2014 JGC Round 3 Report

【全日本ジムカーナ選手権 第3戦/名阪・C】

第3戦はヨコハマタイヤ勢が6つのクラスを制覇、
N2クラスとSA1クラスは表彰台を独占する強さを見せた!!

JGC Round 3

開催日 2014年5月17日-18日
開催場所 名阪スポーツランド・Cコース
(奈良県)
天候 晴れ
路面 ドライ
参加台数 172台
(ヨコハマタイヤ装着車 46台)
2014 全日本ジムカーナ選手権 第3戦

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全日本ジムカーナ選手権は舞台を近畿地区に移し、近畿におけるジムカーナのメッカとも言われる奈良県の名阪スポーツランド・Cコースにおいて第3戦が開催された。今年の大会は週末を通して好天に恵まれ、決勝日の気温は早朝でも15度前後、日中には26度にも達する暖かい良好なコンディションのもとで行われた。
陽が高くなるにつれて路面温度も上昇、N1クラス以降は多くのドライバーがADVAN A050の高温向けとなるG/Sコンパウンドを装着。もともとカートコースであるこのコースは、比較的路面ミューが低いことで知られるが、幅広い温度域をカバーするG/Sコンパウンドが十分なグリップを発揮し、各クラスでヨコハマタイヤ勢の活躍を後押しする結果となった。


コースレイアウトは、スタート後の前半区間に360度のフリーターンを配置。ここ数年は毎年この大会に設定され、今や名物ともなっているフリーターンだが、例年どおり今年もこのフリーターンの難易度が高く、勝負の行方を左右する大きな要素にもなった。特に、右からターンするのが有利なのか、それとも左ターンが有利なのか、あるいはフリーターン区間の入口付近で回るのか、それとも出口付近で回るのかなど様々な戦略が考えられ、どの選手も大いに悩まされた。


そんな名阪を得意とするのが、昨年も名阪ラウンドを制したPN3クラスの森嶋昭時選手だ。今年の第2戦・仙台ラウンドではマシンセッティングが合わず4位に終わったが、今回はしっかりセッティングを見直してきた。その甲斐あってか、第1ヒートでライバルに0.252秒の差をつけるベストタイムをマーク。結果的にはこの第1ヒートのタイムで逃げ切り、今季初優勝を成し遂げた。


PN4クラスでは、開幕2連勝中の岡野博史選手が第1ヒートでベストタイムをマーク。だが、今回はいつものような大差をつけるパターンではなく、同じヨコハマタイヤユーザーである角岡隆志選手が0.005秒という僅差で追従する。
その角岡選手が第2ヒートでベストタイムを更新、岡野選手を逆転してトップに立った。だが、岡野選手も負けてはいない。第2ヒートは見事なターンを披露し再逆転、連勝を3へと伸ばした。また、角岡選手も2位に入り、ヨコハマタイヤユーザーがワン・ツー・フィニッシュを飾る結果となった。


今回22台の出場と最多激戦区となったN1クラスでは、前戦で今季初優勝を遂げた箕輪雄介選手が今回も好調さをキープ。第1ヒートでベストタイムをマークしてトップで折り返すと第2ヒートに入っても箕輪選手のタイムは破られず、そのまま逃げ切りで2連勝を飾った。


さらにヨコハマタイヤ勢の快進撃は続く。N2クラスでは第1ヒートで昨年のJAFカップを制した上本昌彦選手がベストタイムを奪い、これを第2戦で優勝を飾った小林辰朗選手が追うという展開に。
だが、第2ヒートに入ると今季初出場となる2010年のN1クラスチャンピオン、関口大悟選手が大幅なタイムアップを果たす。このタイムが決勝タイムとなり、2011年からロータス・エキシージを駆る関口選手にとってはエキシージでの初優勝を飾る結果となった。また、上本選手、小林選手もそれぞれ2位、3位に入り、ヨコハマタイヤユーザーが表彰台を独占した。

SA1クラスでも、昨年のチャンピオン斉藤邦夫選手が第1ヒートをトップで折り返し、仙台から遠征してきている工藤典史選手が2番手。第2ヒートに入っても斉藤選手のタイムには誰も届かず、斉藤選手が今季初優勝を飾った。2位には、第2ヒートで見事な追い上げを見せた志村雅紀選手が入り、工藤選手が3位入賞。こちらも表彰台をヨコハマタイヤユーザーが表彰台を独占することとなった。

SA2クラスでは、今季2戦目の出場となる柴田優作選手が2位以下を1秒以上引き離すトップタイムをマーク。このクラスでは名阪ラウンドでの連勝記録を4に伸ばし、その実力をしっかりと見せ付けた。

このように、初夏を思わせる陽気のなかで開催された第3戦は、6つのクラスでヨコハマタイヤ装着車が優勝を獲得するという活躍ぶりをみせた。

DRIVER VOICE

森嶋昭時 選手 [ADVAN レイズ K1 トヨタ86]

【今回の成績 : PN3クラス 優勝】
今回は土曜日の公開練習日からとても調子が良く、クルマを思いどおりに動かすことができました。第2戦の成績が今ひとつでしたので、今回はタイヤに合わせてあらためてセッティングを見直してきたのが良かったのかもしれません。
今回のコースは難しいフリーターンも設定されていましたが、名阪スポーツランドとの相性はいいので自信を持って攻めることができました。

