2014 JGC Round 2 Report

【全日本ジムカーナ選手権 第2戦/仙台】

ラストランの仙台HRでヨコハマタイヤ勢が6つのクラスを制覇、
PN2&SA1クラスは新鋭ドライバーが活躍し全日本初優勝獲得!!

JGC Round 2

開催日 2014年4月26日-27日
開催場所 仙台ハイランドレースウェイ
(宮城県)
天候 晴れ
路面 ドライ
参加台数 132台
(ヨコハマタイヤ装着車 40台)
2014 全日本ジムカーナ選手権 第2戦

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

全日本ジムカーナ選手権の第2戦が、宮城県の仙台ハイランドレースウェイを舞台に開催された。
同コースでの開催は今年で3年目となるが、先日、今年の9月15日をもってサーキットの営業を終了することが発表され、今回が最後の全日本ジムカーナ開催となった。

1986年に「西仙台ハイランドスピードウェイ」という名称でオープンし、’91年にコースの一部改修に伴い現在の名称に変更した仙台ハイランドレースウェイ。
レースだけではなくジムカーナ、ダートトライアル、ドラッグレースなど様々なモータースポーツを開催できることから”東北地方のモータースポーツのメッカ”として愛されてきたが、その28年の歴史が幕を閉じることとなる。全国から集まった選手たちの間からも、サーキットの閉鎖を惜しむ声が数多く聞かれた。


今年もレーシングコースを使用したコースレイアウトは、ピットからスタートした前半にサーキットの1~3コーナーまでを使用したハイスピードセクションを設定。4コーナー手前で180度ターンをこなしてピット前のメインストレートまで戻り、後半はコース上に林立したパイロンを休む間もなくターンしていくテクニカルセクションでフィニッシュという設定だ。
性格の異なるふたつのセクションは、選手たちからも攻めがいのあるコース設定として好評を得ていた。

空模様は、金曜日から日曜日まで終始晴天となり、決勝日は気温も路面温度も徐々に上昇するというジムカーナ日和。第1ヒートのタイムが優勝タイムとなるクラスも多く、序盤から気の抜けない戦いが各クラスで繰り広げられた。


そんななか、今大会ではふたつのクラスでヨコハマタイヤユーザーが全日本初優勝を挙げた。

ひとりは、FD2シビックタイプRとZ34フェアレディZがライバルとしてしのぎを削っているPN2クラスの蛯原輝彦選手だ。昨年まではスイフト・スポーツでPN1クラスに参戦していたが、今季からコルト・ラリーアート・バージョンRでPN2クラスに挑んでいる。
排気量1,468ccのターボエンジン車ということでPN2クラスとしては排気量こそ小さいが、重量級マシンを相手にコンパクトさとADVAN NEOVA AD08Rを武器にテクニカルなパイロンセクションを見事に攻略。第1ヒートのタイムで自身初の全日本優勝を遂げた。

もうひとりは、SA1クラスの近藤岳士選手だ。
近藤選手は関東ジムカーナ選手権で3年連続チャンピオンに輝いている実力を持っているが、全日本は今回が2回目というベテランドライバーだ。ジムカーナを始めて以来、長年乗っているというCR-XにADVAN A050を装着し、強豪ひしめくSA1クラスでただひとり1分13秒台を刻む走りを見せ初優勝を獲得した。今年はイオックス、もてぎ、本庄ラウンドにスポット参戦の予定とのことで、今後の活躍にも期待できるドライバーのひとりだ。
SA1クラスは2位にEK9シビックタイプRの志村雅紀選手も入賞し、ヨコハマタイヤユーザーがワン・ツー・フィニッシュという強さを見せた。

SA2クラスでは、開幕戦を欠場していたチャンピオンの柴田優作選手が今季初出場。昨年同様、第1ヒートから2位に圧倒的なタイム差をつける快走を披露し、今季1勝目を挙げた。

N1クラスでは開幕戦で3位に入賞した箕輪雄介選手が、第2ヒートで見事な逆転優勝を決め、今季初優勝を遂げた。

さらにN2クラスでも、開幕戦で2位に入賞した小林辰朗選手が第1ヒートからベストタイムをマーク。第2ヒートも2位以下の追い上げを振り切り、今季初優勝を獲得する結果となった。

一方、PN4クラスでは開幕戦を制した岡野博史選手が、こちらも第1ヒートから2位以下に1.5秒以上もの差をつけるトップタイムをマーク。第2ヒートもそのまま逃げ切り、開幕戦から2連勝を達成。2位に入賞した新井範正選手とともにSA1クラス同様1?2フィニッシュを飾った。

全日本ジムカーナ第2戦はヨコハマタイヤユーザーが11クラス中6クラスを制し、強さを見せつける結果となった。

DRIVER VOICE

蛯原輝彦 選手 [ゴノイ Link 初音R コルト]

【今回の成績 : PN2クラス 優勝】
コルトを選んだのは、元々PN1クラスに出場していてコンパクトカーに慣れていましたし、低コストで参戦できるからです。パワーは163馬力しかありませんが、小さいボディを生かしてテクニカルセクションは意外に速いんですよ(笑)。今回もそんなテクニカルなパイロンセクションがあったことと、ギア比もうまくコースにマッチしたのが勝因だったと思います。
タイヤはフロントに215/45R16、リヤに195/55R15のADVAN NEOVA AD08Rを装着しました。性能の高さはもちろんですが、コルトにマッチしたタイヤを発売してくれていることにも感謝したいですね。

