2014 JGC Round 4 Report

【全日本ジムカーナ選手権 第4戦/スナガワ】

シリーズ前半戦を締めくくる北海道ラウンドは、
ヨコハマタイヤ装着車が5つのクラスを制覇!!

JGC Round 4

開催日 2014年6月22日
開催場所 オートスポーツランドスナガワ
(北海道)
天候 晴れ
路面 ドライ
参加台数 74台
(ヨコハマタイヤ装着車 23台)
2014 全日本ジムカーナ選手権 第4戦

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

全8戦で開催される全日本ジムカーナ選手権は、前半戦を折り返す第4戦を迎えた。その第4戦の舞台は、北海道ジムカーナのメッカ、オートスポーツランドスナガワ・ジムカーナコースだ。
コースレイアウトは、前半は島回りを使用したハイスピード区間、ゴール直前にはテクニカルなパイロンセクションが設定され、豪快さと繊細さが要求されるという攻め甲斐のあるコースとなっている。
それは今年も変わらなかったが、ここ最近は資金的、時間的な問題から北海道への遠征をスキップする選手も多く、残念ながら今年も全クラス合わせて74台の出場にとどまった。これに、全日本と併催された北海道ジムカーナラジアルシリーズ第4戦の11台を加えた計85台が出走して争われた。

スナガワのコースは路面のミューが高い一方で、タイヤへの攻撃性が高い路面としても知られている。そのため、同じタイヤで2トライを走る全日本の場合は、第2ヒートでタイムを向上させるのが難しいと言われており、第1ヒートが勝負どころと考える選手も多い。
だが、そんな定説を覆し、第2ヒートにベストタイムを更新したのが、SA3クラスの天満清選手だ。

SA3クラスは天満選手をはじめ、これまで全日本ジムカーナ選手権で何度もトップに上り詰めた強豪ドライバーが集まっているだけに、毎戦シビアな接戦が繰り広げられている。今回は第1ヒートで天満選手がトップタイムをマークするが、2位以下とは0.05秒ほどのわずかな差でしかなく、気を抜けない状態だった。
「今年はまだ一度も優勝していないので、今回はどうしても勝ちたかった。そのため、いつも以上に気合を入れて走り方やセッティングをコースに合わせて煮詰めてきました」と語る天満選手は、「第2ヒートはイメージどおりの動きをしてくれました」とまさに人馬一体となった走りで、第1ヒートで自身がマークしたベストタイムをさらに更新。両ヒートともトップタイムを奪う見事な走りで、今季初となる優勝を飾った。

PN4クラスは、ここまで開幕3連勝を果たしている岡野博史選手が今回は不参加。
「岡野選手がいないからこそ、確実に優勝を決めようと思っていたのですが、その分逆にプレッシャーがすごかったですね」と語る角岡隆志選手が、そのプレッシャーを跳ね返して優勝。こちらも天満選手と同じく両ヒートを制して今季初優勝を飾った。

N2クラスでは「このコースはタイヤに厳しいので、なんとしても第1ヒートでベストタイムを出しておきたかったのですが、見事に失敗してしまいました」と語る小林辰朗選手が、第1ヒートで痛恨のパイロンタッチ。
だが「タイヤはADVAN A050のG/Sコンパウンドを使用しましたが、路面温度が適正温度だったこともあり、第2ヒートもしっかりとグリップを発揮してくれました」と、第2ヒートは確実にベストタイムをマークして今季2勝目を飾った。

SA1クラスは昨年のチャンピオン斉藤邦夫選手が第3戦で今季初優勝を遂げ、いよいよエンジンがかかってきた感がある。ところが第1ヒートは、「パイロンセクションでミスコースしたと思ってペースを落としてしまいました」と3番手。周囲をヒヤッとさせたものの、第2ヒートでは「ミスなく走り切れば、十分逆転できると思っていました」と、第1ヒートのミスを打ち消す快走を披露。
公言どおり逆転優勝を果たし、こちらも第3戦に続き2連勝となる今季2勝目を挙げた。

そして第2戦に登場して以来、土付かずの2連勝を飾っている柴田優作選手が出場したSA2クラスでは、「今回は今までと違うセッティングをトライしてみたのですが、それがうまく路面とマッチングしてくれました」と、今回もチャンピオンらしい貫禄の走りで3連勝を獲得した。

DRIVER VOICE

角岡隆志 選手 [ADVAN TOLAP Ω ランサー]