岡野博史 選手 [ADVAN リジット ランサー]

【今回の成績 :PN4クラス 優勝】
第2ヒートは角岡選手に逆転されましたが、なんとか再逆転することできてホッとしています。
自分の走りとしては、この週末はあまり調子が良くなく、サスペンションセッティングもなかなか合わせ込むことが難しかったので辛い戦いでしたが、その分ADVAN NEOVA AD08Rがしっかりとカバーしてくれたと思います。

箕輪雄介 選手 [ADVAN ペトロナス インテグラ]

【今回の成績 :N1クラス 優勝】
このクラスは常にコンマ差の接戦になりますし、特に今回は360度のフリーターンが設定されていたのですが、しっかりとターンを攻めたことが勝因だと思います。タイヤはADVAN A050の高温向けコンパウンドであるG/Sコンパウンドを4輪に装着しましたが、路面との相性が良くタイヤの性能を確実に引き出すことができました。
これで2連勝となりシリーズランキングもトップにもなりましたが、まだまだ気は抜けないので第4戦もしっかり戦いたいと思います。

関口大悟 選手 [ADVAN エナペ ExigeS]

【今回の成績 :N2クラス 優勝】
自分にとっては第3戦が今シーズンの初参戦となりましたが、エキシージに乗り換えてからは初めての優勝なので非常に嬉しいです。このクラスに参戦してからはどれだけやれるか不安でしたが、いろいろなスポンサーの方々に協力していただいたおかげだと思っています。
特に今回装着したADVAN A050のG/Sコンパウンドが路面とのマッチングも良く、思い切り攻めることができたのが勝因だったと思います。

斉藤邦夫 選手 [ADVAN A050 シビック]

【今回の成績 :SA1クラス 優勝】
今回は同じヨコハマタイヤユーザーの志村選手が第2ヒートに追い上げてきましたし、自分の走りにもミスがあったので危なかったですね。勝つことができて、本当に良かったです。コースも難易度が高く、かなり工夫された設定だったと思うので、その意味でも優勝できたのは価値があったと思います。
今年の初優勝でしたが、この勢いでこれからも戦っていきたいと思います。

柴田優作 選手 [ADVAN ペトロナス EXIGE]

【今回の成績 :SA2クラス 優勝】
タイヤは4輪にADVAN A050のG/Sコンパウンドを装着しました。気温、路面温度ともにタイヤの性能を最大限引き出す条件もそろっていたと思います。
自分の走りも今回は調子が良く、両ヒートともミスなく走ることができました。フリーターンも狙ったラインで旋回することができ、クルマの調子も悪くなかったのも勝因だったと思います。

FEATURED DRIVER

■SCクラス : 小林キュウテン 選手

2012年まで全日本ジムカーナDクラスのなかで圧倒的な強さを発揮し、7度のタイトルを獲得してきたのが小林キュウテン選手だ。昨年は後進にシートを譲りいったんは活動を休止していたが、Dクラスが廃止された今シーズンは心機一転、トヨタ86の改造マシンでSCクラスへと復帰してきた。

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「現在、さまざまなカテゴリーで86が活躍していますし、注目もされているのが86だと思うのです。ただ、これまで一貫して改造車クラスで戦ってきたこともあり、やはり自分としては改造車で参加したかった。そこで、まだ誰もやったことがない86ベースの改造車で参加することにしたわけです」と、小林選手。
これまでも、常々「ジムカーナを見に来てくれるギャラリーの方にも楽しんでもらいたい」というポリシーでジムカーナに参戦してきた小林選手にとって、そんな考えを推し進めるには最適のマシンチョイスと言えるだろう。

オーバーフェンダーが装着されたマシンは迫力ある外観を持ち、エンジンは最高出力400ps以上にフルチューンされたトヨタ製3S-GEUターボエンジンに換装。
「今回がシェイクダウンということもあり、性能的にはまだまだ」ということで今回の成績はいまひとつだったが、パドックで最もギャラリーの注目を集めていたのは間違いない。

「夢のあるマシンでジムカーナを続けていくことが、ジムカーナという競技を世の中にアピールしていくためにも必要だと思うんです。速さに磨きをかけることで注目を集めて、長年サポートしてくれた横浜ゴムさんにも恩返しができれば」と語る小林選手。さらにマシンを煮詰めSCクラス表彰台の頂点に立つ日も、遠い先のことではなさそうだ。

TECHNICAL INFORMATION

長年ジムカーナコースとして使われてきたこともあり、今回は比較的路面ミューが低い中での戦いとなった。今年は例年よりも気温、路面温度ともに高く、ADVAN A050の高温向けとなるG/Sコンパウンドが最も性能を発揮できる条件となった。

特に第1ヒートからヨコハマタイヤユーザーが多くのクラスでベストタイムをマークし、結果として6つのクラスを制覇。そのうちPN4クラスで1~2位、N2クラスとSA1クラスでは表彰台の1位~3位を独占するなど、圧倒的な優秀性を存分に発揮することができた。