルゼンチンで開催されたWTCCに出場。Wiechers-SportからBMW320TCを駆っての参戦だったが、第1レースで10番手スタートから5位に躍進してフィニッシュすると、ポールポジションからスタートした第2レースは猛追するガブリエレ・タルクィーニ選手らを振り切って初参戦で初優勝を飾っている。
この活躍も認められて今年はシトロエンをドライブするロペス選手、ランキングリーダーとしての凱旋レースは地元ファンの熱い声援も優勝への大きな後押しになる可能性が高い。



シリーズ後半のカレンダーが変更、中国で2大会を開催!!

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さて、ヨーロッパラウンドを終えた2014年のWTCCだが、前戦・ベルギー(スパ-フランコルシャン)終了後に、今年の残るカレンダーについて修正が発表された。
当初予定されていたソノマレースウェイでのアメリカ戦がキャンセルとなり、新たに北京金港サーキットが加えられた。北京戦は10月4日から5日に行われ、これにより北京、上海国際と二週連続で中国を舞台にWTCCは開催される運びとなる。

北京金港サーキットは全長2.39kmのテクニカルコースで、CTCC(中国ツーリングカー選手権)などが開催されてきた。コンパクトなコースはやや幅員も狭く、速さの増している新規定のWTCC車両がどのような戦いぶりを見せるかも興味深いところだ。

TV ONAIR

第15&16戦・アルゼンチンの模様は、テレビ大阪で8月8日(金)の25時25分~25時40分、BSジャパンで8月10日(日)の9時15分~9時30分に、それぞれダイジェストが放送されます。こちらもぜひ、お見逃し無く!!



【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第14戦終了時点)】

順位 クラス No. ドライバー 車 両 ポイント
1 TC1 37 ホセ・マリア・ロペス シトロエン・C-エリーゼ WTCC 255
2 TC1 1 イヴァン・ミューラー シトロエン・C-エリーゼ WTCC 216
3 TC1 9 セバスチャン・ローブ シトロエン・C-エリーゼ WTCC 190
4 TC1 18 ティアゴ・モンテイロ ホンダ・シビック WTCC 125
5 TC1 2 ガブリエレ・タルクィーニ ホンダ・シビック WTCC 105
6 TC1 4 トム・コロネル シボレーRML・クルーズ TC1 99
7 TC1 10 ジャンニ・モルビデリ シボレーRML・クルーズ TC1 84
8 TC1 3 トム・チルトン シボレーRML・クルーズ TC1 75
9 TC1 5 ノルベルト・ミケリス ホンダ・シビック WTCC 74
10 TC1 7 ヒューゴ・ヴァレンテ シボレーRML・クルーズ TC1 53
11 TC1 25 メルディ・ベナニ ホンダ・シビック WTCC 51
12 TC1 33 マー・チンホワ シトロエン・C-エリーゼ WTCC 33
13 TC1 98 ドゥサン・ボルコビッチ シボレーRML・クルーズ TC1 17
14 TC1 12 ロブ・ハフ ラーダ・グランタ 1.6T 13
15 TC1 14 ミハイル・コズロフスキー ラーダ・グランタ 1.6T 11
16 TC2 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 6
17 TC2 27 ジョン・フィリッピ セアト・レオン WTCC 4
18 TC1 77 レネ・ミュニッヒ シボレーRML・クルーズ TC1 3
19 TC2 8 パスカーレ・デ・サバチーノ BMW 320TC 2
20 TC1 11 ジェームス・トンプソン ラーダ・グランタ 1.6T 2

【YOKOHAMAドライバーズトロフィー・ポイントランキング (第14戦終了時点)】

順位 クラス No. ドライバー 車 両 ポイント
1 TC2 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 144
2 TC2 8 パスカーレ・デ・サバチーノ BMW 320TC 98
3 TC2 27 ジョン・フィリッピ セアト・レオン WTCC 77
4 TC2 55 ノルベルト・ナギー セアト・レオン WTCC 12
5 TC2 27 ペトル・フーリン セアト・レオン WTCC 10
6 TCN 99 谷口 行規 ホンダ・シビック S2000 TC 10
7 TC2T 50 ニキータ・ミスリア セアト・レオン WTCC 5

CIRCUIT

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■テルマス・デ・リオ・オンド

アルゼンチンの首都・ブレノスアイレスから国内線の航空便でおよそ1時間45分、距離にして1,000kmほどのフライトで到着するテルマス・デ・リオ・オンド市。この町はスパリゾートとしてアルゼンチンでは広く知られているが、そんなリゾート地の一角に2008年にオープンしたサーキットコース。
2012年になって大規模な改修が施され、フラットなロケーションのコースは舗装も新しくされて2013年のWTCC初開催を迎えることとなった。今年に入ってからは4月に二輪のモトGPの公式戦が初めて開催され、それにあわせて施設の充実が図られている。

コースは前述の通りフラットで、ストレートは1,076mという長さを誇る。一方でタイトなヘアピンもあり、さらに中高速コーナーが続くセクションも有し、シンプルながら攻略し甲斐のあるレイアウトだ。
昨年は2レースともに優勝はポール・トゥ・ウィンとなったものの、2位以下の争いは大接戦となり、随所でWTCCらしいバトルが演じられている。

初開催となった昨年のファステストラップは、予選でイヴァン・ミューラー選手(シボレー)がマークした1分47秒920(平均車速 160.31kph)。決勝のファステストラップもミューラー選手の1分50秒248(平均車速 156.93kph)となっている。