【今回の成績 : PN4クラス 優勝】
今回は金曜日のテストから絶対に一度もパイロンタッチしないで走り切ることを目標にしましたが、それをしっかりと達成することができました。その状況で優勝することができたのは、自分にとっても自信になりました。
タイヤはADVAN NEOVA AD08Rを装着しましたが、タイムも確実にチャンピオンの岡野選手に近づいていると思うので、岡野選手が出場する次戦も優勝に向けて頑張りたいと思います。

小林辰朗 選手 [ADVAN トタル ザクロス RX7]

【今回の成績 :N2クラス 優勝】
このコースは、島回りのセクションの路面と、最後のパイロンセクションの路面で大きくグリップが変化する路面なので、そこでいかに走りを合わせるかを考えて走りました。特に決勝タイムをマークした第2ヒートは、しっかりと対応できたと思っています。
タイヤも最後までしっかりとグリップを発揮してくれました。ポイントリーダーの座を守れたのは、タイヤのおかげだと思っています。

斉藤邦夫 選手 [ADVAN A050 シビック]

【今回の成績 :SA1クラス 優勝】
このコースはタイヤの摩耗が激しいコースなので、第2ヒートのタイムアップが難しいと思っていましたが、なんとかタイムアップできて良かったと思っています。
今回はADVAN A050のG/Sコンパウンドを装着しましたが、タイヤのグリップ感が高くイメージどおりの走りができました。

柴田優作 選手 [ADVAN ペトロナス EXIGE]

【今回の成績 :SA2クラス 優勝】
今回は、走りに関してもセッティングに関しても完璧に決まりましたね。特に第1ヒートは、自分でも驚くほど良い走りができたと思っています。ただ、第2ヒートはちょっとチャレンジしすぎたところもあってタイムダウンしてしまったのが残念ですが、結果的に第1ヒートのタイムで3連勝を決められて嬉しく思っています。

天満 清 選手 [ADVAN レイズ クスコ ランサー]

【今回の成績 :SA3クラス 優勝】
今回はADVAN A050のG/Sコンパウンドを4輪に装着しましたが、このコースとはマッチングが良いのでいつもタイヤに助けられていますね(笑)。最後のパイロンセクションは路面がコンクリートのためグリップが低下するのですが、そこでもしっかりとグリップ力を発揮してくれました。
今回勝てたのはタイヤのおかげでもあります。ありがとうございました。

FEATURED DRIVER

■PN1クラス : 勝野佑紀 選手

以前はEK9シビックで全日本選手権のSA1クラスに出場していたが、その後はスイフトスポーツでPN1クラスに参戦しているのが、勝野佑紀選手だ。
3年前にPN1クラスに参戦した勝野選手は、その後仕事の関係で2年間活動を休止。だが、今年の第2戦から復活を果たし、今回が3戦目となる。

過去にはSA1クラスで3位を獲得したこともあるが、PN1クラスではこれまで4位が最上位。だが、今回は第1ヒートをトップで折り返す活躍を見せてくれた。
「実は今年から柴田優作選手のお店、ARVOU(アルボー)さんにメンテナンスをお願いしています。その関係もあって、柴田さんにはジムカーナの戦い方をいろいろ教えていただきました。今回も『1本目勝負だぞ』と言われていたので、なんとかタイムを残そうと思って走りました」。惜しくも第2ヒートで逆転されてしまったが、全日本では自己最上位となる2位を獲得した。

「今回の成績は柴田さんのアドバイスとタイヤのおかげだと思います。タイヤはADVAN NEOVA AD08Rを使用していますが、どんな条件でも高いグリップを発揮してくれるところが良いですね。今回の2位もうれしいですが、次は優勝することを目標にこれからも頑張っていきます」

全日本選手権での自己最高となる2位入賞をきっかけに、今後もPN1クラスの優勝候補として飛躍することに期待したい。

TECHNICAL INFORMATION

オートスポーツランドスナガワの路面は非常に攻撃性が強く、タイヤに厳しいコースと言われている。ただ、ADVAN A050のG/Sコンパウンドとの相性は良く、特に今回は気温や路面温度もG/Sコンパウンドの適正温度域だったこともあり、ADVAN A050を使用するすべての選手がG/Sコンパウンドを選択していた。

また、スナガワは路面のグリップが高いためにコーナリングではフロントがインに入りやすく、リヤのグリップ力も高いため、他のコースよりも速いコーナリングが可能となる。路面の特性に合わせたタイヤコンパウンドの選択と、コースの特性に対応するセッティングを施した選手が上位に食い込み、5クラス制覇という活躍に結びついた。