岡野博史 選手 [ADVAN リジット ランサー]

【今回の成績 :PN4クラス 優勝】
今回は土曜日の公開練習日から調子が良く、セッティングがスムーズに進んだことが勝因のひとつだったと思います。決勝では多少路面の変化があったのですが、そこもうまくドライビングで合わせることができました。特に、ADVAN NEOVA AD08Rがスタートからフィニッシュまでしっかりグリップしてくれたのが、勝因の大きな要素でしたね。
これで2連勝を達成できたので、ぜひこの勢いで3連勝を狙いたいと思います。

箕輪雄介 選手 [ADVAN ペトロナス インテグラ]

【今回の成績 :N1クラス 優勝】
第1ヒートは自分のミスのため下位に低迷してしまいましたが、失敗した区間以外では好タイムが出ていたので、第2ヒートは気持ちを入れ替えてしっかり走れば勝負できると思っていました。
タイヤはADVAN A050を使用しましたが、決勝日はかなり気温が高かったので前後ともに高温向けのG/Sコンパウンドを装備しました。この選択が路面コンディションにピッタリと合い、優勝できたのはタイヤのおかげだと思っています。ありがとうございました。

小林辰朗 選手 [ADVAN トタル ザクロス RX7]

【今回の成績 :N2クラス 優勝】
今回装着したタイヤはADVAN A050で、前後とも高温向けのG/Sコンパウンドを装備しました。タイヤのパフォーマンスは高く、その点に関してはまったく問題がなかったのですが、第1ヒートは4コーナー手前に設置されていた180度ターンを少し行き過ぎてしまい、タイムロスしてしまいました。
ですが、それでもトップタイムを奪うことができ、第2ヒートもそのまま逃げ切ることができたのでホッとしています。今回の優勝でも決して気を抜かず、次も優勝を目指したいと思います。

近藤岳士 選手 [Moty’s ローリング CR-X]

【今回の成績 :SA1クラス 優勝】
全日本に出場するのは3回目ですが、初めて優勝できて非常に嬉しく思っています。ジムカーナ歴は15~16年くらいですが、最初から同じボディのCR-Xで走っています。今回のコースは初めてなので攻略法を諸先輩方に教えていただき感謝しています。
タイヤはADVAN A050を使用しましたが、フロントに高温向けのG/Sコンパウンド、リヤに低温向けのG/2Sコンパウンドを装着しました。CR-Xはリヤが軽いので負担が軽く、タイヤ選択も成功したと思います。今年はこのあとイオックス、もてぎ、本庄の3戦に出場予定ですので、また優勝できるように頑張りたいと思います。

柴田優作 選手 [ADVAN ペトロナス EXIGE]

【今回の成績 :SA2クラス 優勝】
今年初の出場で、自分にとっては今回が開幕戦となりました。そのため、今回は例年以上に事前にテスト走行を行うなど準備をしっかりしてきたことが、結果に繋がったと思います。マシンのセッティングもいろいろトライしてみたのですが、予想以上に良く仕上がったのも勝因のひとつですね。
タイヤは前後ともADVAN A050の高温向けとなるG/Sコンパウンドを装着しましたが、路面温度などの諸条件がぴったりで、タイヤの性能を十分に発揮することができました。

FEATURED DRIVER

■SA1クラス : 工藤典史 選手

今回のコースの地元である仙台市から毎戦参加してきているのが、ジムカーナ歴23年というベテランの工藤典史選手だ。東北地方では「走るアナウンサー」としても知られている。

「以前にゼッケン1番で出場して、主催者からアナウンサーもやってくれと頼まれたことがあったんです。そのときにコースクリアで走りながら無線を使ってコースの解説をしたのですが、クラス4位のタイムが出てしまった。それから走るアナウンサーと呼ばれるようになってしまいました(笑)」

そんな工藤選手だが、震災後も「東北モータースポーツ復興のために」と参戦を続け、2011~2012年はPN1クラスにフル参戦した。

「震災直後は、こんなときにジムカーナなんて……と言われるとも思いました。でも、逆にいつもどおり普通にジムカーナを楽しむことも、復興のためには必要だと感じたのです。特に東北の人は何事にも一所懸命立ち向かうという姿勢でいますし、自分も頑張ろうという気持ちで参戦してきました」

工藤選手は昨年からSA1クラスにADVAN A050を装着したEK9・シビックで参戦しているが、今年は開幕戦で3位表彰台も獲得した実力者でもある。今回の地元での大会も第1ヒートで2番手のタイムをマーク。第2ヒートでは逆転されて惜しくも4位で終えたが「途中までいい夢を見せてもらいましたよ(笑)」と、負けて悔いなしという壮快な笑顔を見せてくれた。

「ジムカーナをできるだけ長く続けるのが目標です」と語る工藤選手の今後の活躍に注目だ。

TECHNICAL INFORMATION

今回のコースとして使用された仙台ハイランドの本コースは、1周するとさまざまな路面があり、日本のニュルブルクリンクとも言われる難易度の高いコースだ。ただ、今回のジムカーナで使用したのはホームストレートから4コーナー手前までで、比較的きれいな路面で走行することができたうえに、路面温度も40℃程度でADVAN A050の高温向けG/Sコンパウンドにはベストマッチの条件となった。

そのため土曜日の公開練習からヨコハマタイヤユーザーは安定した好タイムをマークすることができ、タイヤチョイスも迷うことがなく、決勝で6クラスを制覇するという活躍を見せた。